・「個人的にはウィンウッドベスト」
この男臭く、大袈裟な感じは大好き。ソウルジャズ?ジャズロック?色が強い作品で、音はstevie wonderのinnervisionに比肩するドープさだと個人的には思っています。歌詞にやたら空をイメージさせる単語が並ぶB面が泣ける泣ける。
・「トラフィックのラスト・アルバム」
トラフィックのラスト・アルバム(74年9月発売)のリマスター盤。ボーナス・トラックはなし。前作からマッスル・ショールズ・リズム隊が抜け、ジム・キャパルディがドラムスに復帰、当時若干17歳のジャマイカ出身の黒人ベーシスト、ロスコ・ジーを加えた4人編成で74年6〜7月に録音。リーボップは2曲に参加していますが、たびたびのステージ上での奇行でクビ状態、クリス・ウッドは体調悪化でもはや演奏できるような状態ではなく、ジム・キャパルディもヴォーカリストとして歌える自分のソロ作の方にご執心で、彼らの協力を得ながらもほとんどスティーヴ・ウィンウッドの才能で出来上がったかのようなソロ・アルバム的な雰囲気が強い作品です。それでもバンド的なグルーヴ感は健在で、ウィンウッドの才気と創作意欲に、ロスコ・ジーのベース・プレイとキャパルディの献身的な貢献がうまく絡み合った結果、トラフィックのラストとして面目を保った仕上がりになっています。前作までの米南部的な泥臭さや英トラッド的要素はなくなり、都会的なソウル・ファンク的な演奏が多いのもこれまでのトラフィックの作品とは一線を画していますが、メロトロンをフィーチャーし、後半はキング・クリムゾンみたいな (2) 、フリーキーなシンセに実験的な試みが見える (3) など、新たなる展開も期待できる意欲的な曲もあり、ラストの (7) を含め、皆これが最後だとわかっているような独特の緊張感が漂っていて、聞き応えがあります。その緊張感とは対照的に、清涼感さえ漂うリラックスした名曲 (4) や (5) (6) などはこの後のウィンウッドのソロ・アルバムに入っていてもおかしくないような曲で、この辺りがソロ・アルバム的な雰囲気が強くしている原因なのでしょう。全米アルバム・チャート9位。ウィンウッドにとって本作での自信は後のソロ活動の布石となったはずです。
・「Traffic=Stevie Winwoodの達したいぶし銀の一作」
英国ロックの立役者の一人、Stevie WinwoodがTraffic名義で残したシブイ傑作。一見(いや一聴)淡々とした曲調の中にロック、トラッド、ジャズを緻密に織り込んだサウンドが秀逸、そしてあのソウルフルでいてクールなWinwoodのヴォーカルもマッチして、どの曲もキャッチ-な華やかさはないものの、飽きのこない作品です。
80年代後半からソロで大ヒットを飛ばし、グラミーなんかも取っているWinwoodですが、この当時はTrafficのリーダーとして、アクの強い連中(Dave MasonやJim Capaldi)に刺激されつつ独自のサウンドを醸し出してました。"Walking in the wind"、"Dream Gerald"なんか聴くと当時には早すぎた完成度だったのかもなどと今にして思う次第、古さを感じさせない彼特有の切れを感じさせてくれます。やはり彼は、R&Dの進行形に過ぎなかったロックを、飛躍的にジャズと並ぶ芸術にまで昇華させた天才の一人なのでしょう。ソロでの作品に馴染んでいる方にも是非聴いていただきたい一枚です。
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