・「現代楽器としてのピアノのアビリティーを存分に発揮」
アシュケナージの70歳を記念して、デッカからリリースされた、彼の若き日の録音シリーズの一つ。
アシュケナージの場合、モーツァルトのソナタ録音は意外と少なく、ここに収められた2曲以外では、95年に録音された9番、14番、16番の3曲があるのみです。フアンとしては、今からでも他の曲を録音してほしい、と思いますがいかがでしょうか。
さて、この第8番と第17番ですが、私のとても好きな演奏です。第8番は冒頭から装飾音を思い切って幅を持たせて鳴らせた、現代のピアノの演奏効果に十分に備えた表現で、モーツァルトにしてはロマンティック。だがこの表現こそ、新しいモーツァルト演奏の一つの「あり方」を提示したものでしょう。つまり、現代楽器としてのピアノのアビリティーを存分に発揮させたモーツァルト・・・。スタッカートの歯切れも見事で、楽想への細やかな気遣いもあります。短調ならではの哀しみに満ちた疾走する終楽章も鮮やか。第17番は技巧の冴えが見事で、ほぼ完全といえるアプローチにより、かつ肉付き豊かな音色を惜しみなく出し尽くします。
マルコム・フレージャーとの「2台のピアノのためのソナタ」も勢いの満ちた快演で、聴いた後の爽快感も比類ないです。
本当に、ほかの曲も録音してくれないかな。。。
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