・「さりげない上手さに舌をまく」
聴いた瞬間に、頭を抱えてしまったアルバム。曲は明るく、誰が聴いても耳に心地よいと言うだろう。問題は、演奏がさりげなく上手すぎる。テクニックをむき出しにしない、というか、ちょっと聴き普通のことをやっているように聴こえる。しかし真似できる人がどの位居るのか。特にベーシストの異様なリズム感、これを真似できる人がどの位居るというのだ。素晴し過ぎる。
・「髪を切る100の方法」
デビューアルバムかつ唯一、ニック在籍時のアルバムであるこの「PELICAN WEST」は、とても興味深いアルバムです。一般的に、フリッパーズ経由で、このバンドを知った人は、ネオアコバンドとして聴くことになったかもしれません。ネオアコバンドの中には、短命で終わるバンドは珍しくないので、そういう視点で見れば、ヘアカットも不思議ではありません。しかし、彼らは、ネオアコというには、随分とアイドル然としたファッションや髪型をしていたし、実際、かなり売れていたのだから、いわゆるネオアコ的な捉え方は難しいと思います。では彼らがアイドルバンドだったのかというと、そうではありません。確かに曲調はラテンフレーバーを散りばめた弾けるような元気な曲が多いです。演奏も歌も決してうまいとは言えません。そういった意味では、アイドルバンドぽいです。けれど、彼らの曲の真骨頂は、ひたすら夏を感じさせるにも関わらず、夏の夕暮れに、ほんの少しだけ涼しい風が頬をかすめる感覚があるのです。また、かつての淡い思い出が、フッと蘇り、なんとも切なくなる感じだとも言えます。それは彼らが、甘さや元気さだけで音楽をやるのではなく、かなり尖った若者であったところからくるものだと僕は思います。そこはつまり、ネオアコ的である部分とも言えます。ですから、本当に奇跡的ともいえる絶妙のバランスを、このファーストアルバムで作り上げているのです。だからこそ、バンドも短命に終わってしまった。これほどもったいなかったと思うバンドも、他になかなかありませんが、やはり、「青春は一度だけ」。やろうとしても、再現できるものではなかったのかもしれません。
・「自然に身体が動き出す」
昔この曲でよく踊っていました。その中でのBOYS MEETS GIRLは最高。サルサぽくて当時の流行でした。今でも夏になれば聞きたい一曲です。またアーティスト名のヘアカット100はデビューにあたり、メンバー全員の髪の毛を切ったらそれが100gだったということです。
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