・「目の覚めるような一撃」
2008年デビューのピアニスト、天平の1stアルバム。とび職から一念発起して芸大に入り首席で卒業、格闘家かピアニストのどちらになろうか迷っていたと言う異色の経歴のピアニストである。
大変刺激的だ。「ピアニスト」と聞くだけで、人によっては遠ざけてしまうかもしれない。相変わらずピアノには他の楽器と比べて、お高くとまっている印象が拭えないのも事実だ。しかしピアノは必ずしもクラシカルな要素だけでなく、無限の可能性を持つ。彼のピアノは、生々しく感情的に、そんなことを暗に示してくれているのかもしれない。
フレイムや幻想曲、鬼神の円舞等では荒々しく猛々しい「メタルピアノ」とでもいうような演奏を、一方では、「一期一会」などで繊細な演奏を、組曲「夏の記憶」では本来のクラシックの良さをだすような演奏を、それぞれの場面で弾きこなす。基本的な技術に裏打ちされた極上のテクニックは圧巻。力強いタッチと流れるような繊細なスケールの絡み合いは、そうそう聞けるものではないだろう。
今まで日本の男性でこんなタイプのピアニストを見たことがない。逆に「ピアノ弾きって、こんな形もありなんだ」と彼は世間に示してくれただろう。まだまだ彼自身発展途上中で、ピアニストとしてのキャリアは始まったばかり。今後、どんな刺激をくれるのか楽しみだ。
・「きらきらした音の粒。」
TVの番組で特集が組まれていたのを見て、その演奏に引きこまれ、CDを購入しました。独特なタイトルの曲たちは、時に疾走感に満ちていて、時に穏やかで、様々な表情を見せます。天平さんの演奏は情熱的で、どことなく武骨なようでいて、でも繊細さと優しさを秘めていると感じます。すごく、音楽に真っ直ぐに向き合っているような印象を受けました。
音楽にあまり詳しくない僕には、どう表現して良いのか分からないのですがクラシックのようでもあり、ジャズのようでもあり、映画音楽のようでもありゲームミュージックのようでもあり……たくさんの要素が含まれているように思いました。他の方も仰っているのですが、情景が浮かぶ音楽だな、と思いました。それは、自然の風景であったり、きらきらした音の粒であったりします。曲の雰囲気にかかわらず、聴いていてとても心地よいです。
もしかしたら違うと感じる方もいらっしゃるかもしれませんがウォン・ウィン・ツァンさんや、久石譲さんが好きな方は、特に気に入るかもしれません。
素晴らしいCDです。
・「何の抵抗もなく涙があふれてしまうような」
普段の視聴環境で3曲目まで聴いてから、あわてて止めて、しまい込んでいたオーディオセットを引っ張り出してき始めから聴き直しました。何の抵抗もなくあっさり涙があふれ出てしまった。こんなことは何年ぶりだろう。懐かしい匂いのする優しい旋律。鬼神の如く力強いタッチ。満天の星々が一気に降り注ぐような繊細なスピード感。なにより、これほど「風景」の思い浮かぶ音楽はそうお目にかかれないと思う。特に、組曲「夏の記憶」はものすごい。息もつかせず最後まで聴ききってしまいました。しばし放心状態。なにかもったいなくて二回目を聴くのに躊躇してしまった。
そしてなんと聴きやすいことか!あふれんばかりの個性を易々と受け入れてしまえている自分に驚いています。クラシックファン、ジャズファン、ロックファンから情操教育用まで、万人にお勧めします。
・「19歳から・・・」
今日、たまたまお昼前のニュース番組で特集をしてました。破天荒な青春時代を送りながら、19歳からはじめたピアノ・・・型破りなタッチとスピード感溢れる音をTVからズシィーッと胸に響いてきました・・・早く、このCDが手元に届く日を指折り数えて待つしかないなぁ〜
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