・「イエス風サイケ・ポップ?は失礼か・・・」
69年発表の1st。6.はビートルズ、2.がバーズのカヴァーと何となく初期ディープ・パープルの作品とイメージが被る内容。CSN直系のコーラスとハードなギターを生かしたサイケ・ポップよりのサウンドを聞かせている。言うまでもなく本作には後に発揮されるプログレとしての魅力は薄い。しかしながら演奏、曲などは他の凡庸なサイケ系のグループとは一線を画しており、イエスと思わなければかなり楽しめる内容だと思う。1.は前述のようにモロにCSN風。2.ではピーターのジャズっぽいギターとブラフォードのドラムスがなかなか聞かせる。3.はメランコリックなメロディが美しいフォーク作。シンプルなアレンジが素晴しく、初期の名曲と言っても良いだろう。4.はトニーのオルガンが大活躍する従来のイエスに近い曲。6.はピーターのハードなギターとブラフォードの激しいドラミングからトニーのオルガンへ移行するドラマティックなアレンジがされているが、ヴォーカルが入るといたって普通。7.は美しいメロディとコーラスが聞かれるサイケ・フォークの佳曲。こういう曲が入っているからこの作品は無視できないのだ。
・「しっかり“ロック”しています」
プログレッシブロックとして語られる3rd以降よりは、まだぐっと“ロック”しているアルバム。それでいながら、同世代のブリティッシュロックバンドのどれよりも、音には構築性が感じられる。スティーブ・ハウ、リック・ウェイクマンらの凄腕メンバーが加入する前なので、けっこう素朴な温かみがあり、トニー・ケイのキーボードワークは技巧的というよりは叙情的に響く。歌メロや美しいコーラスハーモニーには、後の黄金期の萌芽が見られ、この年代のデビュー作としては、クリムゾンの「宮殿」と同様突出したクオリティだ。2003年リマスター。シングルやデモバージョンなどボーナス6曲収録。
・「イエスの記念すべきデビュー・アルバム!」
1969年に発表されたデビュー・アルバムが”ニュー・スタンダード・リマスター・コレクション”としてライノ・レーベル制作、ビル・イングロット監修で再発されました。発表当時は「プログレッシブ・ロック」という言葉もない頃でしたが、イエスはクリームの解散コンサートの前座を務めたり、米アトランティック・レコードと直接契約(イギリスのグループがアメリカのレーベルと直接契約するのは当時は珍しかった)したりと、当時のイギリスではかなり期待されたグループでした。音的には、トニー・ケイのオルガンとピーター・バンクスのギターが前面に打ち出されており、俗に言う「イエスの音」とは若干違いますが、クリス・スクワイアとビル・ブルフォードのリズム・セクションとジョン・アンダーソンを中心とするボーカル/コーラスは健在です。このアルバムは6曲も未発表音源が追加され、バージョン違いによる聞き比べも可能ですので”お買い得”だと思います。以上
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