・「知的で洗練された「火の鳥」!」
サー・コリン・デービスの音楽には、他の指揮者にはない透明感と知性溢れる構成力が感じられる。ストラビンスキーの3部作では、デービスはハルサイとともにこの火の鳥でも、極めて知的でセンスの良い音楽を聴かせてくれる。録音年からは想像できないほど録音状態も良く、各楽器の倍音・演奏会場の空気感が良く表現されており、響きの良い演奏会場で生演奏を聴いている錯覚におちいってしまう。純音楽的に完成度が極めて高い一方で、この音楽の持つ秘めたるエネルギー感も十分に表現されており、文句なしにお勧めしたいCDだが、晩年のアンセルメ盤もぜひとも聴いて欲しいと思ってしまうのは、ちと欲張りか。この演奏でデービスファンになられたら、ヘブラーと組んだモーツァルトのピアノ協奏曲を聴いて下さい。ズバリ、名演です。
・「暖かみのある豊かな音色の「火の鳥」」
コリン・デイヴィス指揮(アムステルダム)ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏するストラヴィンスキーの「火の鳥」、1910年版バレエ全曲のディスクである。1978年の収録となっている。1976年の衝撃的な「春の祭典」に続いて送り出された、デイヴィスとこのオーケストラのストラヴィンスキーの三大バレエの録音の最後を飾るものであった。アナログ末期の録音であるが、管楽器や打楽器の立体的な音質や、ホールの特性をうまく利用した空間表現など、21世紀を迎えた現代から聴き直しても素晴らしい録音である。演奏も、硬質ではあるが、色彩感が豊かで描写性の高い素晴らしいものだ。アンセルメ、ブーレーズ、ドラティ、デュトワと並んで、この曲の20世紀のディスクでは五指に入る代表的名盤だろう。
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