・「殺伐とした現代に捧げるアルバム」
何という甘美な統一感なんだろう。全体を通して「春の柔らかな光に包まれている様だ」 このアルバムの発売当初は、甘ったるいアレンジと酷評された。僕も当時は、元の相棒であるポール・サイモンの様なアクの強さが加わればもっと良くなるのにと思ったものだ。だが、発売から30年を経たこの殺伐とした現代において、このアルバムは名作と評価していい作品になったと思う。発売当時は酷評されたアレンジだが、極めて統一感があり、奥行き感がある、アコースティック・ギターの響きも心地よい。じっくり落ち着いて聴いても良いし、イージーリスニング的に聴くのも良いだろう。 「サイモン&ガーファンクル」「ポール・サイモン」の一連の作品は、リマスタリング盤や紙ジャケで発売されているが、是非とも、この作品ならびに、アート・ガーファンクルの全作品をリマスタリングしてほしいものだ。隠れた名盤にしておくには惜しいではないですか。
・「これも名作です」
誰でも大切にしておきたいレコードを持っていると思いますが、ボクにとってのソレはこの「ウォーターマーク」です。ラジオで聴いた瞬間、すぐにレコードを買いに走ったのです。それから28年間 ずっとボクの心の友です。一曲目の「泣きながら目覚めて」の繊細なギターの音、ラストの「木製飛行機」での荘厳なコーラスを従えての歌、息をのむような美しさです。バックを担当しているのはアラバマはマッスルショールズのミュージシャンです。それにしても不思議なのはソウルフルな演奏を旨としている名うてのミュージシャン達よりもガーファンクルの個性の方が勝っているのです。これもマニアにとっては聴き所じゃないでしょうか。
・「ジミー・ウェッブと組んだ傑作」
アメリカ音楽界の才人ジミー・ウェッブと組んだアートの傑作。1曲目の「泣きながら目覚めて」から全編(7の「ワンダフル・ワールド」は除く)ジミー・ウェッブの曲をアートのものとして歌っている。お気に入りは淡々と歌いながらも味わい深い4.の「ウォーターマーク」。9.の軽快なリズムに乗りながら悲恋を歌う「ペイパー・チェィス」。シンガーとしてのアートの魅力が思う存分発揮された作品。初期のソロ3作のうちでは最高傑作だと思います。
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