・「親しみやすさと高尚さと・・・」
1曲目の特に最初のメロディラインと、邦訳「危機」という単語の意味との整合性に疑問をもたれる方もいらっしゃるのではないだろうか。また「I get up,I get down」の意はいったい?
タイトル曲「Close to the Edge」は、ヘルマン・ヘッセ1922年作品「シッダールタ(釈迦と同姓同名の架空の人物)」をモチーフとした作品であり、さまざまな困難・俗世を経て、川の流れの音を聞き悟りの境地に至るという物語である。アンダーソンが作品のどの箇所を引用したかは不明であるが、次のように解釈すると理解しやすい。最初はシッダールタの放浪の旅のはじまりである〜そして悩み・問題との直面〜自問自答〜無我の境地(解脱への道)、そしてそのさまざまな場面において「Close to the edge,down by the river」つまり川べりでシッダールタは考え、もがき苦しんでいたのではないか、と。(シンコーミュージック「Yes File」より一部引用)
歌詞は難解で、アンダーソン以外のメンバーすら理解困難ということであるが、歌詞のテーマはアンダーソンの解釈曰く「自己理解の瀬戸際」とのこと。つまり「解脱直前の状態」あるいは「自分を見つけること」ということであろうか。無論答えはアンダーソンの頭脳の中にしか無く断言はできない・・・
いずれにせよ作品の背景を推測または理解しながら聴くと、とてつもない「深み」を感じる作品である。レコーディング時「つぎはぎ」で編集された各パートのメロディが、考えられないまとまりをみせる。この部分は「この音このリズム以外は考えられない」それぐらい奇跡の調和を持って最後まで一気に聴けてしまう。しかしながら、YESというグループの良さはそんな「小難しい」ことを抜きにしても楽しめる、親しみやすいメロディーの組み合わせでもあったりする。クリムゾンやフロイドは「重すぎて・・・」という人でも是非聴いてもらいたい傑作である。
・「70年代YESの最高傑作がリマスター盤で蘇る!」
英国プログレッシヴ界の大御所、YESが1972年にリリースした通算5枚目のアルバムです。実際には前作「Fragile」と同時にレコーディングされていて当初はアナログ2枚組でリリースされる予定だったそうですが、あまりに「大作すぎる」という理由で2枚に分割された経緯があるそうです。メンバーは、Chris Squire、Jon Anderson、Steve Howe、Bill Bruford、Rick Wakemanの黄金メンバー。特にキーボードがトニー・ケイからウェイクマンにチェンジしたことによって楽曲全体がよりシンフォニックによりテクニカルになったことが特筆されます。
ファンとしてはボーナストラックに目が行きがちですが、今回のリマスター効果は抜群で、音圧が十分にとれていることはもちろん、音の分離も格段によくなっています。恥かしながら旧規格しか聴いたことのない私にとって、次から次へと沸き出てくる音の洪水は大変新鮮に感じられ、大げさではなくまるで新譜に出会ったかのようです。いままで気がつかなかった音まで認識できる今回のリニューアルは、個人的に大満足です。
これから彼らの音楽に触れようと考える若い世代はもちろん、旧規格の篭った音源にフラストレーションがたまっていたオールドファン(失礼)も、迷うことなく購入されることをお勧めします。まったく新しい世界が目の前に広がりますよ!
・「プログレの枠を超えたイエスの最高傑作」
イエスの最高傑作と名高い5thアルバム。同志もシベリアン・カトゥールもいいが、最大の魅力は危機である。小鳥のさえずりの始まり、いきなりハードになる導入部分の衝撃、盛衰のコーラスとパイプオルガン。そして人の四季の感動的とも神秘的とも言えるラスト。すべてが完璧な構成で出来上がっている。これ以上に神秘的で感動的な曲に私はいまだかつて出会ったことがない。 あとこのアルバムはプログレとして聴くべきでない。おそらくまだプログレを聴いたことがない人はプログレは難解なものだという先入観を持っているかもしれないが、イエスには少なくともあてはまらない。なぜならほかのプログレバンドが難解路線に突き進む中、イエスはポップ路線で成功を収めたバンドだからだ。だから、プログレが嫌いな人にも聞いてほしい(実は自分もプログレ嫌い)。間違いなく万人受けする内容だと思う。
・「ロック史上初の革命的なアイデアを成し遂げた、ロックの一つの到達点」
1972年発表の通算5作目。華麗なテクニックと優雅な曲世界が両立した、思想・技術の双方でロック史上一二を争う完璧さを誇る名盤。全てのイエス好き及びプログレ好きのみならず、イエスメン自身が傑作の基準としているアルバム。
・「「危機」の前にYESなく、「危機」の後にYESなし−すべてはここから」
とにかく、聴く者を魅了する。オープニングから一貫して繰り広げられる音のせせらぎ、そよぎ、揺らめき、流れ、うねり、洪水。聴く者の視野を幽玄・幻想の世界に導き、体をあたかも中空に浮遊させ、透明な光のシャワーの中に導くような恍惚感。 思春期に刻まれた「危機」によるプログレの洗礼は、静謐な迫力で今も私をYES教信者にさせる。自分の感性にとって、ヒーリングに等しい癒しの力を持っている。全てがここから始まりここに終わるかのような、充実感と到達感を味わえるのだ。
「危機」以前のYESは、この崖っぷちに到達するための助走であり、「危機」以降のYESは、その変容に過ぎない。(ましてや、ポップス路線に走った後は、プログレではなくなってしまった) 「こわれもの」で、迫力ある躍動感を獲得し、 「危機」で志向性に満ちた演奏で、最高峰に到達したYES。 「海洋地形学の物語」は、哲学性が肥大した不協和音となり、 「リレイヤー」では、不透明な幻想世界として煮こごり、 「究極」で、リハビリ再生して、本来の姿を垣間見せたものの、 「トーマト」では、何をかいわんやとなってしまった、YES。
ボーナストラックのアメリカは、当時ライブでよく演奏されていたし、昔々の「危機」には入っていなかったが、まあ、違和感無く聴けるから許せるとしよう。とにかく、長い1曲に「浸り切る」事が至福の時間だったあの頃。そして、この歳になっても「帰ってくる場所はここだ」と感じさせてくれる1枚が、懐かしい緑のジャケットの中にある。
・「難解すぎず、かつ緊張感もあるプログレのお手本。」
Yesの名声を決定付けた名盤の5作目。タイトル曲は組み曲で当時のLPでA面いっぱいを費やした大作です。(もしCDだったらどう作ったでしょうか。) しかし程よい緊張感ときちっとしたスキのない演奏で大作と感じさせる間もなくあっという間に聞いてしまいます。続く2曲はさらにわかりやすく、一般には難解なプログレを程よく噛み砕き、なおかつプログレ本来のドラマチックさや緊張感をしっかり持っていて、メンバー個々の技量が非常に高い点が名盤と高く評価される所以だと思います。
・「果てしない創造と想像の流れに・・・」
30数年前にイエスのこのLPを、アルバイトで買い揃えたステレオコンポで初めて聞いた時の、あの鳥肌が立ちっぱなしで、変幻自在なイエスワールドへ飛ばされた感動!新たにCDで購入し、MP3でELP・ピンクフロイド・クイーン・キングクリムゾンーらのお気に入りの曲と共に通勤時に密かにガンガン聞いている50男です。 クラッシックとの融合だとか、オーケストレーションだとか、ジャズやブルース・ハードロックの味付け?だとか、色んなプログレ(もどき)と出会いましたが、次のアルバムが裏切らない(進化!昇華!)グループは数少なかったですね。しかも、30年後の今も聞くに堪え得るものは・・・曲の中身?間違いなくプログレ・フアンならイマジネーションが別世界へ飛んじゃう事、請け合います!!
・「ロック史上に残る奇跡の一枚」
プログレという範疇にとらわれず、ロック全体においても十指に入るだろうと思われる、ほんとに超傑作。これは必聴。収録曲三曲みないうまでもなく名曲だが、やはり一曲目の表題曲につきる。数ある十分越えLP片面大作の中でも、この「危機」はメロディー、構成、演奏、ともに最高峰であると確信する。二十分という長丁場を飽きさせずに聴かせているのは、全編にわたって繰り広げられる緊張感あふれる演奏もそうだが、それにもまして起承転結のはっきりしたドラマチックでかつ分かりやすい構成のおかげだと思う。大作慣れしていない人でも、だれることなく聴くことが出来るだろう。それに加えてこの曲のもつ言葉では語りつくせない壮大さと神秘性と、意味の分からない歌詞、そしてロジャーディーンによる美しいジャケット。すべてにおいて完璧な、奇跡の一枚である。
・「YESの最高傑作」
今から20年くらい前に初めてこのアルバムを聴いたのだが、1曲目の「危機」ではまってしまった思い出深い作品である。他の2曲とも素晴らしくいずれもYESの代表曲であるが、「危機」はとりわけ素晴らしい。ジョンの書く詩は難解だが最後のI get up~,I get down~のくだりは何とも言えない感動を与えてくれる。今だに現役のYESであるが30数年の歴史の中で見ても、これこそ究極のYESサウンドであり、最高傑作である。
・「不思議なことに」
この作品、タイトルトラック以外にはほとんど興味がないんです。いつも「危機」だけ聞いて、おしまいにしています。「危機」だけは、ヘッドホンで結構ボリューム上げて、お酒飲みながら聴いています。パソコンにも、「危機」しか取り込んでいません。
イエスはそんなに好きなバンドではないんだけど、でもなぜか「危機」と「ラウンドアバウト」は異常に好きです。
でも、実は最近、ひょっとしたら「シベリアン~」はいいかも、と思うようになりました。40もとっくに過ぎて、今頃イエスにハマるのか、もしかして?、と思いながら、このレビューを書いています。
こんな方って、あんまりいませんよね?
ちなみに、タイトルトラックだけで十分★5つあげられます。
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