● お薦めアルバム6
・「柔、剛、調和と明朗」
このアルバムでインユアオナーで試されたアコースティックなアプローチを消化し洗練された技術として十分に活用できていると思います。前回のレコードでいまいち伝えきれなかった彼らの音楽が段階を踏み、ここで十分すぎるほど発揮されています。耳に吸い付くメロディーの繰り返しと力強いギターの背景ささやきと熱いがなり声あたたかく一歩ずつ踏み出していく芯のあるドラム恐ろしく整合性の取れた楽曲群。特に比較的静かな曲に彼らの力量を示されていると自分は思いました。(Stranger Things Have Happenedのメロディーリフとアコギソロと演奏静止時のスタッカートの使い方は、とんでもなく粋な演出に感じましたしとてもアメリカのハードロックバンドとは思えない素晴らしい曲です)その上、こんなに完成されているというのにまったく堅苦しくならないというのは、バンド特有の明朗さの効果としか説明しようがありません。10年以上のキャリアを持っているバンドであるにもかかわらずこういうシンプルなイメージを持って聞けるということはプロデュースが大変うまくいっているということも考えられますが、実際に演奏する人たちバンド内でもきっといい関係が築かれているのでしょうね。曲ごとの流れもしっかり噛みあっていて聞いていて、一時間の再生が疲れる余地がまったくない。まさにマスターピースに相応しい一枚です。
・「人格が作るロック」
情報量の多さはそのまま価値観の豊かさだと思う。21世紀の入り口もとっくの昔に過ぎ去った07年。クリックひとつで好きなものが買えて、知りたいことが知れる。テレビやラジオが一番のメディアだった数十年前とは事情が違うのだ。多くの情報が飛び交い様々な価値観が用意された中でわかりやすいロックはもう通用しないし、ロック・シーンの細分化・マニアック化は進む一方。USでもUKでも、ここ日本でもインディ・ロックが強力な支持を獲得しているのは、そんな時代的必然性が背景にあるからだ。ロックはもうみんなで一緒に叫ぶものじゃなくて良い。一部の人たちと独自の価値観を分かち合えればそれで良いのだ。それこそが07年という時代に相応しいロックの形――というわけにはいかないのだ。ロックはやっぱりでっかくなきゃいけないのだ。情報なんて押しのけてみんなの心臓に真正面からぶちこんでやるロックでなければならないのだ。『イン・ユア・オナー』という2枚組みの大作を経て、アコースティックやピアノなど演奏の幅は広がった。だが、相変わらずこのアルバムを真っ直ぐに貫いているのはデイヴのあのでっかい笑顔と、ロックが本来持つべきダイナミズムの骨格である。情報や時代ではなく、デイヴ・グロールというロックの栄枯盛衰を経験した「人格」の熱さがほとばしるロック。
・「God Balance」
アルバム全体を通したバランスが素晴らしいと思います。1曲1曲が大事に作られている感じがして聞き応えがあります。夢中で聞き惚れて、12曲があっという間に終わってしまいます。キャッチー過ぎる、セールスを狙った路線に脱線せず、これからも彼等の音を鳴らして欲しいです。個人的には神の域と言っても過言ではないです。
・「かっこいい!けど、あと一つ」
もう、ノッケからやられました。1を聴いた瞬間、「これはもう買うしかない」と思ったくらいです。ですが、買って全曲通して聴いてみると、詰めが甘い気がしました。かっこいい!けど、何か物足りない。かっこいいからこそ、もう一押しを期待してしまいました。曲順を変更すれば、良くなるかも……とは思いましたが、やはりもう一曲。もう一曲熱いのがあれば文句なしの星5つでした。
・「☆初心者☆」
今回初めてFooFightersのCDを購入しました。買うきっかけは、今回のアルバムの1曲目でもある「Pretender」を聴いて「これはかっこいい!!」と思い即購入しました☆笑
今まで恥ずかしながらFooFightersの楽曲は聴いた事がなかったのでどんなテイストのグループなのかよく知らなかったのですが、今回のアルバムを聴いて本当に好きになりました☆なんと言ってもただ激しいノリの曲だけではなく、静かなリズムの奥にインパクトを感じさせる曲まで表現の幅が広いグループだなと思いましたね☆もし私と同じ様にFooFighters初心者の方で買うかどうか迷っているとしたら私は即買いをオススメします(^o^)♪買って損は絶対無いと思いますよ☆
・「捨て曲なし」
Foo Fighters通算6枚目のアルバム。近年アコースティック作品に力を入れてきた事が経験として生かされているなと感じられる作品になっている。とはいえ、いつものフーファイロックサウンドも聴かせてくれるので、非常に満足。ラストのHomeでは、ピアノやストリングスを導入しているところにも注目。一曲として捨て曲がなく、気がつけば全12曲を聞き終わっているという感じ。ロックアルバムとしては今年で一番かも。
・「昇華」
正直前作[IN YOUR HONOR]で、曲自体はさすがだが、音圧ばかりを押し出して妙にのっぺりしてしまったサウンドプロダクションには飽き飽きしてしまった。しかし同時にDISC2のそれは非常にダイナミズムに溢れ、個人的にはそこからの発展に一片の希望を賭けていた。今作はどうだろう。星5つをつけている段階で言いたい事は明らかだと思うが(笑)、ZEPの某超有名曲を彷彿とさせるイントロから最近の生音への傾倒がもろに反映されており、そこからラストまでのサウンドは、一貫して非常に勢いに溢れたものに仕上がってはいないだろうか。メロディーも今まで以上に表現したくて堪らない、といった切実さに満ちている。彼らの集大成であると同時に進化形でもありロックの一つの在るべき姿を体現さえしているような気がする。音源が『名盤』として後の世に残るかどうかは様々な社会現象に左右されるものであるが、この作品には十分にその気配があると思う。
・「原風景としてのRock」
新譜発売前のインタビューで
デイブが「俺は美しいという事を恐れない」と、やけに声高に叫んでいてどういう事かと思って新譜を聴いてみた。
フーファイの新作はドライブの効いた定番Rockから前作(イン・ユア・オナー)のアコースティック・サイドの流れの曲そしてデイブ初挑戦のピアノによる寡作まで、今フーファイに期待しているファンの最大公約数的なアルバムになっている。
間違いなく素晴らしいアルバムではある一方、総花で優等生的な曲のラインナップがやや物足りないと感じる向きもあるかもしれない。
では個人的にはどうかと言えば「傑作」というより「意欲作」として☆☆☆したい。フーファイの新天地は「イン・ユア・オナー」のアコースティックサイドではなく、そのライブ版である「スキン・アンド・ボーン」にあった。
これまで「どデカク」、「ハード」に、「激しく」やる事がメッセージの有効な伝達方法だと信じていたデイブが、「シンプル」に、「ささやく様」に、「奥行を持って」伝える事の伝わり(リーチ性)に気づき、確信したのである。
これまでが「音圧」であれば、本作で「音響」によるアプローチを「発見」した記念すべき作品であったのだ。
今回、デイブはこの手法を一段と進めるべくスタジオ版でそれに挑戦している。
曲の多くが前半部分にアコースティックサウンドを入れ、少しひっかかる、つぶやくようなボーカルを重ねている。そして後半にはいつもの「超絶」サウンドに昇華していく、とそういった展開である。
デイブの声質は普通に歌うとギターと混ざりやすくありふれた声に聞こえてしまうのだが、この「つぶやき歌唱法+アコースティックサウンド」だと、奥行が出、かつライブ感が上がり結果として曲の鮮度がとても高まって聴こえてくる。
この偶然の発見による手法が上手く曲化しているのは「Let it die」や「Come Alive」等である。また本人も納得の「Home」は、これからのフーファンのアンコール1曲目の定番になるのに違いない。
考えるにこのアルバムはデイブのコンサートで今一番やりたいセットリストなのだ。そしてこれは、かつてデイブが見たRockの原風景であり、その写し画をすることを「良し」とする勇気が、「美しい
ものを美しい」と言い切る今のデイブにはあるのだ、と思う。
・「keep the foo running!」
バンドがacousticツアーで得たフィーリングが感じられる12曲でした。昨年の来日時にデイブは、「今度はロックショーとアコースティックショーを一緒やるよ」と話していましたが、その時にはきっと本作の構想がかなり固まっていたのではないかと思います。これはぜひライブに行きたいです。最後に蛇足ですが、お金に余裕がない学生さんや、1000円の値段差が大きく感じる人に、一言。歌詞については輸入盤にも一部書かれており、またfoofightersのhp(discography→tab)でtab符と一緒に公開されていました。私は輸入盤のみなので、国内盤のボーナストラックについては、わかりません(__)やはり気になりますが・・
・「前オリジナル作の延長上」
前オリジナル作の間にアコースティックライブアルバムを挟んでの新作です。シングル「ザ プリテンデー」が非常に良かったのでその雰囲気を踏襲したアルバムかと思いきや、やはりアルバム「イン ユア オナー」辺りに通ずる、どちらかというと洗練されたロックアルバムとなっています。わたしはセカンドの「ザ カラー アンド ザ シェイプ」の影をどうしても追ってしまいがちなので、もうちょっとパンチが欲しいかなと思ってしまいます。次はヘビー級の作品を出してほしいです。
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