・「本来の質が大分戻った作品」
2003年発表。前作「ウェイト・オブ・ザ・ワールド」でHRな部分を取り戻した彼らは、今作でクイーンやジャーニーを思い起こさせる巧みなメロディを取り戻した。前作が良くも悪くも一本調子にすーっと通して聴けてしまう感じだったのに対し、本作は起伏に富んだメロディラインが復活したことで、一枚通して変化を楽しむうちにいつのまにか終わりが来てしまうような「え?もう終わり?」という作りになっている。もっと長く聴いていたいと聴き手に思わせる彼らの作曲センス面が大分復調を見せている傑作といえる。今回もダレン・スミスがコーラスにしっかり参加してくれているのもいい。彼らの本来の能力に見合う作品に久しぶりに会えた気分にさせてもらった。
問題としては、作曲面とプロデュースの方向性で、ハリー/ピートの二頭制が崩れているのがわかる点がある。仲違いというわけではなく、ラバー時の軋轢のせいかハリー・ヘスの作曲能力に疲れがきているのだ。まるでデヴィッド・ペイチ(TOTO)のように。彼の繊細な作曲センスをよみがえらせるためにも、初期の80年代的なセンスをもっと素直に出したほうがよいのではないだろうか。そういうバンドの負担を減らす意味ではダレンには完全に復帰してもらうかソングライターとしても参加してもらうことも一考の余地ありという感想が残った。
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