● ヤバリスト
・「ビョークが降ってきた」
何だかドキドキと胸騒ぎがするなあと思って、窓の外を見てみるとどこからともなくでっかぃ火の玉が現れて物凄いスピードでお山の方へ落ちていったんです!とるものもとりあえず、お山に向かうと、辺り一面スモークがかかったように真っ白でその奥に、何だか真っ赤に燃える球体みたいなものが見えたんです。近づいていくとおっきなほおずきの実のような袋の中に、ちっさくてかわいらしい女の子が入っていたんです。かわいらしさの中にも精錬された鋼のような強さと、それでいてまるでここは幻想の中にいて妖精とお話をしているような・・・そして何と、その女の子は!・・・あとはもう聞いてもらうしかありません。
・「ビョークは燃えている。」
自分はこのアルバム、いたってシンプルだと思いました。
なぜなら、もうBjorkはデビュー当時のように真っ直ぐ一点しか見ていないからなのでしょう。。メダラやヴェスパタインの様に模索する必要はなくなったのです。
ジャケ写が今までと違って遠くを見ているのも、何だかそれを物語っている様な気がします。。。
『私は起源を失った。だけど取り戻そうとも思わない。』『(多分シンドリ君に対して)私の息子よ。あなたは私の最大の愛。』そして何より、ガンガンのクラブサウンドで『旗を揚げろ!独立を宣言するのだ!』………。
あんた、40にしていよいよ動き出したね。。。
・「おすすめできません」
Popさが足りないというか、聴いていて楽しくないです。それにしてもヘンテコなジャケットですね。
・「やっぱり良い!」
最初聴いた時はちょっと不満でした。ビョークにはどうしても期待過剰になってしまうし個人的に 「Medula」と「拘束のドローイング9」で散々笑わせてもらったので,少しインパクトに欠けるかな?って。でも時間が経ってフラットな聴き方ができるようになってくるとやっぱり良いアルバムだと思えてきました。聴き所は色々あるし「Earth Intruders」と「Innocence」はビョークの新たな定番曲になりそう。ライヴ映えするアルバムだと思うので生で聴いたほうが良さがわかるかも。来日ライヴが楽しみです☆
Radioheadにしてもそうだけど過去に凄すぎるアルバムを作ったアーティストは「水準は越えてる」程度のアルバムだと賛否両論になってしまうんですね〜,ちょっと気の毒だわ。
・「外に目を向けて」
メダラでのレビューでも述べたがvespertineまでのビョークは自己との対話のための音楽を作っていたと思う。感情を煮詰め、吟味し、それを表現するため誠実に音を選ぶ作業に取り組み、悩みぬいた結果生まれたような音楽たちだった。しかしメダラでの変貌は、自己との対話が一段落したことを示していた。少なくとも私にはそう思えた。外へ向けた声だった。表現者であるという喜びを謳歌しているように見えた。
そうやって内から外へと目を移した彼女の新作としては今作はつじつまが合っている。人間としての根源的な感情ではなく、現代に生きる一市民としての高らかな声が鳴り響く。
今までの作品群と比べると確かに色は違うかもしれないが、私は今作をビョークの作品として歓迎する。
・「スタンス的には前作と同じ」
前作、というのはサントラではなくメダラのことです。メダラは「声だけでアルバムを作る。」という閃きから作られたアルバムでしたが、それが3rdアルバムから続いた内省路線に一旦ピリオドを打つことになったのではないでしょうか?やりきった、みたいな。
今作はそんな今までの歩みを踏まえた上で、しかし前作同様「今やりたいことをやる。」というスタンスで作られたアルバムではなかろうかと思います。って、ビョークさんはいつもそんな感じだと思いますが…
1曲目はビートが効いている今までに無かったタイプの曲。テンションが上がります。9曲目もデジタル・ハードコアって感じで、珍しい曲。ライブなんかでやられたらさぞ盛り上がりそうな曲です。4曲目も。
2曲目は"いつもの"ビョークさんの曲です。しかし冒頭に民族楽器セッションみたいな音が入っています。このアルバムはそんな風にいろんな民族楽器を使った曲が多く、またどれもビョーク流のアレンジになっています。もしかしたら一番使われているかも知れません。デジタル・ビートと民族楽器がこのアルバムの中心ですかね。
3曲目と10曲目は共にデュエット曲。デュエットしている男の人はどんな人か知りませんが、ビョークさんの友達らしいです。とても上品な声です。10曲目は締めに相応しいし、3曲目はアルバムで一番気に入りました。
5曲目は4thに入ってそうな感じの曲。楽器の音色が美しいです。6,8曲目もビョークらしい曲です。8曲目の歌い出し好きです。
と、具体的に感想を書いてみましたが、トータルで言えば最高傑作でもなければ駄作でもない、ビョークファンの人なら普通に気に入る出来のアルバムでした。ビョークさんのボーカルにも衰えなどは一切なく、また久しぶりにパワフルな歌が聴けたのも嬉しかったです。
ビョークファンじゃない方にも入りやすいアルバムだと思います。
・「これはこれでいいが」
僕はビョークのアルバムではホモジェニックとヴェスパタインが金字塔で、この二つを10点とするなら今回は8点くらいかな…直前に聞いたジョニミッチェルのカバーが素晴らしかったこともあって、ビョークならもっと凄いのができたんじゃないかという感は拭えないです。とはいえ前回の抗ドロでみせたブラスアレンジを多用したりして面白いことは面白いし水準を大きく上まってることは確か。参加ミュージシャンがアンソニーにコノノbPにライトニングボルトっていうのも洋楽ファンなら興味ひかれるメンツですね。
・「前進あるのみ」
のっけの変則リズムにラップを重ねるような”Earth intruders"にびっくり!つぎの汽笛のようなブラスセッションから始まる”Wanderlust"にご機嫌。とろとろと溶けてきたところに、リフレインされるリリックと、打ち鳴らされるドラムに目がパッチリ!の”The dull flame of desire"。チャイニーズ・ピーパ(琴ですね)が印象的な”I see who you are",そして、攻撃的なリズムとともにアジりまくる”Declare independence”と、聞き進むうちに、変化に富んだ内容と、絶妙なPOP感覚にうなり、最後の”My juvenille"にしんみりします。
前作「メダラ」の過激さに唖然とした私も、本作はとっても心地よく聞け、けっこうヘビィローテションとなっております。しかし、この作品の過激さは、歌詞の内容にあるような気がします。のっけの”Earth intruder"は、スマトラ沖地震の後、インドネシアを訪問したビョークが、帰りの飛行機で「人の津波が私の飛行機を飛び越えて、ワシントンのホワイトハウスに舞い降りて、建物ごと消し去ってしまう、、。」夢に、触発されています。また、チェチェンで起こった妊婦による自爆テロを題材とした”Hope"。フェミニズムの応援歌ともとれ、民族自決主義をあおるかのように高らかに歌いあげる”Declare independence"と、彼女は外に向け、いつになく激しく怒りをぶつけています。インタビューで、移民としての自分が、今のアメリカのナショナリズムに非常な違和感を持っていると語るビョーク。彼女の見つめる先には、赤々とした炎が燃えさかっているような気がします。
・「驚異的大変身!」
発売当初批判が6、戸惑いが2、絶賛が2ぐらいのときは大傑作である場合が多いのですがこのアルバムはまさしくそれです。前作で一つの極点を極めた彼女。天才らしく華麗で驚異的なな方向転換を図りました。今までの北欧的な、クリスタルガラスの煌きやヘアーラインフィニッシュのステンレスの表面のような冷たい空気や感性を感じさせる音楽から、漣立つ水面に反射する太陽の煌きや森林の木漏れ日を想起させるような温度感の高い音楽へと見事な変身を遂げたのです。曲間に挟まる自然音でさえ、温帯から亜熱帯の湿気を含んだ音へと変貌しています。理知的でスマートな音響から肉感的でアーシーな音塊へ。余りにも大きなサイズの音楽である為、音と対峙する聴き方でないとその真価が分かりにくいのですが、これはまさしく彼女のターニングポイントでありマイルストーンです。
・「だいぶ前のビョークに戻った感じ…」
毎度、新しい試みと他を圧倒する(悪く言うと寄せ付けない?)ほど計算された職人的技で、期待を裏切らなかったビョークですが、これは始めて期待外れな印象を受けた盤かもしれません…。だいぶ前のビョークに戻った感じですね。かと言って、全体的には『ポップ』『ダンサブル』というところまでもいききっていない宙ぶらりんな印象で、見所を見出せず少し退屈さを感じてしまう程…。ゲストもTimbaland他とちょっと旬が過ぎた人達という感が否めず、それが音にも表れている気がしました。(ただ久々にTimbaland自身の新譜を聴く機会があったのですが、思いのほか新機軸という感じを受けました。そのスタンスが今回の起用につながったのでしょうか…?) ブラスアンサンブルや男声とのデュエットという形式は‘ダンサー…’サントラを思い起こさせます。個人的には、もういいのでは…?という気がしました。(アントニーの声は素敵でしたよ。)
ジャケや公式サイト等、ビジュアルコンセプトは相変わらず素晴らしいですね。
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