・「既にグルーブのカラーを確立したデビュー作」
74年発表の1st。カンサスとしてはほとんど話題にもならず、チャート的にもさしたる成績を残さなかったデビュー作だが、作品のレベルとしては後の大ヒット作と大差は無い。本作では特にヴァイオリンの活躍が目立っており、時に凄まじく、時に哀感を漂わせるその音色に酔いしれるには最適の作品。ハイ・トーンのヴォーカルとコーラス、やや乾いたサウンドとスピード感溢れる演奏はいわゆるアメリカン・プログレの典型であり、楽曲がやや地味な点を除けば、ほぼグループのカラーはこの作品で決定されている。1.は西海岸風のコーラスとヴァイオリンが印象的な曲。哀感を感じさせるヴォーカルとオルガンは確かにプログレ的だが、どことなくカントリー・フュージョンというおかしな表現を使いたくなる。ヴァイオリンのソロが特に素晴しいが、続けてオルガン・ソロ、ギター・ソロと続き、グループのお披露目的な曲にもなっている。2.は一転してジャズっぽいピアノを中心にした曲。やはりヴァイオリンの凄まじいプレイが印象的。3.はカンサスらしい美しいバラード。この味わいこそカメリカン・プログレ・ハードの一つの典型だと思う。4.はハイ・トーンのヴォーカルとコーラスが印象的な曲。5.は変拍子バリバリのブログレ曲。複雑だが、それを感じさせないのはアメリカのバンドらしい。この演奏を聴けば彼らの実力は一目瞭然だと思う。6.は明るいアメリカン・ポップス調の曲だが、違和感なく収まっている。
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