・「映画「レットイットビー」を見ているようだ」
映画「レットイットビー」(1969年)では、スタジオ内で曲作りする4人の様子やその人間関係がよくわかる、ビートルズの末期そのものです。この映画の中で感動するシーンは、あのアップルの会社屋上での突然のライブパフォーマンスでしょう。あのころの不仲は有名ですが、いざ演奏が始まれば4人の意気はぴったりじゃないですか。「ドン・レッツミー・ダン」の演奏でポールとジョンが顔を見合わせるシーンや2つの足でリズムを取るジョージの姿。そしてリンゴのドラム。これがビートルズなんだって。そんな風景は、この映画しか見られない。でもDVDが出ているわけでもないし。あとはこのCDでしょう。「ドントレッツミーダン」も入っていますし、ボーナスCDは、1969年「ゲットバックセッション」中のスタジオワークやリハーサルのもので、ジョージの「オールシングスマストパス」の未完成のものも聴けます。
・「思っていたよりは・・・」
オリジナル盤「Let it be」のフィル・スペクターによる編集にはこれまで多くの悪評がなされてきた。しかしこのCDはそのような悪評を一気に吹き飛ばすような快作である。映画版「Let it be」の公開もされていないような状態の中、このCDにより(ある程度ではあるが)Get Back セッションの姿を捉えることができることにはとても大きな価値があると思われる。曲目も「Don't let me down」が追加され(2曲削除されたが)さらに、曲順も変更され、より聞きやすいCDとなっている。(音質向上などにより生のビートルズが体験できると言う意味で)初心者にも聞きやすいのではないかと思われる。ただしCCCDであるのと、ボーナスディスクの内容には少なからず失望する。
・「これぞビートルズの作品!」
オリジナル『LET IT BE』は、この30年間に何度も聴いて来たが、彼らの他のアルバムと比べて何処か煮え切れないモヤモヤした感が有った。特にのっぺりとダラダラした曲順と余りにも多くの音がバックに入ってるのは、当初から気に入らなかった。が、今作は、そのモヤモヤ&ダラダラ感を一掃する快作に仕上がっていると思う。
・「これは普通のアルバムです。」
これって前評判はすごかったよね。あの幻のゲットバックがついに正規発売されるってマニアも大興奮!って全然違うじゃん。なに、これ?裏事情に疎い人達にはなんのことやらさっぱりでしょうが、これはちょっとひどいんじゃないかい?まず曲順が違う。収録曲も違う。テディボーイはどこいった!セイブザラストダンスフォーミーは?第一アクロスザユニバースは元はチャリティーアルバムの曲でしょうが!ゲットバックには入ってないよ!聴きたきゃブート聴けってか!こんなの出すんだったらレットイットビーリマスタード出したほうがよかったんじゃないの?とはいうもののCCCDは気に入らないけど音はクリアだしそこそこ楽しめました。レットイットビー云々は別にして別ミックスが聴けるアルバムとしてとらえたほうがいいかもしれないねぇ。
・「時代の中のアルバムとして」
さて、凍死婆Emiの曾々々爺のことは介護センタに任せるとして、この"LIB...Naked"と元々の"LIB"をアルバム的視点で語ってみようと思うのだが、実のところ、私は"Naked"の日本盤、そしてその後輸入盤も買ってはみたものの、程なくしてどちらも手放してしまい、現在では、昔買った輸入盤のLPでポスター付きの"LIB"が手許にあるのみで、別にそれで構わないと思っていて、理由としては、確かにリミックスされた"Naked"は音がいいのだけれど、しかし、ひとことで言うなら「薄っぺらい」という印象を拭えず、それは、"LIB"にまつわる裏事情を熟知して待ち構えていた一部の人達同様、期待外れだったからに他ならないのだが、ただ、それでも敢えてこのアルバムに望みを見出すならば、"Naked"は兎にも角にも「あの」ビートルズのアルバムであり、ベスト盤にも似て懐かしい粒よりの曲が散りばめられ、そして何よりも、まだ世に出て間もないというようなことが挙げられるわけだけれど、正直、その望みにしても、果たしてこの「裸体」に安易に微笑みかけるかどうかは甚だ疑わしく、何しろ"LIB"はまだまだ余りに重い時代、まだまだ余りに熱い文化の流動の中で産声を上げ、世界中に迎えられ、「唯一のLIB」として30数年間人々と共に生きてきたわけで、たとえフィル・スペクターが何をしたにせよ、既に人々や文化の中に確たる価値観を築き上げているに違いなく、それは揺るがし難く、音質がどうの、リミックスがどうのという些細なことくらいでは、一朝一夕に追い付くものではないとしか思えず、この所々継ぎはぎで痛々しい「裸体」が、既に実体のなくなったグループのアルバムとして、果たしてどこまで時代に関わり、文化に関わるのか、この先人々を強く動かしてどこまで共に生き続けて行けるのかを考えるとき、私は少し暗澹とした気持ちにならざるを得ず、そんなわけであの「裸体」のアルバムは、"Anthology"同様データだけ残し、私の元から、消えたのだ。
・「ビートルズは巧い!」
私はビートルズのアルバムに関してはオリジナルさえあれば十分だと思っているが、率直に言ってこのCDは抜群に良い。全体に音がクリアでドライ。個々のパートが良く聞こえてバンドとしての巧さがはっきり分かる。まず、ルーフトップギグ(2,6,7,8)はどれも最高(8はシングルの方が圧倒的に良いが)。ビートルズのバンドとしての巧さは「タイト」「のりが良い」という所だと思うが、まさにそのような演奏であり、何度も聴きたくなる演奏である。ドラム、特にバスドラとスネアをより全面に出していることもその一因と思う。しかし何と言っても4。これは出色の出来。最大のポイントはオリジナルに対して録音テイクを変えたこと。オリジナルは、どちらも(アンソロジー、スペクター)も初期のテイクであり、元々のバンドの演奏そのものが良くない。それをレコーディング最終日のテイクに変え、しっかりとまとまった演奏になっている。鼻が詰まったようなポールの声もなくなって心地良い。甘ったるいストリングス、オーケストラという最もビートルズらしからぬアレンジのスペクターバージョンは聴くに堪えなかったし、アンソロジーバージョンはかえってバンドの下手さが目立ってしまっていた。ルーフトップギグのような演奏ができるバンドが一転してこのような曲もしっとりと演奏できるのは驚きである。スペクターバージョンを嫌いな人ならこの1曲だけでも買う価値あり。11も良い。スペクターバージョンよりもシングルのシンプルな「美」が好きだったが、シングルバージョンの路線で更に美しく仕上げてある。10の最大の美点は回転数(曲のスピード)を元に戻したこと。遅すぎるスペクターバージョン、速すぎるチャリティバージョン、どちらもジョンの声がおかしかった。この曲もやっとまともになったと思う。9は元々ボーカル自体がオーバーダブなのでオーバーダブをなしにすることは不可能だが、スペクターバージョンよりも音数が減ってすっきりして良い。なお、6は屋上での2つのテイクの良い所をつなげているのでスペクターバージョンとは部分的に異なる。個人的には複数のテイクのいいとこどりをすることはロックの世界では何ら恥じることはないと思う。ビートルズも初期の段階から行っていた。
このアルバムを買った当初は何度も聴いたし数年経った今でも時折聴き返している。「追記」ディスク2は映画の冒頭でポールが弾くもの悲しいピアノ曲14を聴けるのが唯一のメリット。
・「生まれ変わった名盤」
フィル・スペクターのオリジナル盤は、ポールがどれだけ否定しようとも素晴らしい作品であることに間違いない。確かに何となくまとまりがないような印象を受けるものの、それがまた独特の雰囲気、世界を感じさせていた。そしてこの「ネイキッド」の登場である。フィル・スペクターの音を取り省き、すっきりとまとまったクリアなサウンドで、曲によってはかなり新鮮な印象を受けるものもある。「フォー・ユー・ブルー」、「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」、「ゲット・バック」などはまさにそうだ。シンプルでいて、迫力を感じる音の世界は見事だ。オリジナルとは、また異なった「力強さ」を感じる。個人的には、オリジナル盤も、この「ネイキッド」もどちらも好きだ。それぞれの良さがあると思う。ただ、「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」、何度聴き比べてもやはりフィル・スペクターのヴァージョンが素晴らしいと思う。
・「仮想と現実ということ」
ディズニーのピクサーが作ったヴァーチャル・リアリティ(死語?)は非常良く出来ていて、大人も楽しくその世界に入っていけます。
本CDは、製作者の意図は多分ネットでいろいろ分析されているほど難しくなく、多分単純と思います。
1.アジアを中心に横行している数種の同アルバムの海賊版の音源に、自分がまだ元気なうちにこれこそ正規のネイキッドだということをハッキリさせておきたかった。2.メンバーの2人が欠け、もはや昔を再現させるには、デジタル技術による複数の音源の編集と音をオーバーダビングさせるしか方法がなく、エンジニアにたよるほかなかった。3.いかなる最新技術をもってしても、メンバーの思いいれや感情や癖まで表現することは難しいことを途中(完成後)で気付き、サービスとして当時のメンバーの肉声の入ったものを加え2枚組とした。
バーチャルなものでも、結構楽しめるものであり、音質の良さは聴き手をあたかもその場所にいるかのような体験をさせてくれる。
年寄り(私)の言っていることはこういうことです。このCDは仮想現実ですよ。昔の人はこれではー、ちょっと機械的で物足りない。よって、グリーン・リミックスとかスペクター・リミックスとか編集者の名前をハッキリさせた方がよっかたですね。そうしないと、ビートルズの未発表アルバムついに発売と勘違いするじゃないですかー、てね。
これで、カスタマーさんの答えになっているかな?それでは・・・・
・「親父ファンの間で言われていること(?)」
「ホワイト・アルバム」発売後、メンバーの自由で製作したためレコードにまとまりがなく、メンバー同士の仲も悪くなってしまった。反省と、ビートルズの存続を憂慮したポールは、もう各自のアイデアによる実験的な試みをやめて、原点に戻ろう(GET BACK)と提案。まず手始めに多重録音を配したレコードを製作し、TVでライブ演奏をするプロジェクトに入った。しかし、長いライブ活動から離れて、ファンと評論家が騒ぐこと、そしてことジョージにとっては、クラプトンやペイジの演奏を聴いて自分がもう彼らと対等な演奏はできないと思い、再び耳の肥えた客の前でのギター演奏を恐れていたことが背景にあった。レコーディング中、ポールの下手くそ発言で、ジョージは脱退を声明。このプロジェクトは、レコーディング風景を映画にし、少人数の聴衆でミニライブを収めることと、現役のキーボード・プレイヤー、ビリー・プレストンを入れる提案がなされて決着。ジョンにとっては、オノバンドでライブは経験積みでもうすでに昔に戻れないこと知っていた。ポール主導のマネージメントをアラン・クレインという人を呼んできて任せ、またこのレコーディングのマスターを多重録音の名手(ホール・オブ・サウンド)フィル・スペクター(オノバンドのプロデューサー)に編集・アレンジを委ねた。原点回帰を目論んでいたポールは、フィル・スペクターの過剰なまでの多重録音に激怒。ジョンと仲たがいの末、アビーロードを最後に脱退、ビートルズは消滅した。その問題となった原音がこのCDと思いきや、これも原音を多重録音したものに過ぎなかった。編集したのは、どなたか?いまだにジョージの意向をくんで、映画「LET IT BE」はDVD化されていない。
・「映画を見て言ってるか否かをハッキリして欲しい。」
私が高校1年のときに映画「Let It Be」は、封切られた。今、「Get Back Session」と呼ばれているアビーロードスタジオでの、生の映像であり、「ドキュメンタリー」なのか、同時進行を記録したものである。
大半は、その後フィル=スペクターによって「過剰な改編」がされた形式上Beatles最後のアルバムとなったが、この映画を見た、当時の同世代人にしてみれば、「ああ、もうだめだ」と思わせた。GeorgeとPaulの「判ったよ、君の希望通りにするよ、何をして欲しいか示してくれ」と言う趣旨のやり取りなど、悲しい場面が多かった。
この映画は、George の意向とか、著作権の問題で発売されないし、再上映されないけど、1980年頃一度だけ、日本でテレビで流された。この当時、VTRを持っていた人は少ないだろうから、記録としては、「幻」かもしれない。
私は、幸いこれを持っている。
映画館で見たか、VTRで見たか、ブートレッグで見たかは知らないが、とにかく、BEATLESの最後を論じる場合に、この映画を見て論じているのか、知らずに論じているのか、立場をハッキリして欲しい。
おそらくこれを見て論じている世代と、知らずに論じてる世代とでは、評価の基礎が違いすぎると思うのです。
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