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▼アセンション(エディションI・II):詳細

アセンション(エディションI・II)

アセンション(エディションI・II)
ジョン・コルトレーン(アーティスト), フレディ・ハバード(演奏), デューイ・ジョンソン(演奏), ジョン・チカイ(演奏), マリオン・ブラウン(演奏), ファラオ・サンダース(演奏), アーチー・シェップ(演奏), マッコイ・タイナー(演奏), ジミー・ギャリソン(演奏), アート・デイヴィス(演奏)

▼クチコミ情報

・「集団即興音楽という形の壮絶なバトル
1965年6月28日に録音された壮絶な集団音楽。コルトレーンは前年の1964年あたりから「黄金のカルテット」というフォーマットに行き詰まりを感じ始めていましたが、それは翌65年に行われたバリ・アンティーヴのライブと同年9月のシアトルでのライブにおいて顕著なものになります。結局、パリではエルヴィン・ジョーンズが途中でステージを放棄し、シアトルを最後にマッコイ・タイナーとジョーンズがついにグループを去る事態になります。6月にレコーディングされたこの作品は、まさにカルテット崩壊への導火線的な役割を担っています。

コルトレーン1人に対して即興で戦いを挑んでいるのは、レギュラーメンバーに加えて、フレディ・ハバード、デューイ・ジョンソン、ジョン・チカイ、マリオン・ブラウン、ファラオ・サンダーズ、アーチー・シェップ、アート・デイヴィスの総勢10名。やかましい、難解、わけがわからない…などという評価が巻き起こったこの問題作ですが、個人的にはコルトレーン1人と10人のミュージシャンによる壮絶なバトルだと考えています。息詰まるようなインプロヴィゼーションの応酬とエゴのぶつかり合い、そして聴き終わったあとに感じられる奇妙な静寂。2年後の死去を意識してしまうと、それは後追いの強みであり、また弱みでもありますが、コルトレーンがどんな気概をもって、このレコーディングに臨んだか大変興味深いところがあります。

CDでは「コンプリートエディション」として「エディション1」と「エディション2」が収録されています。アナログでは当初、「エディション1」が収められましたが、なぜだか「エディション2」に差し替えられてしまいます。したがって「エディション1」は長い間お蔵入りになっていました。この「コンプリートエディション」で、この壮絶なバトルの全貌を知ることができるわけですが、なぜ1から2に差し替えられたのか、1のどこが気に入らなかったのかは、いまとなっては永遠の謎です。でも、そんなことはどうでもいいです。ただ目を閉じて音の嵐に身を任せることで、少しばかりの「合法的な精神世界へのトリップ」を楽しんでください。

・「意外に構成的
初めは 「ぐちゃぐちゃなフリー」というイメージが残るかもしれないが 何回か聴いてみると意外に構成的だな感じると思う。

本当にぐちゃぐちゃなのは 各メンバーのソロの間のテーマ? だけのような印象。

テーマ冒頭の音列が合っている時点で 完全なフリーじゃない事がわかる。

誰かのサックス(コルトレーン?)がフラジオ気味になったのを合図に? みんなが奇声化する。

そして順番にソロ回し。

ファラオ・サンダースの 後期コルトレーンのエッセンスを凝縮させたようなソロ。 (彼の事を下手だと思っている人もいるかもしれませんが、 そんなことはない)

他のサックス陣のソロも個性的で気合いはいってます (エディション2での巻舌系ソロは物凄い)

コルトレーンのソロも凄いの一言。

一方トランペッタ−陣のソロはふたつともテクニカル。 キー、コード、スケールとかいった次元を超越して 指の赴くままに吹きまくってます。

マッコイ・タイナーのピアノはいつもの路線という感じです ちょっとしたブレイクタイム。

ベースのボウイングもなかなか。

エルヴィンは各ソロに対応して 適格なバッキングをしている。 ソロとのフィードバック。 (むちゃくちゃなソロに怒って反撃した  みたいな事を書いている評論家も多いが、  自分にはそうは感じない)

エディション2の方が全体的にやはり激し目

・「フリーへの突入
1965年6月28日録音。白地にソプラノ・サックスを持つコルトレーン。僕が一番好きなコルトレーンのジャケットだ(●^o^●)。このアルバムではっきりとコルトレーンはフリーヘと突入する。2トランペット、5サックス、ピアノ、2ベース、ドラムスで構成されたこのソノリティははっきりと新しい音楽を目指して組成されている。そしてはっきりと即興だけでできている。コルトレーンは死のその一瞬まで一度として同じであろうとしなかった。コルトレーンは一瞬一瞬の自分を否定し、次の自分へと前進し、その自分を叉否定し前進していった。そしてその死まであとわずか2年である。医者嫌いで有名であったコルトレーンは決して医者にかかろうとはしなかったそうである。おそらくは近づく死の予感が彼にこの立ち止まらない変容を求めたのかも知れない。

・「フリーだがデタラメではない
アセンションは、個人的には素晴らしい作品だとは思っていますが、もろにフリージャズなので、人によって相当好みが分かれると思います。2曲、というか2つのセッションで、1曲目は、メンバー全員が闇雲に叫びまくっている感じで、2曲目は、1曲目に比べれば、多少はまとまっていますが、根本は同じです。

ただ、推測ですが、コルトレーンがキューでも出して、おおまかな場面展開を指揮整理しているようにも聴こえますので、手のつけられない混沌に陥っているわけではありません。

頭もしっぽもない音楽です。何らかの構成が感じられないと落ち着かない人には、苦痛でしかないでしょう。

とはいえ、ある意味で調和は取れています。フリーといっても、まったく全員が思考停止の無茶苦茶では、しまらない下品な音になってしまうでしょうが、アセンションでは、高圧電流のような緊張感が失われることなく、不思議な統一感が保たれている。各プレイヤーが見せる瞬間瞬間のひらめきは、おきまりのツーファイブなんかのアドリブ大会では味わえないスリルがあります。全員ものすごい力量の持ち主なんですねえ。特に、ドラムのエルヴィン・ジョーンズのプレイは、凄すぎる!

しかして、このセッションの異様な緊張感は、参加したプレイヤーが、すごく緊張していたからではないかと思います。みんな余裕がなく、パンパンの状態で演奏しているように聴こえます。後でヘトヘトになっちゃったんじゃないかなあ。

毎日聴けといわれればつらいものがありますが、面白い作品であることに違いはありません。万人向きではないので3つ星にしておきました。

アセンション(エディションI・II)
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