・「オリジナル・メンバーでのラスト作。名曲ルナシーはぜひ聞いてほしい」
76年発表の4作目。オリジナル・メンバーによる最後の作品であり、本作をもってベースのダグ・ファーガスンが脱退する。本作はムーグのシンセが全編で大活躍しており、あの暖かみのある不器用な音色を楽しむには最適だと思う。またオルガンのプレイは特筆ものであり、エレピのプレイなどを含めて鍵盤関係は特に聞き応えがあると思う。作品としては地味なポジションになりそうだが、彼ららしい高水準の楽曲が揃っている。1.の現代音楽的な響きを持ったシンセを中心としたインストは聞き物。キャメルらしいトーンは保ってはいるものの、かなりエキセンントリックで刺激的なサウンドを出している。2.ではメランコリックな演奏にアンドリューの美しいフルートが絡み、直後に物憂気なヴォーカルが登場するキャメルらしい佳曲。この流れはなかなか素晴しい。3.はムーグとハモるギターの音色が美しいインスト曲。キャメルらしいフュージョンっぽい曲であり、この曲のオルガンのソロはキャメルのオルガン・プレイの中でも一、二位を争う出来だと思う。5.は哀感溢れるアンディのヴォーカルが素晴しい曲。プログレを強く意識した複雑な展開はこの時期のキャメルならでは。やはりピーターのオルガンが光っている。6.はピアノをバックに演奏されるフルートによるイントロが素晴しい。ちょっぴり演歌っぽいメロディと変則的なリズムはクリムゾンのファンなら直撃級。ソリーナ?っぽいストリング・マシンの音色も感動的。7.はスティーヴ・ハケットならば「スペクトラル・モーニング」的位置にあるキャメルのインスト曲の代表作の一つ。アンドリューの素晴しいギター・ソロが満喫出来る名曲である。
・「冬に聴くべき音楽」
「冬の夜、'"Moonmadness/Camel"を聴くことは異常な体験だ」。これは学生時代、友人宛に書いた手紙のマニフェストの常套句だった。Camelといえば「The Snow Goose」ばかりが激賛され、次いで出たこの作品の評価はあまり高くない。が、私は、この作品こそがCamel の真骨頂だと思っている。特にラストの「Luna Sea」は彼らの最高作と信じていて、ピーター・バーデンスが演奏するシンセサイザーの冷たい音が月の荒涼感を見事に表現している。冬の夜、照明を落とした暖かい部屋で、紅茶など啜りながら聴くべし。隣に愛する人がいれば言うこと無し。6曲目の「Air born(ゆるやかな飛行)」をこよなく愛した女性を私は知っている。惠子・・・・
・「「The Snow Goose」と並ぶ名盤。」
名作コンセプトアルバム「The Snow Goose」でその地位を不動のものとした彼らが余裕を持って制作した4thアルバム。「Mirage」のような荒々しさに前作のような滑らかな感覚でかぶせた本作はファンの間からも人気が高く、前作と共に最高傑作と呼べる作品だ。名曲揃いの本作であるが、その中でも特筆すべきは最終曲「Lunar Sea」。7拍子の疾走が印象的で、本当に月面の湖の上を飛んでいるかのような感覚を味わうことができる。ドラマーのワードが作曲していて、彼のセンスをうかがわせる。プログレファンは勿論のこと、70年代のロックファンは是非とも聴いてほしい一枚だ。
・「間違いなくキャメル最高のアルバム」
キャメルの・・・。と云うよりアルバムとしての完成度では秀逸である。個人的には6曲目の"Air Born"が最高に気に入っているが、邦題は「ゆるやかな飛行」で、珍しく?ピッタリはまってくる。全体を通してファンタジックでムディーなトーンで覆われており、女性が聞いてもかなりしっくりくるのではないだろうか。アナログレコードに入っていなかった?8曲目以降のボーナストラックもファンならば喜ばれる。ただ1点残念なのは、CD化されたことによってか、低域と中高域のバランスが狂ったようで、アナログ盤にみられた包み込まれるような、やわらかく芳醇な低域がスポイルされてしまったことだ。全体的にレンジが狭くなった感じで時代に逆行する思いだ。キャメルを分からない人間がCD化したのかは知る由も無いがこういった手抜きのCD化は非常に残念だ。
・「美しいロック~おとぎ話やRPGのような音世界」
まるでロールプレイングゲームのテーマ曲のようなオープニングから、最後まで、とても美しく、ファンタジックな雰囲気のアルバムです。アルバム全編に渡って大々的にフューチュアされているキーボードはとても美しく、ギターも適度に湿り気を帯びた繊細なサウンドでとても良い感じです。エフェクトがかかったようなヴォーカルもひとつの楽器のような使われ方をしており、上手く楽曲に溶け込んでいます。またフルートが非常に効果的に使われており、このアルバムの魅力を増すことに貢献しているように思います。
ジャンル的にはプログレの部類に入るのかもしれませんが、どの曲もメロディが非常に美しく、とても聴きやすいので、普段そういった音楽に馴染みのない人でも、それほど身構える必要はないかと思います。 ブリティッシュロックならではの、美しく、気品に満ち溢れた音楽です。
・「楽曲と演奏は良い」
Camelのアルバムとしては、ボーナストラックは別として、オリジナルナンバーにはクズ曲がなく(ボーナストラックも曲が悪いわけではなく、資料としては意味がある)、演奏も良く、曲の配列も良い。曲の良さということで考えると、Rain DancesやBreathlessよりも良いと言える。しかし、個人的意見では、やはりこのアルバムではアンディ・ラティマーのヴォーカルが弱点となっていると思う。彼の声はこもり気味で聞きづらいのだが、このアルバムでは録音のせいもあるのか、特に悪い。Song within a Songなど、A Live Recordのリチャード・シンクレア版と比べれば雲泥の差となっている。曲と演奏が良いだけに、惜しいと思う。ラティマー氏の声が好きな人は別ですが。
・「Peter Bardensよ永遠に」
昨年、Peter Bardensがこの世を去った。ちょうどこのアルバムをはじめとするCAMELの一連のリマスター盤の発売を前にしてのことで、ショックは大きかった。特に思い入れの深いこのアルバムでの彼のキーボードプレイは、Andy Latimerの独壇場を許さず、確固としたポジションをキープしている。
このアルバムほどサウンドとジャケットが一致するものも珍しい。淡い夢み心地の色合いそのままに展開する幻想的なサウンドは、ブリティッシュ・プログレと呼ばれるジャンルの中でもGENESISやフランスのTai Phongをまぜ合わせたような浮遊感に溢れている。傑作である。
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