・「美しさと現実感を織り交ぜた作品」
前作のヒットにより、一躍ミュージック・シーンの前面に躍り出たS&Gが持ち前の美しいハーモニーを聴かせながらも、現実を相変わらず厳しく見ている姿勢を感じさせる作品。
「Scarborough Fair」は二人のボーカルを対立法にして、戦場にいる若者が、かつての恋人に思いを馳せる様子を描いた作品。幻想的な曲想とは裏腹の物悲しい曲である。余計な事だが、歌詞中に出て来るアルバム名は、ハーブの名前そのものではなく、恋人の愛称と考えないと歌詞の辻褄が合わない(主人公が、彼の恋人の元へ行く友人に「よろしく言ってくれ」と頼む歌詞なのだから)。「Homeward Bound」はポールが繰り返しテーマにしている、心の故郷イギリスへの想いを綴ったもの。「59th Street Bridge Song」は二人が子供の頃遊んだニューヨークの橋を舞台に、S&Gもこうしたノリの良い曲を歌える事を示したもの。「美しいハーモニーを聴かせるデュオ」という固定観念で見られるのを嫌っていたようだ。「Wednesday Morning, 3 A.M.」は本アルバムのコンセプトを代表する曲で、聖歌を荘厳に歌うバックで、ニュースを流すという夢・幻想と現実との対比を見事に描いた作品。
二作目にも増してS&Gの音楽性の拡がりを感じさせる作品であり、特に"美しい"というイメージよりも現実に軸を置いた印象を受ける中期の傑作アルバム。
・「これは、素敵なタイトルの第3作」
S&Gとのかかわりは、他で書いたので省略。
ともあれ、BEATLES全盛の時代に突然現れたこのグループは、衝撃だった。
スカボローフェアの歌詞の一部をアルバムのタイトルにするあたりがおしゃれだと思った。ところで、恥ずかしい話ではあるけれど、僕は、長年、このアルバムのタイトルは、女のこの名前であると思っていた。 S&Gファンのかみさんと結婚してこれが、今ではどうてことないけど、当時から彼女が凝っていた「ハーブ」の代表的な種類であると教えてもらった。恥ずかしい限りである。
子供たちもこの曲が好きになり、イメージとしてイギリス湖水地方を思わせた。ワーズワースの故郷、ピーター=ラビットの故郷。
ここに、家族旅行にいけたのは、この曲のおかげかもしれない。
・「クリアな音源で名作がよみがえりました」
'93年以来の再結成,さらには,'82-'83年以来20年ぶりの本格的なツアーを開始したサイモン&ガーファンクルの不朽の名作が,再販となりました! 内容的には,先ごろ(2003/10/22)発売された紙ケース仕様の限定盤と,パッケージを除けば変わりありませんが,全曲二人の監修のもとデジタル・リマスタリングを行った音源は非常にクリアで,旧盤しかお持ちでない方にはお勧めです.
1966年に発表されたサイモン&ガーファンクルの3作目のオリジナル・アルバム.「サウンド・オブ・サイレンス」の大ヒットを受けて急きょ制作されたのが前作(もちろん,それでも高い完成度は,さすが)ですが,じっくり腰を据えて制作された本作の完成度は非常に高く,また,詩やメロディからは,ポールとアートのはっきりとした自信を感じます.
「1. スカボロー・フェアー/詠唱」や「2. クラウディ」「7. 夢の中の世界」「8. 雨に負けぬ花」「10. エミリー・エミリー」「11. 地下鉄の壁の詩」と,もうサイモン&ガーファンクル以外には生み出すことなど不可能としか思えない,美しいハーモニー.そこに「4. 早く家へ帰りたい」という今やおなじみの曲と,「5. プレジャー・マシーン」や「9. 簡単で散漫な演説」というポールらしいウィットに富んだ曲を織り交ぜ,最後に,やはりポールらしいメッセージを込めた「12. 7時のニュース/きよしこの夜」で締めくくる….アルバムとしてのバランスは,彼らの残したオリジナル・アルバムの中では,もっとも優れているのではないでしょうか?
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