● 裏プログレ入門
・「イタリアンロックを代表する極上の名盤!」
72年作。イタリアを代表するプログレバンドPFMの2nd。クラシックとロックとジャズが見事に溶け合い、イタリアならではの叙情美がそっと流れていく極上のサウンド。研ぎ澄まされた緻密なアンサンブルに思わず息を呑む。変幻自在、狐につままれたような…そんな所はジェントルジャイアント的だが、それが混沌ではなく、ひたすら美しい幻や夢へ向かっていくようなイメージ。全曲、後の世界デビュー盤に英語版が収録される。歌詞はイタリア語で、英語では味わえない美を感じさせてくれる点は大きいが、楽曲のアレンジ自体はさほど変わらない。本作の方が少し素朴な印象か。どちらが優れているとかいうよりは、慣れと好みの問題だろう。私は英語盤の方が好きな所もけっこうある。「ほんの少しだけ」は英語版には無い短い前奏が付く。クラシカルで寂しげなアコギで静かに始まり、フルート、チェンバロ、オルガン等だんだん音が重なって、荘厳で悲劇的で激しいシンフォニックロックへなだれ込む展開はいつ聞いても鳥肌が立つ。ただ、ドラムが入ってアンサンブルが走り出す部分は動と静の落差がより大きい英語版の方が私は好き。「生誕」は歌詞がなくインスト。「友よ」この曲は特に伊語で歌う方が好き。「晩餐会」は伊語のまま英語盤に収録される。端整なアコギと柔和な歌声、舞い踊るフルートも絶妙。中盤は光の渦につつまれ、電子音の迷路を彷徨い、荘厳で寂しげな木管風の音とストリングスシンセが行き交い…摩訶不思議な場面展開だが、特に、物思いに沈むようだったり切迫感を増したり開放的になったり心のままに表情を変えつつも格調高いピアノソロが素晴らしい。「ゼラニウム」は静謐ながらもトリッキー。中盤のフルート・オルガン・シンセ・ピアノがクルクル入れ代わる展開が印象的。悲劇的なピアノの旋律をバイオリンがなぞって舞い上がっていくような明るい美しさへと変える場面は実に感動的。
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