・「よろこびと雄々しさ」
Disc One痛々しいほどに瑞々しく、濃い青空のように新鮮だ。生きることの喜びが湧出するのをミンガスに初めて感じ、涙が出た。各プレヤーの演奏も初々しく、純粋で伸び伸びしている。ミンガス色について言えば、現代文明の持つ退廃と自嘲は、彼の音楽の基調で、彼の社会性の所以であり、怒りのベースになっていると思われるが、ここでは、そうした屈折した感情は表出せず、ひたすらジャズの喜びが進行する。陰性面をしいて挙げれば、孤独が語られている位だろう。観客との掛け合いも楽しげだ。
Disc Two一気に深くなり、ミンガスの本領発揮で、聴き応えがある。1曲目、現代文明の不安・不条理という呪縛をあるがままに受け止めている男気を感じる。ここに嘲笑はなく、彼は真摯だ。2曲目、雄々しいミンガス、勇気。3曲目、一転して軽快になり、“国歌”ならぬ“地球歌”のようだ。4曲目は楽しげな曲で、地球という宇宙のオアシスに生きることのワクワクするような興、力感を覚える。各プレヤーの力演が素晴らしい。
二枚組みの本作は、フレンドリーなミンガスを心から味わえる名品だ。
・「貴重かつ素晴らしい録音」
1964年3月にアメリカのコーネル大学で録音されたミンガス六重奏団のライヴ。メンバーはミンガス(b)の他、ジョニー・コールズ(tp)、エリック・ドルフィー(as.bcl.fl)、クリフォード・ジョーダン(ts)、ジャキ・バイアード(p)、ダニー・リッチモンド(ds)。このメンバーによるヨーロッパツアーの様子はCD、DVDなど、今では多くのものが出回っていますが、日付的にも、本作がこのメンバーによる最初の録音になると思います。(ライナーノーツに情報があるのだろうけど、英語が読めないのです)
すでに出回っている他のライブに負けないぐらい、ここで聴けるメンバー個々の演奏は、すばらしいと思います。個人的には、ジョニー・コールズのトランペットがエレガントでイイですね。ただ全体の構成としては、既出の方がまとまっていると思われる部分もあり、意見は分かれるところだと思います。
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