・「近年の小野リサの充実振りを確認」
2002年から2006年という比較的最近の小野リサのアルバムから選曲して収録しています。円熟味を増した近年の歌唱ですから、他のアーティストとはレベルが全く違い「上手い、素晴らしい」という演奏ばかりでした。
冒頭の「イパネマの娘」も2006年のヴァージョンですから、その手馴れた歌唱には風格すら漂っています。1989年のデビューから約20年歌ってきた年輪もその歌唱から感じられるようで、ボサ・ノヴァの女王とでも称すべき落ち着きも伺えます。
「キサス・キサス・キサス」「カチート」「オー・ソレミオ」「セシボン」「ジャンバラヤ」のようにおおよそボサ・ノヴァにはならないラテン・ナンバーやカンツォーネ、シャンソン、カントリーのようなジャンルでも見事なボサ・ノヴァ唱法で歌いきってしまう実力に驚かされます。上手いですね、本当に。通常のボサ・ノヴァとは違うジャンルの曲に挑戦しているのが近年の小野リサの特徴と言えるかもしれません。
7曲目のエンゲルベルト・フンパーディンクの名唱を思い出す「ラストワルツ」はとても良い雰囲気を醸し出していました。ウィスパー・ヴォイスですので、しっとりとした味わいもあり、穏やかな気持ちに包まれました。18曲目の「魅惑のワルツ」も懐かしい曲です。母国語のポルトガル語で歌われていますが、まるでボサ・ノヴァの曲のような軽やかさが漂っています。19曲目の「明るい表通りで」も有名なスタンダード・ナンバーですが、ご機嫌な歌唱で楽しめました。
20年間第一線で歌い続けてきて、日本にボサ・ノヴァ・ブームを巻き起こした立役者・小野リサの充実ぶりを再確認するようなベスト・アルバムでした。
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