・「病める女子のための歌」
カップリング曲の『フロイドと夜桜』が素晴らしい。
神様に叱ってほしい全ての女子は聴くべし!
・「あっというまの8分、そしてラスト作」
病気療養のため、今作が岩澤瞳嬢のラスト作となってしまった曰く付きの一枚です。
岩澤瞳が、ボーカルに起用されてからのスパンクハッピーをとても愛していたので、引退せざるを得なくなったというのは、とても悲しい出来事でした。彼女の儚げで、真っ直ぐな凛とした歌声が、スパンクの猥雑でどろどろしたカオス的な世界観に、一筋の希望の光を灯していたのは、間違いありません。菊池成孔の計算されたアバンギャルドと、時には鼻に付くナルシズムすらも、全て儚いセンチメンタリズムに昇華させていたのも、彼女の歌声によるところが大きかったと思います。
この作品では、ピチカートが昔やったようなストーリー仕立ての歌詞に、さらに具体的な設定を施し、一歩間違うと、どうしようもなく胡散臭い作品になるギリギリのラインを攻めています。こういう過剰な手法を恐れずにやる菊池氏の姿勢は、素晴らしいし、ここでも岩澤瞳のボーカルが最終的に作品にリリカルな美しさを与えていて、最後まで大変、相性の良いコンビだったと思わされます。
・「「福音」がそのままポップスとして鳴ったかのような病的に奇跡的な名作」
~「リストカッターと摂食障害がコンビニで出会い恋をする」という着想が菊地+岩澤コンビに出会い(間に合い)、音楽を構成する全てのピースがその着想にぴたりとハマることによって出来上がった病的に奇跡的なラブソングだと思う。
サウンドは「悲しい歌」の頃のピチカート・ファイヴに似た比較的スタンダードなアレンジになっており、オケもいい意味でデ~~モテープっぽい感覚の風通しのよい仕上がりになっていて、適度な緩さが曲の長さ歌詞の重さを感じさせずにこの曲の奇妙な「福音」感を演出している。
菊地氏の(文章と写真からは想像できない)優美な声(声質は小沢健二(声を張らないときの)とすこし似ていると思う)と岩澤嬢の透明な声が重なる音像も素晴らしく、彼らの声の芯の無さが、曲の登場人物の~~拠り所ない感覚にぴったりとはまっている。
少なくとも私にとっては、2005年の夏現在、唯一信用できるラブソングである。~
・「歌詞も声もよくて」
歌詞が心に響きます。人生の明暗を気持ちよく表現していて、間違いなく名曲です。
・「先生、先生!」
馬鹿と天才は紙一重、そんなスレスレ感のある歌詞が最高です。へヴィーになりかねない歌詞も、瞳さんの信じられないくらい澄み切った声で歌われてしまうと、良い意味でニュートラルに、
そして菊池さんが歌うとまた妙にヤラシくなる、そのアンバランス加減の絡みが面白いです。こんな歌詞なのに妙におかしくて馬鹿笑いして聴いてしまいます。能天気すぐるのかもしれませんが。。
・「身近な曲」
リスカにチョコレート依存症・・・ずいぶんと自分に身近なシチュなので衝撃でした。でも、だからこそ心に響きましたね。
・「後ろ向きで前向きなキラポップス!!!」
カッターナイフとチョコレートを買いにきた男の子と女の子が、夜のコンビニエンスストアで出会い、恋に堕ちる....自傷癖も摂食障害も、それは異常なことなんかじゃなくて、普通のこと。人類が恋愛をするように、普通のことなのです。
キクチ feat.ヒトミちゃん、ということで、彼らのユニット「スパンクハッピー」のようなサウンドを思っていたけれども、こちらは普通のポップス。でも菊地さんの絶妙なコード進行や、スパンクハッピーで聴くことのできるシンセサウンド、ふたりのおうたも健在。
あたしはマゾヒスティックだし、自傷癖もあるけれど、素敵な恋がしたいです。
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