・「実はケニー・ドーハムらしいアルバム?」
ここ10年は"Afro-Cuban"の知名度がぐっと上がって、「ラテン系爆発男」のイメージが強くなった感のあるケニー・ドーハムですが、かつてケニー・ドーハムの最も有名な作品といえば間違いなく本作品が挙がりました。"Blue Bossa"に並ぶ畢生の名曲"Lotus Blossom"を収録し、更に2,4,6,7,8とスタンダード・ナンバーが続いて取っつきやすいのが人気の理由でしょう。 一曲目はラテン・フレイヴァー溢れる名曲ですが、ジャズ寄りのアプローチで、"Afro-Cuban"で見られたような爆発的なノリはありません。あくまでもテーマの美しさにあわせてのプレイです。"My Ideal"のテーマの処理なんかは個人的にはこの曲のベスト・トラックと言いたい美しい解釈です。ただドーハムのソロは、途切れ途切れで構成力を感じさせない、物足りない出来と思います。3曲目のブルースは某評論家が「陰気」と言ってましたが、確かに耐えがたく地味です。その他の曲も、全体を通してジャズ寄りで、ドーハムにしては地味なプレイに終始しております(だからこそ"Quiet"なのでしょう)。 卓越した作曲能力をもってしても、リー・モーガンやドナルド・バード、フレディ・ハバードらの陰に隠れてしまった不運なトランペッター、ケニー・ドーハム。真面目な人だったといいますし、また腎不全で透析を受ける金がなくて亡くなったといいます。こうしたエピソードからは、ここで聴こえてくるような悲哀がむしろドーハムには似合っているのかもしれません。 とはいえ、個人的にはやはり爆発するドーハムが好きです。この静かなアルバムは、テクニックのなさが目立ってしまっているので、あまりお勧めできないかなと思ってます。
・「狭い日本にあったアルバム?」
ケニーの代表曲「Lotus Blossom」をワン・ホーンでじっくりと聴けます。日本ではこのアルバムの印象が強いので、「静かな男」のイメージが定着していますし、このアルバムも昔は「四畳半ジャズ」とか言う呼び名で愛聴されていたようです。最後の追加曲「Mack The Knife」もご機嫌な演奏でおすすめです。
ケニーも「Blue Note Records」での諸作や「Jazz Messengers」時代は、「Una Mas」や「Minor's Holiday」などのラテン系・ナンバーで激しくブロー!しているんですが。ミュージシャンのイメージが定着してしまうと面倒ですね。
□Rudy Van Gelder Remasters [Concord]
・「目立たないけど・・・」
実は演奏がすごいんです。真似が出来ないところがあると、プロ系の人が言ってました。派手さは無いですが、マーチン・コミッティのハスキーでなんとなくダークな音色がとってもGood!聴けば聴くほどいいかも。また2曲目の演奏は皆さん、変な音だと言っておられますね。実は、特殊なミューティングをしているのではないかと思われます。普通のミュート(マイルス・ディビスのような)では有りません。
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