・「1960年代を彷彿とするような甘い歌声」
竹内まりやとプロデューサーの山下達郎と同世代ですから、このアルバムは楽しく聞かせてもらいました。若い方にとっては、初めて接する音楽が多いと思われますので、世代によってこのアルバムの評価は分かれると思います。リアル・タイムでこれらの音楽と接し、思い出が一杯詰まっている世代にとっては感涙ものでしょう。
竹内まりやの声がいいですね。低音の豊かな響きは天性のものですし、高音の艶やかさと可愛らしさは、ストレートに彼女の魅力となって伝わってきます。甘く切ないこの時代のポップスを歌うの適した懐かしさを内在しています。これらはカバーですが、あの時代を再現できる稀有な歌手の登場でもあります。歌唱法も当時の歌い方を彷彿とするものでした。バラードは少し粘っこく、アップテンポの曲は、リズムを強調した軽やかさに包まれています。
「ヒットパレード」の番組を知っている人にとって、竹内まりやのカバーはとてもよく仕上がっているのを感じることでしょう。「洋楽」が日本の歌謡曲と同様に聞かれた時代で、これらの曲は1960年代の世界のヒットチャートを賑わした曲であるのと同時に、昭和30年代後半から40年代にかけて、カバー全盛時代のヒット曲でもありました。訳詞によるポップス全盛期の漣健児さんの詞も懐かしいものでした。
ジリオラ・チンクェッティの「夢見る想い」、コニー・フランシスの「ボーイ・ハント」、そしてブレンダ・リー(竹内まりやのライナー・ノーツの通り、スキーター・デーヴィスではなく)の「この世の果てまで」、そして「ジョニー・エンジェル」「砂に消えた涙」「悲しき片想い」、どれもステキです。あの時代を知り尽くした山下達郎のアレンジなればこそ、痒い所に手が届く配慮が施されています。バック・コーラスの付け方なんて最高ですね。懐古趣味ではなく、現代のポップスとして再提示した竹内まりやと山下達郎に感謝!
・「ないものねだりと勘違い」
竹内まりやを知らない人。山下達郎を知らない人。オリジナルを知っている人。この三つに当てはまる人は不幸かもしれない。「オリジナルをこえてない」なんて当たり前じゃない。カバーものはそれを楽しめばいい。「男二人とのデュエット」って大瀧詠一を知らないわけだ。竹内まりやと山下達郎のふたりと大瀧詠一との関係を知ってる人なら五つ星だね。
・「オリジナルは超えられなかった。」
彼女がまだ小さな頃、ラジオやテレビで、自然に耳に入ってきたであろう曲目で構成されている。1960年代には、現代のように米国、英国発の音楽だけではなくて、イタリアやフランスなどの音楽も、日本でのヒット・チャートにしばしば挙がっていた。また、当時日本人歌手がたくさんこれらのカバーを発表した。
正直言って、残念ながら「オリジナルは超えられていない」けど、初めてこの時代の音楽に触れる方にはいい曲がたくさんあると思う。音作りは山下達郎によるもので、例によってエフェクトが多用されている。お好みの方はこの観点から聴くのもよいだろう!
・「選曲がいま一つ。レコードならよかったのに。」
いわゆるオールディースと、イタリアンポップスと、映画音楽のカバーが、ちょっと?レベルに並べられている。失礼をかえりみず言ってしまえば、可愛いまりやと、中年のまりやが同居している感じ。これがレコードならAB面で旨く整理出来たのに、CDでは変わり身を見せられているようで落ち着かない。男二人とのデュエットも含め、もう一枚アルバムを作るか2枚組にすべきでした。まりやの思い入れもあるのでしょうが、買って聴いてる者はわがままなのです。2曲目のように無理に原語で歌わなくてもというレベルのものもありました。
・「気取りも嫌味ではない」
カバリング曲は彼女のようにあっさりと、唄うのがいいのだと思う。古い歌に感情移入されても重くなるからね。英語の発音とかに気取りが見えるが、ぎりぎり嫌味ではなく、受け入れられるレベルだろう。オールディーズをこのように唄うことの出来る歌手は他には見当たらない。
・「むしろオールディーズを知らない人向け」
同性代として、これらの選曲には理解できなくはないのだが、今ひとつ楽しめませんでした。なんか、カラオケでオールディーズを自己陶酔的に歌っている姿を思い描いてしまう。それなりに良いところもあるような感じはするんですけどね。
・「選曲の良さ+才能」
ヘレン・シャピロ(デビュー当時のビートルズが前座を務めたイギリスのアイドル歌手)の「悲しき片想い」から始まるこのCDは、選曲のよさが溢れております。最近は、ヨーロッパのヒットソングがそれほど日本に紹介されませんが(紹介されてもヒットしない?)、当時(1963年から66年くらいまででしょうか?)は結構ヒットして楽しい時代でした。当然本家アメリカから、コニー・フランシス、イギリスからヘレン・シャピロ、フランスからマージョリー・ノエル、イタリアからジリオラ・チンクエッティ(日本のヒットチャートではビートルズの宿敵となる他国では考えられないお話があります)、さらにイタリアのサンレモ音楽祭に出て歌った「伊藤ゆかり」の「恋する瞳」を歌うという、もうその頃どっぷりの方には信じられないプレゼントです。さらに、エルビスの映画でおなじみのシェリー・フェブレーの全米NO.1ヒットの「ジョニー・エンジェル」もうたまりませんわ。こんな素晴らしい歌を日本人があちらの言語で歌う、えらい時代になりました。脱帽。
・「新しきオールディーズ!」
まりやさんのルーツミュージックへのリスペクトが歌声の隅々にあふれるようなアルバム。これを聴くと、収録曲に含まれた「栄養分」をたっぷり摂取して、アーティスト・竹内まりやが誕生したことがよく分かる。彼女が愛し、口ずさんできた60'sのポップスが、ていねいな演奏と歌で楽しめるだけでなく、漣健児氏の日本語詞がついている曲では、J-POP の黎明期のきらめきの一端を味わうことができる。
メジャー(長調)とマイナー(短調)の曲をほどよく織り交ぜた選曲もよく練られている。個人的なお気に入りは・・・まりやさん得意のロッカバラッドのルーツと思える 03.,矢沢永吉さんがCMでカヴァーされていた01.,イタリアンポップスのメロディの美しさが味わえる 08.,同じく矢沢さんがアコースティックライヴで取り上げた美しいロッカバラッド 10.,大瀧さんとのデュエットが優しげな雰囲気を醸し出す 13.,などなど。
まりやさんご本人による、ていねいなライナーノーツも良心的。ブックレットに掲載されたまりやさんの美しいフォトは、「その頃」にタイムマシーンで戻ったかのようでとびっっきりキュート!60年代のビートルズ以外のポップスの豊穣さが味わえるので、「新しいオールディーズ」として若い音楽ファンにもおすすめ。個人的には、純情でかわいい女のコとのドライヴのお供にしたい!アルバムである。
・「あえて「辛口」に」
大好きなシンガー竹内まりや…小生55歳殆んど「オリジナル」を聞いている好みもある…ちょっとした『違和感』節回しが「微妙に違う!…」。竹内&山下の「ウォ-ク・ライト・バック」この選曲は良かったのでは…。
・「やはり選曲のセンス。奥深さに感服。」
なんて!懐かしい!でもなんて新しいの!そんな個人的にも大好きなポップスの名曲ばかり。この選曲には「ありがとう!まりや!」っていうしかない。「恋する瞳」なんて、心の琴線に触れない人がいない訳がない!伊東ゆかりと一緒のステージなんて、見てみたいな。まりやの思いが伝わってくるライナーノーツもいいね。
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