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▼至上の愛:詳細

至上の愛

至上の愛
ジョン・コルトレーン(アーティスト), マッコイ・タイナー(演奏), ジミー・ギャリソン(演奏), エルヴィン・ジョーンズ(演奏)

▼クチコミ情報

・「名盤か???
コルトレーンは王貞治でソニー・ロリンズは長島茂雄だ。と言った男がいる。野球の興味がない人にはせんない話ではあるが言いえて妙である。「求道者」と「自然児」。そのコルトレーンが宗教がかって「愛」を説く。一世一代の名盤ということにジャズ界ではなっているが、ジャズ評論家にしてジャズ喫茶のオヤジの寺島靖国さんは「お経」と一蹴する。「名盤」なのか「お経」なのか。これほど、論議を呼ぶアルバムはめったにない。ただ一つ言えることは熱狂的なコルトレーン・ファンかそうとうのジャズ好き以外は聴かないほうがいいだろう。とくにジャズを聴き始めの人は、聴くと「ジャズ嫌い」になる恐れがある。コルトレーン・ファンの到達点のアルバムかも知れない。(松本敏之)

・「熱く流れるColtrane魂の音
重厚で宗教性に満ちたトータル・アルバムである。ジャズのディスクでも珍しく、際立った存在である。過去多くの人が魅せられ賛辞を送ったように、私もまたこのアルバムに魅せられる。

タイトルでも、Coltrane作のライナーノートでも解る様に、宗教性に満ちている。ライナーノートにはGodが溢れ、ジャケットのColtraneの表情もただならぬ雰囲気が漂う。確かに重厚で緊密な音楽であり、「a love supreme」と19回も唱和されるのは異色である。しかし宗教性が強くても、ジャズであり、サックスの音色を堪能できる音楽であり、十分に楽しめる。フリージャズよりも伝統的なジャズの匂いが強い。宗教性も、いわゆる教会音楽ではない。原始宗教に近く、力強さや土臭さが強い。こうした雰囲気から、ストラビンスキー『春の祭典』やベートーベンの交響曲との類似を感じる。トータルアルバムの雰囲気からは、ビートルズの『アビーロード』やマイルスの『A kind of Blue』を思い起こす。

私は何かに詰まっているとき、何かを始めようとしているとき、これらのアルバムを聴く。数十分間どっぷりと浸かると、心の中の何かが取れ、エネルギーに満ちる変化を受ける。軽く聴けるポップさもあるのだが、やはりのめり込んで聴くことをお勧めしたいアルバムである。

・「トレーンの代表的傑作
ジャズといえども、歴史を揺るがすような大傑作には、自然と体が揺れて口ずさみたくなるような曲は少ないと言われている。ルイの「ウェスト・エンド・ブルース」もオーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」もマイルスの「ビッチェズ」も、確かにそうだ。求道者トレーンが神への愛を告白したトータル・アルバムが、この「至上の愛」である。モダン・ジャズを代表する傑作でもあるが、やはり、スイングを聴くようにはうきうきする作品ではない。「マイ・フェイヴァリット・シングス」や「ブルー・トレイン」のような作品とも異なる。しかし、聴けば聴くほど味わい深い作品である。どうしても頭で理解しないと気がすまない、という人には、マイルスの「カインド・オブ・ブルー」で一冊の本を書いたAshley Kahn の " A Love Supreme: The Story of John Coltrane's Signature Album" を読むことを薦める。ペーパーバックで1,485円。安い買い物である。

・「神への小さな捧げもの
1964年12月9日録音。1967年7月17日、この2年半後にジョン・コルトレーンが死ぬなどと誰が予想できただろう。人の一生は分からないものだ。ただ不滅と言われた彼のカルテットもこのアルバムを最後に崩壊が始まる。1965年にはマッコイ・タイナーが退団、1966年にはエルビン・ジョーンズが退団する。そしてコルトレーンは死の最後の日まで変容を続けていく。そういう意味で本作は不滅の(とは言ってもわずか3年間の)コルトレーン・カルテットの最後のアルバムである。

コルトレーンはこのアルバムを『神への小さな捧げもの』と呼んだ。インド哲学に傾倒し、世界のあらゆる宗教に入り込んでいくコルトレーンは、自らの音楽追及と分かちがたくなる。そしてある時、突然身体の内部に音楽が充満するという不思議な体験をする。これが至上の存在への献曲への制作につながったのだ。制作にあたってはカバラの本の知識が使われたと言われている。

『ア・ラブ・シュプリーム』というフレーズは19回繰り返される。1は孤独であり、9は宇宙である。すなわち19は宇宙を前にした一人の創造的な人間を意味する。さらには、1と9を足した10は神の顕現を示していると言われている。この宗教と一体化したコルトレーンにマッコイ・タイナーとエルヴィン・ジョーンズは離れ、ファラオ・サンダースは引き寄せられる。その世界観を『不滅』のカルテットで表現しえた最後のアルバムである。

・「コルトレーンの最高傑作 比類なき構成と荘厳
数あるコルトレーンのアルバムの中で、最も完成度が高く彼の精神性を象徴した作品を選ぶとなるとこの作品しかないであろう。コルトレーンの固体進化論で言えば、55年のマイルスとの出会いによるマラソンセッションをはじめとする一連の吹き込み。57年の一時解散によるモンクとの出会いとブルー・トレイン、58年のソウル・トレインという成果。同年にマイルスの元に戻ってからのモードの追求。ここではもちろん59年のカインド・オブ・ブルーが一つの成果となる。独立後のアトランティックでのジャイアント・ステップスという最初の頂点。インパルス移籍とこのアルバムでの最大の頂点。その後、アセンションに見られるニュー・ジャズへの移行と晩年のスピリチュアルな演奏。そして67年に早すぎる死が訪れるわけだが、こうした求道的ともいえる彼の短期間での成長と完成を見るにつけなんだかつらくなってくる。それゆえヒューマンなコルトレーンが伝わってくるバードランドでのライブ、さらにバラードやジョニー・ハートマンとの共演が、愛されているのにはそれなりの理由があってのことだろう。正直な話、僕自身最も好きなコルトレーンのアルバムは別にある。しかし、たとえ辛くとも、我々はコルトレーンの業績と精神性の高さを直視しなければならない。そして、掛け値なしにすばらしい彼の最高傑作「至上の愛」を時に耳にしなければならない。内容への多言は要しない。比類なき構成と荘厳な精神の発露がここにあるのだから。

・「神に捧げたコルトレーンの賛美歌。
 理想の音楽を求め、厳格なまでの探求を自己に課してきたコルトレーン・サウンドの一つの極みであり、この後フリーな展開を見せる後期の起点ともなった60年代中期の傑作。また60年代前期から続く「至高のクヮルテット」と呼ばれた彼らの演奏の到達点であり、「承認」「決意」「追求」「賛美」という4つのパートからなる組曲的な構成はジャズ史上、最も彫刻的な完成美を誇る作品だ。 コルトレーン流ファンファーレともいえる①の出だしから終焉まで荘厳なまでの音曼荼羅が繰り広げられる。大海の如く世界を美しく彩るマッコイ・タイナーのピアノ。エルヴィン・ジョーンズが軽やかにビートを散らすのは、まるで夜空に瞬く幾千もの星のよう。冬の空気のような静けさを予感させるジミー・ギャリソンのベースが緊張感を高める。そして神の啓示、疾風の如く、コルトレーンがそこにテナー・サックスを吹き込む。 とかく難解だと言われがちな本作および後期の作品だが、それはあまりに一つ一つの音を熱心に聴きすぎるからではないかと思う。ミニマムなものに目がいきがちな日本人の気質からくる鑑賞法の誤謬だろう。桜の木全体を見回すように、宇宙(そら)全体を眺め渡すように、調和された音世界をそのまま浴びればよい。 一人一人の職人技に聴き惚れるのはその後からだ。全体から個を、個から全体を。そうすれば一層深みが増すはずである。 スイングジャーナル誌選定ゴールドディスク。

・「至上
ジョン・コルトレーンが高い完成度でいってしまっているアルバム。やはり私はこれがコルトレーンの代表作だと思う。教科書のようなジャズではないが、魂が浮き出ており、心を大きく揺り動かす演奏だと思う。是非大音量で聞いていただきたい。この方向でこれ以上のアルバムはこれからも出ないだろうし、2枚あっても困るというアルバム。

ジャズ界の「フルトヴェングラー/バイロイト祝祭管弦楽団 ベートーヴェン 第九(1951年)」だ。

至上の愛
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