ホワッツ・ニュー
ビル・エヴァンス・ウィズ・ジェレミー・スタイグ(アーティスト), ビル・エヴァンス(演奏), ジェレミー・スタイグ(演奏), エディ・ゴメス(演奏), マーティ・モレル(演奏)
・「ジェレミー・スタイグ(withビル・エバンス)という感じ」
ジェレミー・スタイグを聴くなら★★★★★ビル・エバンスを聴きたいなら★ 激しく吹きまくってるフルートに、エバンスのピアノが合っているようには聴こえません。触発されているのではなく、無理して合わせているかのようです。所謂“企画モノ”ですし、名盤どころか、エバンスのレコードとして考えるのもどうかと思ってしまうくらい違和感を感じます。
・「ピアノとフルートの激しいインタープレイが炸裂」
ビルエバンスとフルートの共演というと、どのような音を連想されますか。恐らくリリカルなピアノと美しい旋律のフルートとの破綻のない耽美的世界ではないでしょうか。Forget It! 違います、全く違うんです。フルートのジェレミースタイグというプレーヤーを本盤で初めて知りましたが、凄いです。何が凄いのかというと、フルートという楽器に対する一般常識が彼によって覆されてしまうからなんです。軟弱さのかけらすらない彼のパワフルなプレースタイルに脱帽するしかありません。言葉は悪いですがこれほど汚くフルートを吹けるのは彼だけ。フルートのチャーリーパーカーはスタイグで決まりと言える程のアグレシッブで斬新なプレーぶりなのです。彼のフルートの行き先は誰にも想像でない。不幸にも交通事故で顔の半分の神経を失ったらしいですが、彼独自の特別なマウスピースにより、この変則的なフルートプレイを編み出したようです。相対するエバンスも信じられないくらいバリバリとピアノを弾きまくります。あのリリカルなエバンスのプレースタイルをかなぐり捨てて、ハードボイルドなプレーに徹し、スタイグと渡り合う。どこかあのバドパウエルが取り憑いたかのような素早くて力強いタッチが横溢する。ベースのエディイゴメスが激しくフロントをプッシュし、ドラムスのマーティモレルが硬質なプレーで全体を締める。このピアノとフルートのアドリブデスマッチセッションはジャズと言う音楽の醍醐味、つまりインプロビーゼションの凄さを余すところなく伝えてくれる。トッテモマッチョナエバンスサンデス。
・「静と動のアラベスク」
ビル・エヴァンスのユニークな共演盤として人気のアルバムだが、ジェレミー・スタイグの激しいフルートがクールで端正なビル・エヴァンスを刺激してドライブ感あふれる見事なインタープレイを展開している。スタイグの参加はヴァイヴのデイブ・パイクが共演したパイクス・ピーク同様、白人同士ながら唸りを発するスピリチュアルなアドリブに満ち、エヴァンスの持つ静的な部分とアグレッシブな面がアラベスク文様のようなスリルと複雑さをかもす要因を作っている。ストレート・ノー・チェイサー、ソー・ホワット、枯葉などはとりわけアタックの効いた、激しさとスピード感に彩られ、方やラヴァー・マン、ホワッツ・ニュー、スパルタカス 愛のテーマのようなバラードの耽美的世界とのコントラストを見せてくれる。ややもするとトリオがマンネリした印象を与えがちなのに対して、時に試みられた異色の共演によって、エヴァンスの魅力は多方面に発散されたといえる。
・「ジェレミー・スタイグの父親というのは・・」
アメリカで、というより世界でもっとも有名な週刊誌の一つ「ニューヨーカー」は「エスクァイア」や「GQ」と同じく、音楽専門誌でないのにジャズについての質の高い評論を良くのせます。またこの雑誌は読み物だけでなく、表紙を始めとしたイラストもどれも素晴らしく、時々イラストだけの特集号が出たりします。で、何の話かというと、この雑誌専属のイラストレーターに昔、ウィリアム・スタイグという人がいて、線の優しい夢のあるイラストを描いていました。日本であまり有名な人でないのが残念ですが。そしてそう、このCDであのビル・エバンスと渡り合って丁々発止のフルートを吹いているジェレミーはその息子なのです。まあこれが父親のほんわかとした絵とは違って、実に骨太で尺八の山本邦山もビックリという多彩な音を出しているわけです。他のレビューアーの方々も書いているように、よくある「優しくて少しへなへなしたような」フルートのイメージがぶっ飛んでしまう演奏です。さて、このジェレミーが1964年にそのニューヨーカー専属のジャズ評論家のインタビューを受けたものがあって、これがなかなか興味深いのです。ビル・エバンスのトリオが出ているクラブに聴きに行ったら、エバンスの方からジェレミーに声をかけてきて一緒に演れ、といわれたそうです。それまでほとんど独学でフルートを学び、色々な場所で演奏していたジェレミーのことを、エバンスがどうやって知ったかは分かりませんが、エバンスが言うには自分はフルートが出来ないからお前演れ、みたいな感じだったそうで。というわけで、このフルートが入ったジャズアルバムで一二の人気を誇る演奏が生まれたのです。口から火を吹く勢いのジェレミーに影響されてか、エバンスもいつもの銀行員の雰囲気からがらっと変わって、たてがみを振り乱すライオンの感じです。お試しあれ。
・「ジェレミー・スタイグ最高」
ジャズのフルートについては「サックス・プレイヤーが持ち替えて吹く事が多い」「有名なのはHerbie MannとかFrank Wessぐらい」「いずれにしても上品すぎてパンチに欠ける」と思ってました。十数年前までは。 しかし、このアルバムを聴いてぶっ飛びました。とにかく、ジェレミー・スタイグがすごい。出したい音全てをフルートで出せないもどかしさの為でしょう、「吹き語り」とでも言いましょうか、吹きながら唸りまくってます。エヴァンスも(もともと耽美的になり過ぎずどこか冷めた鋭いピアノを弾く印象がありますが)ここではいつもと随分異なる切れまくりの鋭いピアノを弾いてます。とにかく素晴らしいアルバムです。欲を言えば、バラードよりも、一曲目のような激しいのをたくさんやって欲しかった・・・。 ちなみに、ジェレミー・スタイグは"Jeremy Steig First Album"ではもっと激しく切れてます。まだCDにはなってなさそうですが。あとEddie Gomezとやった2001年のライブ"What's New at F"もお勧めです。 ちなみに前に近所にライブしに来てたんですよ。なのに仕事で行けなかったんです。今でも悔やんでます。また来ないかな・・・・
・「尺八?」
初めて聴いたとき「あれっ、誰か尺八吹いてる?」とおもったらスタイグが激しく吹くフルートの音色だったんですね。 個人的にフルートの優しすぎる音色があまり好きでは無いので、本作のように強烈な音はすごく好きです。 それに答えるかの様にエヴァンスが珍しく激しいピアノプレイをしていてファンも違った魅力を感じるかも知れません。 ジャケットは何だかおとなしくて静かな雰囲気ですが、内容は激しく強烈。 奏者たちの気迫が伝わってきます。 フルートって言っても優しいばかりじゃないぜ!とスタイグに教えられた気がします。
・「フルートを吹きながら唸る男ジェレミーすたいぐ君」
初めて聴いたとき、曲の中でキースジャレット張りに唸っているいるのが聞こえて気になってショーがなかったんだけども、癖になるんですよねコレが。誰が唸ってるのかといえばフルートのジェレミースタイグ君じゃありませんか。器用だなあ。いっぺんに二つのこと同時にやるんだから。ピアニストが唸るのは手と口が別々だから、まあ
弾語りみたいなもんだけどフルート吹きながら唸るっていうのは練習しないとできないよなって一人ツッコミを入れたくなるそんなCDです。結構インパクトが有るし心に残りますよ。なんちゅーか緊張感があります。
・「Mainstream Jazz」
チックコリアとほぼ同年令なジェレミースタイグ(ジャズフルート奏者)とのセッションアルバム。バーブからの1969年もの。かなり古いけれども。スタイグの深い情感の発露や珍しくスタイグにインスパイヤーされて熱い演奏を繰り広げているエバンスが聞ける。ハービーマンとともにジャズフルートの有名どころ。ベースのエディーゴメス、ドラムのマーティーモレルも絶妙のサポート。フルートはややポップコンシャスな音色になりがちであるがこのアルバムでは優雅さと上品さとロマンテックなムードに満ちている。10点中8点
・「フルートの可能性」
まずソーホワットを聴いてください。この意外性にあふれた冒頭のアドリブソロ。はじめに聞いたときびっくりしたと同時にメロディーが頭の中を駆け巡り、聴き終わったあとには(10回は聴きました)そのメロディーを口ずさんでいました。フルートの表現の可能性を広げた偉大な演奏家。実際にお会いした事があるがとてもいいひとに見えました。今も錆びないフルートの音色。ストレートノ-チェイサ-や枯葉もおすすめです。
・「ハードボイルドなエヴァンスとフルート絶妙な取り組み」
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