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▼リレイヤー:詳細

リレイヤー

リレイヤー
イエス(アーティスト)

▼クチコミ情報

・「イエスがイエスという枠からはみ出した唯一の作品
キーボードにパトリック・モラーツが参加した、オリジナル・アルバムとしては唯一の作品。リック・ウェイクマンがいかにもキーボードらしい荘厳なプレイを披露していたのに対してパトリック・モラーツはキーボードを打楽器的に目まぐるしく操っている。それがこのアルバムのダイナミックな作風に通じているのだろう。"The gates of delirium"のオープニングからしてそれは顕著。

この"The gates of delirium"は"Close to the edge"に匹敵する名曲にして本作品最大の聴きどころ。ゆったりしているがドスの利いた序盤、テンポ・アップして攻撃性を増す歌メロ部、それが"Listen,should we fight forever"のフレーズから一転してスローになったかと思うとクリス・スクワイアのベースが聴き手を脅迫するように前面に出る。そして歌メロ前半部の最後のフレーズで一気に畳みかけ、戦場の混沌を音で表現したかのような中間部の凄絶なインスト・パートに移る。ここで聴かれる「ドグワシャーン」という効果音の種明かしがライナー・ノーツにあって面白い。そしてシングル・カットされた後半部で戦の後の平穏を見事に表現して、この大作は締めくくられる。唯一の不満はアラン・ホワイトのドラムが奥に引っ込んで頼りなく聞こえる事だが、ライヴ・アルバム「イエスショウズ」でその不満も解消される。

アルバム後半の二曲"Sound chaser""To be over"は"The gates of delirium"と比べると些か地味に聴こえるが─特に"To be over"─、スピード感と民俗性溢れる"Sound chaser"穏やかなヴォーカルをフィーチャーした"To be over"ともに聴き応えは十分。ボーナス・トラックは"The gates of delirium"の別ヴァージョン以外どうでもいいが、ボーナス・トラックはあくまでおまけ。アルバム本来の価値を損なうものではない。

パトリック・モラーツのパーカッシヴなキーボードが鍵となってイエスがイエスという枠をはみ出した唯一の作品。できればパトリック・モラーツにはもう少し残留してイエスで大暴れして欲しかった。今となっては叶わぬ夢だが。

・「惜しい
玄人筋が高評価の作品というイメージがある。難解ともよく言われるが、そんなでもないかなぁと。確かに派手な音だなぁとは思いますが。ビルブラ入りで聴いてみたい気も。個人的には「サウンド・チェイサー」。ちなみに、スクワイアのソロの3曲目中間部は「サウンド・チェイサー」中間部っぽいです。ビルブラ入りの同曲をイメージしたい方は、ぜひ。

・「プログレとしてのイエス最後のアルバム
「こわれもの」や「危機」が衝撃的な作品だとすれば「リレイヤー」は「海洋・・・」で養った想像力とアルバムとしての完成度で高い評価をするべき作品と思うレコード・ジャケットの出来も秀逸ただ、録音方法がこれまでと違うのか、ステレオ感のようなものが不足しているように感じるそして、BブラフォードやRウエックマンの音に馴染んでしまった者には、どうしても、その音色を望んでしまうのはしょうがないところ

AホワイトもPモラーツも力量的に劣るものでないことは実感できるPモラーツのキーボードは彼なりの世界観があり、イエス・サウンドに今までにない、独特のキレ、センスを与えており、これはこれでいいのかなと思える、裏を返せばRウエックマンのようなバロック調の音はないAホワイトのドラムスも力強く、プレーヤーとしての技量やライブならこちらが上との評価があるが、Bブラフォードのようなオカズがない分、華や創造性に欠ける、このことは意外とグループの音楽性に大きく影響していることではないだろうかそして、どことなく無機質で技術的に優等生な音、巧すぎるつくりに仕上がってしまっているのは二人のせいというよりもイエス自体が世界的な成功を収め、イエスを取り巻く環境も常に成功を期待される立場となりプログレがひとつのジャンルとして商業的にも肥大化し、硬直化してきたタイミングと重なったからではないだろうか

元々イエスというバンドは腕のよいテクニシャンが集まった要素が強く、芸術的、思想的な方向性を持っているとは言い難いイエスに限らず、60年代後半から活躍してきたプログレ・バンド自体がやりたいことをひとまずやり過ごして、セールス的にも成功を納めてしまい特にイエスのような演奏家集団のタイプは解散ではなく継続していくためには次の方向性を模索せざるを得ない状況になっていった

新たなプログレを求めるリスナーは既に英国以外に目を向けており、単純に言うとプログレ自体飽きられてきた頃であり、なによりもミュージシャン自身マンネリ化していたのであるもし、この「リレイヤー」が、BブラフォードやRウエックマンが参加していた「危機」や「こわれもの」が存在していないと仮定したのなら、あるいは彼らが参加した「リレイヤー」が発表されていたなら、最高傑作と評価されたに違いない

ジャンルとしてのプログレと呼べるイエスとして、最後のアルバムである

リアルタイムでない今日なら、妙な期待や偏見なしに聴ける状況を幸いと思いたい

・「「危機」ほどの構成美を感じない
現代音楽家ではないのだからここまで難解にする必要はないのではないかなというのが、率直な感想です。誰の意向かはわかりませんが、まあ難しいことを考えてるんですねェ、。たぶんイエスのアルバムの中で一番とっつきにくいと思いますし、メロディもヘンテコです。自分たちの立っているフィールドがポピュラーミュージックであるとことを完全に忘れてしまっているように思います。聞き手に媚びろとはいいませんが、ここまでくるとほぼ自己満足の世界です。近年、再結成後このアルバムの曲が演奏された記録はほとんどないように思うんですが、これは演奏が難しいからなのか、演奏していても気持ちよくないのかどちらなんでしょうか。少なくとも、彼らもいい年齢になっているので、好んでこのアルバムの曲を演奏したいとは思わないのではないかと、私は勝手に想像しています。

・「「危機」の呪縛から解き放たれた傑作!
「危機」を70年代初期の最高傑作とするなら、この「リレイヤー」は70年代後半の最高傑作です。反戦を歌った大作「錯乱の扉」の鬼気迫る迫力!パトリック・モラーツの攻撃的なキーボード、淡々と歌うリック・ウェイクマンのボーカルが見事に完成度を高めています。

このアルバムが日本でリリースされた当時の「音楽専科」でジョンは、「海洋地形学の物語」での中たるみを敢えて「危機」と同じアルバム構成にし、攻撃的な危機迫る作品にしたかった」とインタビューで答えていましたが、当時LPで聞いたこの作品は正に衝撃的でした。

加入当時不評だったドラムスのアラン・ホワイトとベースのクリス・スクワイアの相性もバッチリ!特に2曲目の「サウンド・チェイサー」はニ度々同様の演奏が不可能と思える程の傑作!3曲目の「トゥ・ビー・オーヴァー」も美しいメロディーで、前2曲の緊張感を緩和してくれています。YESのプログレとしての金字塔であり、これを最後に以降はPOP路線をひた走り、新たなファン層を構築するのであります。

・「私にとっては難解な作品
「錯乱の扉」はキーボードが前作のリックからパトリックモラーツに変わっているものの、曲の印象は「海洋地形学の物語」とあまり変化が感じられない。「海洋地形学〜」に収録されていても違和感なく聴けるのではないか。パトリックのプレイは明らかにジャジーでリックのプログレッシブなスタイルと比べさらにインプロビゼーションは増している。「サウンドチェイサー」もそうだが、このアルバムを楽しむためには耳を皿にしてかなり聴き込まなければならない。さらっと雰囲気で楽しむことはできない。全てのフレーズを一緒に口ずさめるぐらい聴き込めばいかにこのアルバムが手が込んだものか分かると思う。私は「スーン」の部分が大好きだが、もうちょっと「スーン」的な部分が多ければもっと楽しめたと思う。

・「「錯乱の扉」は名曲
イエスの名曲とされる「危機」には、どうしても中だるみがする印象がある。その点「錯乱の扉」は、緊張の連続で、音作りの緻密さにも圧倒される。パトリック・モラーツのキーボードは、七色の音色を奏でる。また、全体として「危機」よりもポップになっている。

後に、リックも参加して作られた曲「マインドドライブ」同様、「錯乱の扉」はスポットライトが当たる機会が少ないものの、じっくりと聴くと内容の濃いプログレの大作で名曲だ。

イエスファンなら、存分に楽しめると思う。

・「YESを超える演奏にロマンを求める
「リレイヤー」はストラヴィンスキー、ラヴェルといった色彩感豊富で多国籍なクラシックのバレエ音楽となんら変りがないと思う。ギターだってベースだって、ドラムだってJAZZの人に比べれば、上手くないけど、「リレイヤー」をつくった作曲能力は凡人離れしていることを認めなければならない。YES自信による荒削りな演奏も全く文句がないが、解釈の違いによる別の「リレイヤー」にも大きなロマンを感じる。ストラヴィンスキーの「春の祭典」だってご本人の指揮より、ブーレーズの指揮の方が優れていると思うが、クラシックは名作ほどたくさんの指揮者による作品が出る傾向にあり、「春の祭典」も例外ではない。それと同様、「リレイヤー」は、この先未来永劫、いろんなアーティストにカバーされ、オリジナルを超える解釈を引き出す「リレイヤー名演奏争奪戦」が繰りひろげられる、そんな隠れた潜在能力を感じるYESの最高傑作だと思う。

・「もう少しで危機に並べた佳作
危機と同じ3曲のみの構成だが、フュージョンタッチでハードな演奏を繰り広げる(2)、その緊張をほぐすかのような安らぎに満ちた(3)など、完成度は高い。惜しむらくは(1)。最後のパートである「スーン」に繋げていくまでが「危機」に比べて冗長かつ散漫に感じてしまう。もう少しプロデュースの時間を経て、わかりやすくまとまっていれば、一般的な評価も「危機」クラスになったのではないか。同じ手法で作られたはずの「危機」は「奇跡」でもあったのだろう。

・「危機と並ぶイエスの傑作
危機と同じ三曲で構成されていますが組曲のような一曲目の入り乱れた音は、彼らの最高傑作である危機に迫る展開になっており、ヴォーカルのジョンの透明感のある声やドラマーのアランの奮闘ぶり、ベースのクリスの技巧ぶりがこの曲の聞きところです。二曲目はスティーヴのテクニカルなギタープレイが聞ける、非常に楽しめる曲になっており、三曲めは非常に清楚な雰囲気の曲で最後まで聞き応えのあるアルバムです。ただひとつの欠点といえば、名ドラマーのビルブラッフォードやリックウェイクマンが脱退してしまい、演奏力でいえば危機に劣ってしまうことだと思います。

リレイヤー
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