・「'66盤に次ぐ、素晴しき演奏!」
素晴しい演奏である。「惑星」の初演者であるとか、5回も録音しているとかの先入観を抜きにして、名演奏である。
・「私の耳がおかしいと確信した1枚」
この演奏はやれ重厚だやれ骨太だと称されていますが、演奏時間で見れば、カラヤン、小澤、オーマンディなどよりも実際には速い。その原因は緩楽章の異常な速さです。「火星」をはじめとする急楽章が遅いだけならばいいとして、これはどういうことでしょう。特に「金星」と「海王星」は、スタインバーグとほぼ同じ速さです。他の一般的な解釈に対して急楽章と緩楽章の捉え方が正反対となると、正直に申し上げますと、私はボールトが天邪鬼であるように思いました。
また、この演奏は音量の大小の落差が最も大きい。「火星」の最後がうるさくならない程度の音量で聴くと、「海王星」はほとんど何も聞こえません。ダイナミック・レンジは大きい方がいいと考える方も大勢いらっしゃいます。が、一般的な住環境では満足な音量で鑑賞するのは難しいでしょう。この点、私はメータやプレヴィンのような穏健さに有り難味を覚えます。
ボールトは作曲者自身と親交がありこの曲の初指揮者ですから、彼の演奏が悪いとは私も決して思っておりません。多分私の耳がおかしいのでしょう。しかし、このように感じた人も中にはいるのだということを、頭の片隅にでも覚えていただければ幸いです。
・「ボールトの誇りと確信の演奏!!」
組曲惑星を知ったのは、中1の時富田勲のシンセサイザー盤を確か授業で聴いて衝撃をうけたのがきっかけです。(YMOで松武さんを知ったのも同じ時期です)実は、オーケストラでの惑星を聴いたのはその15年後です・・・・・。きっかけは、忘れましたが多分YMOの再結成だったように思います。で、ボールトとデュトワ版を購入しました。当時は、演奏の違い、指揮者の思想まで考えずきいていましたが、何度か聴きなおすとどちらも素晴らしいですが、惑星はやはりボールトだと感じました、作曲者のホルストと祖国が同じである事の誇りと確信!!火星の圧倒的なリズム木星の心地良さ!!飽きません。カラヤンのBPO版も聴いてみましたが何か平板で物足りない感じがします。もちろんアンサンブルはさすがですが・・・。聞き比べるとクラッシクに疎い私でも、ボールトの惑星の素晴らしさは伝わります。演奏のスタイルも控えめなのに重厚さと繊細さを操る手腕は驚異的です!!ボールト自信も特別な事はしていないと答えています。さすが英国紳士!!聴きなおして大ファンになりましたが、残念ながら、すでに故人なので生の演奏は聴く事はできませんが、音源を集めようと思っています。クラッシク特に管弦楽に興味がある方は、必聴でしょう!!もちろんクラッシクが苦手な方にもお勧めです!!後、メータ指揮のも良いです。スター・ウォーズのカップリングでこの価格はすごくお買い得!!損はないです。
・「この曲の初演者による、知と情のバランスの取れた、この曲の模範的な名演奏」
平原綾香の「ジュピター」や、例の冥王星騒ぎで、すっかり超有名曲になってしまった感があるこの「惑星」は、曲によって、多少の出来不出来を感じる組曲ではあるものの、オーケストラ音楽愛好家にとって、欠かすことのできない名曲の一つであることは、疑いのないところだろう。
「惑星」は、聴き映えのする曲だけに、どの演奏でも、それなりに聴けてしまうところもあるのだが、その中でも、特に名盤としての評価の高い、デュトワ指揮モントリオール響盤、ボールト指揮ロンドン・フィル盤、レヴァイン指揮シカゴ響盤を聴き比べてみた。
この組曲は、特に、「火星」、「木星」、「天王星」といった曲が、華麗でスペクタキュラーなオーケストラ・ピースとして、最も聴き応えがあるのだが、こうした曲への三者三様のアプローチ法を聴いていると、その違いが一目瞭然となる。
まず、最も気持ち良く、度肝を抜くほどに豪快に鳴らしているのが、レヴァインだ。まさに、楽天派レヴァインの面目躍如といったところで、この組曲なら、これくらい鳴らしてもいいかなとも思う反面、さすがに、最強音のトゥッティは、うるさ過ぎて、耳障りに感じてしまうところがあるのも事実だ。
デュトワは、冒頭の「火星」では、迫力とスケールも十分で、開放と抑制のバランスが取れた洗練された演奏と思わせるのだが、聴き進むにしたがって、持ち前の洗練さが勝ってくるようで、全体的に、抑制を利かせ過ぎで、レヴァインとは逆に、もっと気持ち良く鳴らしてほしいと思ってしまうところがある。
両者の中間を行くのが、この曲の初演者でもあるボールトだ。中間といっても、どっち付かずというわけではなく、レヴァインほどやり過ぎておらず、かといって、デュトワほど抑え過ぎてもいないという、丁度、程よい加減の迫力とスケールの演奏であり、まずは、知と情のバランスが取れた、この曲の模範的な演奏といっていいのではないだろうか。
・「冥王星、惑星除外!良かったの?」
遂に冥王星が惑星を除外されてしまいました!‥つい最近、作曲家が作曲しなかった「冥王星」を作曲し、完全版の「惑星」が発売されたばかりなのに!‥これでホルストは地球を除く太陽系の惑星を全て作曲した事に!‥本当にこれで良かったのか?発見から76年経ってから惑星除外されてしまうなんて?‥「冥王星」が含まれてなくても「惑星」は名曲です!今聴いても超モダンなこの作品!発表当時、聴衆の耳にはどういう風に聴こえたのか‥考えると興味深いですね‥。「惑星」の録音といったらボールトの演奏につきます!何度となく録音してますが、それぞれ長所、短所もありますが、トータル的にはこの最後の録音がボールトのベストでしょうか? 作曲家の自演では恐ろしくテンポが速い「火星」も、ボールトのこの演奏では悟りきった様な悠揚迫らぬゆっくりとした遅いテンポで始まり、全曲の聴きどころ「木星」でもテンポを抑えて充実した演奏が展開されます!‥まさに、この年齢(90歳近く!)にあっての至芸か!‥全く他の若々しい録音を(レヴァイン等‥)圧倒する抑制されたリズムとテンポ!‥円熟の至境と言えるでしょう!この貫禄には脱帽!さすがに初演者!‥「惑星」を聴くならボールトを選んで間違いなし!これ常識!(笑)
・「ボールトならではの「凄み」」
「惑星」は、同曲の熟練者ボールトならではの重厚で説得力のある解釈が見事です。楽譜の指示に無いテンポの揺れが多く見られますが、揺らし方が絶妙であざとさを感じさせません。メータ&ロス・フィルや、レヴァイン&シカゴ交響楽団の録音がスペクタクルな演奏として知られていますが、それとはまた違った、重量級のスペクタクルといえましょう。これほど「凄み」のある演奏は他にあるのでしょうか。 一方、「エニグマ」は、テンポの遅い部分での歌い方が見事です。あっさり過ぎず、ベタベタに歌いすぎず、格調高く歌い上げます。特に、壮大な第9変奏「ニムロッド」の有名な旋律は感動的。ただし、エニグマに関しては録音が平板で不明瞭なので、音質を重視する人は避けたほうがいいでしょう。
・「これが、惑星なんだ、と教えつけられました」
指揮者の解釈によって、同じ楽譜でも表現が違うことをまざまざと教えていただくことが出来る、そんな演奏ですね。いろんな評者の方が、「「惑星」は、ボールト」と仰る意味を知りたくて拝聴しましたが、まさにその通り、というのが率直な感想です。荘厳さ、迫力、永年練り続けられたからこその解釈、タクト、ですね。素晴らしいの一言でした。
なお、筆者に届いたCDだけなのか、曲順が違います。まずは「エニグマ」、そして「惑星」です。曲順なんて、関係ないかもしれませんが、一応ご参考までに。
・「Sir Adrian Boultについて」
彼は1889年の生まれです。そして、この「惑星」の初のタクトを振ったのが1918年、つまり29歳の時になります。そしてこの五度目、最後の録音が1978年です。ボールト89歳!の時の録音となります。 まあ、その年で、よくぞこのリズム感の要求される「惑星」を振ったものだと驚いてしまいますが、カラヤン指揮のものよりずっとリズム的にも精彩に富んだものであることは特筆すべきでしょう。 初演してからの60年、ずっとボールトはこの曲の演奏について考え続けてきたのではないでしょうか。そして、この結果、作曲者の意図に反したとしても、説得力のある(たとえば、マーラーとその弟子ワルターの演奏もかなり違ったものだといわれています)ものになったのではないか、と思います。オーケストラもその指揮者の意気に答えて、普段の実力以上のものを出しているように思います。お国ものということもあるのでしょう。 この曲を聴くならまず第一に指を屈しなければならない演奏です。
・「本家本元の重みのある演奏」
実は、今まで惑星は、小澤とかカラヤンのもの(+N響とか、アマチュア)しか知りませんでした。そこへ、本当はこんな演奏があるのを知り、ボールト盤を買ってみました。すでに知っている惑星とはひと味違う、重みのある演奏が、迫ってきた時、この曲の原点を初めて知った気がします。小澤やカラヤンのテクニックもいいけれど、ボールトの骨太な演奏は、この曲を世に知らしめたものとして、歴史の重みを感じさせてくれます。
・「2回買い直した名盤」
私が吹奏楽をやっていた高校生の頃、惑星といえばカラヤン/BPO。通ぶって、天邪鬼でこのボールトのLPを買いました。しかしまぁ、それはそれは見事な演奏で、皆に宣伝しまくったのを思い出します。その後、当時としては廉価の\2,800でCD化された時もすぐに買い直し、本art盤が出てまた買い直し・・・art盤は音質が向上しているのに感激。特に「火星」「天王星」での遅テンポによる凄絶な迫力が最高です。
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