・「重厚にして華麗、正確にして精緻なストラヴィンスキー」
カルロ・マリア・ジュリーニとほぼ同時期に、サー・コーリン・デイヴィスが一気に評価を高めた名盤中の名盤。
それまでモーツァルトの伴奏やベートーヴェンの伴奏指揮者、あるいはベルリオーズの専門家程度にしか思われていなかった(1972年頃スティーヴン・ビショップ・コヴァセヴィッチのベートーヴェンピアノ協奏曲全集の伴奏をしていたのです!)デイヴィスでしたが、それだけにこれほど重厚にして華麗、正確にして精緻なストラヴィンスキーを現出できるとは誰も思ってもいなかったのではないでしょうか。
とにかくこのCDと同じジャケットが多くの音楽雑誌を飾っていたのをよく覚えています。
同時に録音の優秀さも当時から特筆されていて、音キチの人たちからも絶賛されていました。
今回のプレスですれがどのようになっているのかわかりませんが、デイヴィスの誠実かつ正攻法の凄みに触れるだけでも十分購買価値があるでしょう。是非買ってみてください。
・「荒川静香だけでなく、有名なスケーターが舞ってもよい「春の祭典」」
ディズニー映画の「ファンタジア」でこの「春の祭典」が流れたのですが、収録されている他の音楽と同様、音声がレトロすぎ。というわけでこのサー・コリン・デイビスの「春の祭典」を聞くと臨場感があってクリアな音声が楽しめます。
………とまあ、少々つたない(?)前置きで、4曲目、「春の祭典」。「ファンタジア」では地球創世記から恐竜の時代というダイナミックな構成になっていますが、この「春の祭典」も「ファンタジア」以上にダイナミック!ただ、「くるみ割り人形」と同様、順番が変わっているとはいえ、「ファンタジア」のように順番変えで聞いたとしても、音声がどうしても途切れてしまいます。ストレートに、そして「ファンタジア」以上にダイナミックに聞いてみたい方は、いろいろ工夫して見てください。そして、心の中に繰り広げられる、地球創世から現代への物語を想像するだけで、もうそこは別世界。
次回は「田園」です。
・「今でも優秀録音」
LPで最初にでた時優秀録音で有名だった。今聞きなおしても凄い。アナログ録音の絶頂期なのでそこらへんのデジタル録音を軽く蹴散らしている。このころのデイビス、コンセルトヘボウはハイドンでもそうだが、つややかな高音弦、リズミカルな低音弦、くっきりとした木管にここぞとばかりの大太鼓とオーディオ的にききどころがたっぷり。演奏は変な解釈はなしの中庸。でも平凡ではない。中庸の美は説明しにくいので困るのだが、改めてオーケストラの良さを認識。 ペトルーシュカは47年版。やはりパワフルだが整った演奏。
・「知的でセンス良く、洗練されたハルサイ!」
小生はハルサイ・マニアで好きな演奏は幾つかあるが、サー・コリン・デービスは文句無く5つ星! といっても、ハルサイには色々なタイプの演奏があるので、本CDもかなり好き嫌いが分かれるかもしれない。本演奏は極めて知的であり、このおどろおどろしい曲がデービスの棒にかかると、洗練された音楽になるから不思議である。このストーリーの持つ土俗性、あるいは劇画調タッチを期待すると、思いっきり期待はずれになるだろうが、曲全体のテクスチュアには透明感さえ感じる。また、冷静なデービスの音楽とは対照的に、コントラバス奏者がバルトークピチカートもないのに、arcoで支板に弦がバチバチ当たるほどエキサイトして演奏しているのも、妙なバランス感を醸し出しており、とても面白い。冷静な中に秘めたるエネルギー感が溢れている。
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