・「究極の別れの音楽」
夕焼けが美しいのはね、太陽がみんなにさようならを言っているからなんだよ。でも、この音楽は午前中、それも春の初めの寒さが身も心も引き締めてくれるような季節がいい。親友を送り出すような、または最愛の彼女を何とか自分を納得させてあきらめる時のような、哀しみとそれでも矜持は保ち続けるプライド。長調の音楽のなんと悲しく、そしてなんと潔く凛々しいことか。親しいリコーダー吹きに「どんな曲が好き?」って聴いたときの答え「長調の曲に現れる短調の部分と短調の曲に現れる長調の部分」をなぜか思い出した。カントリーのパレのソロに励まされた、そしてそのソロの終わりに飛び込んで来るキース、感極まった最後のハグみたいだった。
・「一人で聞くのが最も良い」
カルテットなのですが、極めてキースのソロ的なニュアンス、つまり静謐で優しく、ロマンチシズムに溢れているというニュアンスが強い一枚です。
ケルンやブレゲンツ、ソロコンサート、パリコンサートを聞いてよかった、と思う人にはきっといいと思います。
やはり静かで、優しい音の流れを味わえます。
人と一緒に聞くのもいいのですが、私はやはり家族が寝静まった後にグラスを傾けて昔を思い出しながら聞くのが一番好きです。
・「It’s pure.」
キザなコピー風になぞらえれば、そんな感じでしょうか。北欧の空に清らかな音の粒子がオーロラのように舞っている。俗塵にまみれながらも、世界がしばし聖化されるような、そんな妄想が許されるような、得がたいサウンドの快楽をこのアルバムは教えてくれました。およそ20年前、大事なLPを人に進呈して以来、再度このアルバムを手にしました。鮮やかに時空が回帰するという、中高年ならではの楽しみの一つです。
・「Prettyの意味は」
英語でPrettyの意味はかわいいだけでなく、美しいを意味します。このアルバムに最も合う表現だと思います。締め付けるような鋭利で苦しい美しさではなく。抱きしめたくなる、柔らかで、おおらかな美しさ。ガルバレク独特のサックスの音は確かに氷のようにも聞こえますが、声変わり前の子供の声のようにも感じます。さらに、このリズム隊の楽しそうなグルーブ。聞いていてほほえみがこぼれることは請け合いです。17年ほど前、FM東京の夜11:15からのラジオドラマのタイトルがこのMySongでした。
・「ケルンと同様の輝き!」
Jan Garbarek(ts,ss)、Keith Jarrett(p)、Palle Danielsson(b)、Jon Christensen(d)のヨーロピアン・カルテットによるアルバムは、「Belonging(‘74)」「My Song(‘77)」「Personal Mountains(‘79)」「Nude Ants(‘79)」の4枚のみ。青空に突き抜ける北欧らしい清涼感は全てに横溢してるけれども、美しい旋律と穏やかな叙情性という点ではやはり「My Song」が出色の出来。 明るく爽やかな[1]に続いて Keith のピアノが[2]の愛らしいイントロダクションを奏で始めるときの幸福感はとても言葉にしがたく、それはまるで生後半年の幼子の安寧でスヤスヤとした寝顔が感じさせてくれる幸せのよう。[4]のサックスによる印象的なメロディは巣立っていく子供達に送るかのような初々しくも精一杯の励ましがあり、Charles Lloyd バンド時を髣髴させるリズミックな[6]にまた優しくピースフルな気持ちになる。現代に美を送り込み続ける Keith Jarrett 32歳時の傑作!
・「就寝前に聴くのが癖になります」
マイソングに収録されている表題作は、(10年以上前になりますが)深夜のFMラジオ(FM東京)でジェットストリームという番組のタイトル曲になっていました。そのため私などは、「気持ちよく眠りたい」ときには、ついこの曲を聴きたくなってしまいます。ただし、キースジャレットのスタンダーズシリーズやケルンコンサートが好きで、その路線を求める方にはお勧めはしません。同じように深夜番組のテーマ曲として使われていたブラジルのフュージョンバンド・アジムスなどを好む方には強くお勧めする次第です。
・「懐かしのキース・ジャレット」
キースも難解な作品が多いので、緊張を強いられるため、『ケルン・コンサート』以外は、あまり聴きません。
親しみやすいアルバムでは、この『マイ・ソング』が挙げられます。ケルンでの伝説のコンサートの後、彼が、北欧の名ミュージャンと録音したのが、この作品です。1977.11にオスロで録音し、ヤン・ガルバレク(サックス この人がとても雰囲気のあるあたたかい音を出しています)、パレ・ダニエルソン(ベース)、ヨン・クリステンセン(ドラムス)、の4人のクァルテットです。後の2人はあまり良いとは思えないのですが・・。
ポピュラー・ミュージックの雰囲気を漂わせますが、この時代はフュージョンが台頭しだした頃で、音楽的には、よりポップなものを目指していたのでしょう。後の「スタンダード」シリーズにつづくようです。
2曲目の「マイ・ソング」を休日の朝に聴くと、爽やかな風が部屋を駆け抜けるようで、一日がとても幸せな気分で始まります。透明感のあるピアノはキースそのものですが、ヨーロッパに行ったことで、きっと彼の人間性にも良い影響を与えたのでしょう。お薦めします。
・「このアルバムに出会えた幸せ」
基本的にすでにあるレビューに納得していれば、あえてレビューは入れないが、このアルバムは特別。ソロともトリオとも全く違うモチベーションはサックスとのコラボレーションによってもたらされた。キースのキャリアの中で特異なアルバムだが、この音世界はどこまでもやさしく、暖かく、美しい。
・「予定調和の世界に泣く」
キースジャレットのピアノが好きだ。あの自己の内心を洗いざらいぶちまけるような激しいスキャット。それと対照をなす延々と続く美しいメロディのミスマッチがジャズ的で素晴らしい。決して予定調和の世界に甘んじる愚を冒さない妥協のないジャズピアニストが彼だ。
だが、このマイソングのキースには心の竪線が揺すぶられないのだ。彼のピアノ自体の出来は、決して悪くはない。でもこの平和で予定調和的なムードの中ではどうしようなく栄えない。特にヤン・バレクの気の抜けたような甘ったるいサックスには萎える。本作はあのスタンダーズVolⅠ、Ⅱの録音から遡ること6年前の77年の録音だ。キースもまだ自己の音楽を確立する前には、こんなムード音楽をやっていたのか。
いや、これだけがどこか特別な作品なのかもしれない。やはり、スタンダーズのキースとそれ以外のキースとは分けて考えるべきなんだろう。ピーコックとデジョネットのスゥイングビートのないキースにはスリルが感じられない。これとイージーリスニングとの違いがどこにあるのか、正直言って私にはよく分からない。メロディ・アット・ナイト・ウイズ・ユーが好きでない人は、これに手を出さない方がいい。
・「My Song」
Keith Jarret の「MY SONG」は、Quartetteで、Soprano/Tenor SaxPhones(ヤン・ガルバレク)が入って、「Standards,Vol1.1」Base(Gary Peacock),Drums(Jack Dejohnete)の Silverな演奏や「The KOLN CONCERT 」のクリスタルなイメージとはやや異なり、冬の白銀の世界(銀界)に、明るいGoldが加わりほんの少しだけPopularなイメージのアルバムとなっている。このSoprano Saxは、このアルバムのレベルを大きく左右しているが、Piano(Keith)、Drums(Jon )等と共にHigh Levelに、Quartetteのmeaning、Senseを印象付けている。Recommendable Albumの1つと言って良いと思います。
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