・「史上最も美しいギターソロ」
指揮者バーンスタインが、シューベルトやヘンデルよりもビートルズの方が優れたコンポーザーと評したという話を聞いたことがある。では、Jimi Hendrixはどうか? 彼がバッハをフェイバリットに挙げていたのは有名な話だ。音楽の質を較べることは無意味にしても、諸作からその匂いを感じることができるし、何より彼は優秀な演奏者でもあった。本作は、ジミの作曲家と演奏者、その両面を確認できるライブ盤である。
オリジナルが発表されたのは、70年まだジミの生前。一聴するとわかることだが、本作の演奏は完璧ではない。曲の途中、アームダウンで狂ったチューニングのままソロを弾くジミの苦り切った様子が目に見えるようだし、新生BAND OF GYPSYSのリハーサルが十分でないことが知れる部分もある。発売にはジミ本人も乗り気ではなかったという話にも頷けるものがある。
だが本作は、60s後半、突如現れた天才の片鱗を確実に記録している。特に本作におけるMachine Gunは神の啓示を受けながら音を紡いでいるかのようだ。ジミは自分の出す音と同時に何か違う音を聴いているのである。そしてそれを同時に奏でようともがいているように思える。ギター一台だけの演奏がまるでオーケストラのように聴こえる私だけだろうか。LIVING COLOURのVernon Reidをはじめ、「ロック史上最も美しいギターソロ」に、このバージョンを挙げる人も多い。尚、本作は当時ジミと一緒にミックスに携わったエディ・クレーマーによって理想的なリマスタリングが施されている。
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