・「全てのジャズファンに聴いてもらいたい名盤」
エリントンが最強のメンバーを揃えていたのは39年〜40年頃だと思います。しかしその頃の録音技術では3〜4分の録音が限界でエリントンが本当に自分の音楽の全てをレコードに残せていたとは思えません。それに比べこのアルバムは長尺の録音が多く、良い意味でエリントンの平均的な良さが出ています。クーティー・ウィリアムス、ベン・ウェブスター、バーニー・ビガードといった強烈な個性を持ったプレイヤーはこの頃にはもういませんが演奏の質は非常に高いです。日本のジャズファンはモダンジャズ以外は認めない人が多いですが、そういう人にこれを是非とも聞いてもらいたいです。また録音状態が良いのであまりジャズを聴いたことがない人にもお勧めです。
個人的に一番良かったのは「Sophisticated Lady」でのローレンス・ブラウンのトロンボーン・ソロ。わずか1コーラスのソロですがとても美しくスマートで哀愁があります。
・「豪華絢爛な音楽絵巻。傑作アルバムが55年前の録音とは思えないリアルさでよみがえる!」
1950~51年の録音。古い。すごく古い。33 1/3回転のLPという新技術が確立して間もない頃の録音、しかも(当然ながら)モノラルである。それまでコンサートでしか聴けなかったMood Indigo, Sophisticated Lady, Solitudeという過去の名曲の長尺アレンジを、これでようやく記録できるようになったという、LP黎明期の録音である。それが2004年の最新技術によって、誰もが気軽に聴けるCDというフォーマットで見事な音質でよみがえった。
とにかく冒頭のムード・インディゴを大音量で浴びるほど聴いて欲しい。まずピアノとベースのイントロでは、指板のビリつきが伝わってくるベースのリアルな音に驚かされる。そして2本のトロンボーンとバスクラによるメロディがあらわれ、幻想的なハーモニーと、それを実現する完璧な演奏に感心していると、Russell Procopeのクラリネット・ソロがぐーんと飛び出してきて、ノックアウトされる。
それ以降は、まさにエリントンでなければ考えつくことのできない、そしてこの楽団でなければ実現することのできないハーモニーが、見事なソロが次々と展開していく。音楽による色彩表現があるとしたら、これほど複雑な、そしてこれほど変化に富んだ、見事なタペストリーを僕は他に知らない。まさに豪華絢爛な音楽絵巻である。ジャズファンなら必ず持っておくべき大傑作だ。
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