・「禍々しいの一言」
他のアルバムはベスト含め全て持っており、最後にこれを購入しました。総評としては、初期のものとあって割と荒削りな印象をうけます。最近の作品に比べるとキャッチーな曲が少なく、演奏がちょっともたつく感じですし、瞬火さん・黒猫さんのハモリにイマイチ伸びがないように思います。
にもかかわらず、聞き込むうちに不思議とクセになる魅力があります。特筆すべきはおどろおどろしさ。不気味な夕刻、荒れ野を一人さ迷い歩くような気持ち悪い情景が思い浮かびます。稀代の名曲奇子が収録されていますが、それに劣らず禍々しいミドルテンポの曲塗り壁、八咫烏。癲狂院狂人廓、帝図魔魁譚といった疾走ナンバーもそこはかとなく怪しく狂おしい雰囲気を湛えています。
初めて陰陽座を聞く人にはお勧めできませんが、彼らのどろどろした一面にどっぷり浸りたい方は買いだと思います。
・「最も人間椅子な作品」
バンド史上、おそらくもっともプログレッシブな作品だろう。 最近ファンになった人にはきついかもしれないが、とっつきやすい壱、弐、四、七で慣らして他の曲も聴いてほしい。 特に「奇子」の完成度はすばらしい(台詞にはひかないで奇子の悲しい人生を感じて欲しい)。 最後に「がいながてや」で明るい気持ちになれるのもいい終わり方だ。
・「陰陽座で一番好きな作品です」
陰陽座の最高傑作だと思う。「夢幻泡影」も切ないメロディーに重点が置かれているように感じたが、このアルバムの切なさ・美しさを超えるには到らなかったと思う。陰陽座の大きな魅力、演歌・民謡・和歌の詠唱のような日本独特のたおやかなメロディーとゴリゴリのハードロックという一見正反対の2つの要素が見事に融合するすごさが最大限に発揮されたアルバム。特に「桜花ノ理」は陰陽座で最高の一曲だと思う。切なく胸を締め付けてくるメロディー。深く暗い男声に間髪入れず女声の澄み切った高音が響くこれぞ陰陽座の美学!といった展開、美しすぎるコントラスト。演奏はたそがれ時のススキの枯野を連想するような哀しげで湿っぽい雰囲気をたたえつつ疾走する。動と静のメリハリも素晴らしい。「塗壁」「八咫烏」は民謡・歌舞伎・謡曲のような歌い回しがヘビメタに乗っかるという面白さ(人間椅子からの強い影響を感じさせる)。バラード「歪む月」はしっとり和風だがサビでは激しく悲しみを叫ぶ。「奇子」では純粋に心を打つメロディーと暗く絶望的な詩世界、悲痛な台詞に圧倒されます。
・「陰陽座アルバム第二弾」
シングルの「桜花ノ理」が入った第二弾アルバムです。
4番目の「癲狂院狂人廓」がカッコよくて好きなんですが、9番目の「奇子」に特に注目。
「陰謀によって生きていることを消される子ども」というのがテーマのようです。生きながらにして喜びを知らず・・・という哀しい運命の子ども。物語が浮かび上がるようなメロディと黒猫さんの声が、なんとも素敵な一曲です。
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