・「最高傑作?どうだろう。」
79年発表の本作は狂気と並ぶフロイドの最高傑作と言われる。 しかし、僕はそうは思わない。このアルバムは確かに「Comfortably Numb」などの光る曲も多いのだが、70年代フロイドが持っていた独特の浮遊感が完全に消えてしまっていて(個人的にアニマルズにはまだそれが少しは残っていたと思う。)、言い方は悪いが「普通のロック」になってしまった気がする。やはりフロイドはリック・ライトの存在が大きかったと思う。 また絶賛されているこのコンセプトもThe WhoのTommyやGenesisの眩惑のブロードウェイ等で既に用いられていたものなのではないか。「Another Brick in the Wall」等はロジャーが歌うからこそ重く感じるが。 ただ、「Comfortably Numb」におけるギルモアのギターソロは本当に素晴らしい。彼のキャリアの中でも一、二を争うだろう。この曲だけでもこのアルバムは価値がある。そういえばとある外国のサイトでギターソロ100選というコーナーがあり、あの「天国の階段」を抜いて、この曲が一位になっていた。
・「狂気と並ぶ最高傑作」
私が思うに、シド・バレットがセカンドアルバム迄残って居たら、神秘、原子心母、エコーズ、狂気、も生まれなかったでしょう。 狂気、無くしてTHE WALLも、また生まれなかったと思う、THE WALLは、PINK FLOYDの全勢力を注ぎ込んだアルバム、80-81LIVE盤を聞けば尚わかります。
・「一人歩き」
80年、中学の同級生であった上野君に借りたこのアルバムが、ボクが、音楽を難しく聴く様になった初めてのアレでした。某レコード雑誌のCBSソニー新譜宣伝欄に、JourneyのDepartureとBoz ScaggsのMiddle Manと並んでThe Wallが仲良く(?)並んで出ていたのを思い出す。借りたアルバムを、先ずは当時最高級・最高峰テープであるフェリクロームのSony−DUAD 90分にダビングし聴きまくった挙句、やはりジャケツを見ながらあの墨字のような素敵な歌詞を愛でつつ読解したいという切なる想いを達成すべく、それ以降、いつも輸入盤を購入する際にはお世話になった新星堂でアメリカ盤を購入したのであった。邦盤とは違うあの匂い。薄いラッピングフィルムを通して香る特殊インクなのだろうか、何かを予感させる刺激臭と、In The Flesh?から始まる長い物語が絡み合う俺のプログレッシブであり且つ、結果的にオルターナティブな出会いであり、始まりなのでした。(何が言いたいのか分かんねぇっ)その後、何時だったか、VHSで劇場用映画版The Wall(ボブ・ゲルドフ主演)を購入したのは言うまでも無い。The Wallから始まった所謂、プログレ遍歴はその後、ブリモノ(いぎりす)、イタモノ(いたりあ)やスペモノ(すぺいん)などに行きつ戻りつ、結果、Pink Floydでもなく、“THE WALL”に回帰するのであった。Pink Floydの歴史の中でこれ以上のアルバムは結局、出ていない。79年以降、Pink Floydの手を離れ、“THE WALL”自身が独自の世界を構築し、俺を魅了し、または、時に苛んだ。まぁ、とにかく、すげぇアルバムなんで、聴いてみてよ。サウンドエフェクトやプロセスの組み方はチョー高度・ハイレベルなんで、そういった方面の方々も参考になると思うしーっ。合掌
・「歴史的傑作」
歴史的傑作。発表当時中学生だった自分は、当時全米チャートN0.1になった「アナザーブリックインザウォールパート2」の歌詞内容を対訳で知って、ぶっとんだことを覚えている。それも作品全体の一つのパーツに過ぎない。ロックミュージシャンを主人公に、彼を取り巻く社会(画一的な教育、戦争による父親の死)、疎外感(母親の溺愛、恋人の不倫、商業主義のロックスターとしての虚無感)がオペラのようにつづられていく。やがてファシストに変貌し、狂騒の果てに自分自身が築き上げてしまった「壁」とは何なのか。それを壊すということはどういうことなのか。途中までの緊張感、重たさは最後の「ザ・トライアル」のカタルシスのためにあるわけで、歌詞内容の把握が必要。作品と向き合う姿勢がリスナーに要求されるが、向き合うほどパズルが組み合わさって全体像が浮かび上がってくるような、人生観への深い示唆と感動が得られるはず。ロジャーの曲想の他に比重は少ないが、ギルモアのギタープレイも彼のキャリアで最高のものを披露しています。80年ライブ映像のDVD化祈願!
・「傑作となる芽はあったのだけど」
一人の青年の成長過程を追うことによって、人間社会の束縛・個と個の間に存在する壁(=アルバム・タイトル)等を描いた作品。ロック・オペラを意識した作りになっており、実際2枚目の最後(正確には最後から2番目)の「The Trial」はオペラそのものである。これには当時驚いた。元々はR.ウォターズがコンサートの際、バンドと観客との間に「壁」があるのを感じたのを契機に構想したそうである。実際、後にコンサートでは壁を作り、それをうち壊すパフォーマンスを演じ好評を博した。私は大学生の時に本作を聴いたが、残念ながらコンセプト・アルバムとして成功しているとは思えなかった。コンセプトを追求するあまり、聴くものにとり意図不明な曲が多く(後のR.ウォーターズのソロ・アルバムに通じるものがある)、サウンド的な試み(従来の長い演奏を止め、短い曲の積み重ねにする)も本作では功罪相半ばという感じである(しかし、「Another Brick ...」等、シングル・ヒットが多いのも事実である)。
個々の曲を取ってみると上記の「Another Brick ...」の他、アルバムの導入として使われ強い印象を残す「In the Flesh」(2枚目のラストスパート部でも使われる)、若者の性的欲望をストレートに表現した「Young Lust」、そして歌詞の滑稽さと荘厳なアレンジのアンバランスさが魅力で個人的には最も好きな「Waiting for the Worms(ウジ虫閣下を待ちながら)」等佳曲も多い。これらの曲が活かされていないのが残念だ。
"短い曲の積み重ね"という傾向は次作の「Final Cut」でも続くのだが、こちらの方がスッキリ纏まっている。本作は2枚組の大作であり、"真打ち登場"という形で威風堂々(?)と発表されたので余計混乱を招いた感がある。当時の友人には「フロイドもポップ・バンドになってしまったね」と揶揄された。意図不明な曲を大幅に削って、1枚にまとめあげれば、「狂気」に近い傑作になったと思う。2枚組の退屈な作品をそれでも聴けるのは、D.ギルモアが持つ良質のコマーシャリズムのおかげである。「ファイナル・カット」後のR.ウォターズのソロ・アルバムを聴くとそれが良く分かる。
・「完璧な壁」
「THE WALL」の完成度の高さはものすごいと思います。正直言って僕はピンクフロイドの大ファンでは無く、単に趣向の話で申し訳ないのですがR・ウォーターズの歌声は好きではないし、彼の世界観みたいなものも基本的に理解出来ません(僕、馬鹿だから)。それでもこのアルバムは大好きで、数え切れない程聴きました。多くの方が指摘されているようにウォーターズが強烈なリーダーシップ(強引とも言う)を発揮して、ある意味他のメンバーの存在が無視された非・ピンクフロイド作品かもしれません。しかし、己の信念を貫き通し、計算し尽くして築き上げたこの「壁」は蟻の這い出る隙間すら無い完全なものだと思えてならないです。
このアルバムを十代の頃初めて聴いてから十数年経ちますが、比類無き完成度という点に於いては未だに「THE WALL」を越える作品に出会えていません。明確なコンセプトと完璧な構成、それらを具現化した演奏、エフェクト。同時にロックとしての面白さ、コマーシャル性が両立されているのは驚嘆の一言に尽きると思います。好き嫌いは分かれるかもしれないけど、是非一度は聴いてみて欲しいです。
・「ショックを受けました。いろんな意味で。」
多分、多感な青春時代ってやつにこのアルバムに出会えた人っていうのは、本っ当ーに幸せな人だと思います。こんな素晴らしいコンセプト・アルバム、今ではそうそうあるもんじゃないです。ひょっとすると、もうこのような類の作品は世に出されることは無いのかも知れないです。キャッチーで豪華さに溢れる「イン・ザ・フレッシュ」に始まり、数々の名曲が続く一連の流れには、もはや微動だにせず聴き惚れる以外の術がありません。コンセプトも非常に観念的で、それでいて変に理屈っぽく無くって考えさせられます。きっと、ピンク・フロイドを聴いている人っていうのは少なくないと思うんですが、それでも人には教えたくないような、一人でその愉しみを独占したいような魅力的な作品です。因みに、ドリームシアターのEP「ア・チェンジ・オブ・シーズンズ」には、「イン・ザ・フレッシュ」を含む、カヴァー・メドレーが収録されています。聴いたことが無い方は、そちらの方も是非どうぞ。
・「ストレートな歌詞とメロディが、今となっては懐かしい」
何を言っているのかわからない抽象的な歌詞ではなくて、メッセージとしての核がしっかりしていて、それでいてメロディが負けていない、そのストレートさに、リアルタイムで聴いた当時は「え、ピンク・フロイドってこんなグループだったかな?」と意外な気持ちになったのを覚えている。『原子心母』『狂気』『炎』のイメージとは異なる雰囲気に、少々馴染めなかったというのが正直な当時の第1印象だったからだ。 しかし、何度も聴いていると、訴えたい事があったからこんな形で表現したんだと納得させられるものがある。やはり、『壁』という隠喩に富んだ表現に魅せられて聴いた「青少年」が世界中にいたことだろう。だから、ピンク・フロイドに既成の先入観を持たずに聴く、若い人たちにお勧めしたい名盤である。
・「音楽を越えている」
特にロックが好きなわけではないのですが、高校生の時にこのアルバムを聞いて、心を奪われました。それから20年経った今聞いても、やはりいいです。一連の音楽で、一つの物語を形成している、壮大なアルバムです。だから、聞くときはこちらも気合が要ります。友人達に貸せば「暗い」「分からない」と言われ、なぜ、この素晴らしさが分からないのだろう???と不思議でした。今も不思議です。音楽というジャンルを越えている作品だと思います。日本の作家に例えるなら、三島由紀夫に匹敵するでしょうか。表現の手段は違っても、人間の心理の奥の奥まで入り込んで、それをおもてに引きずり出して暴露しているという意味では、同じではないでしょうか。私の原点とも言うべきアルバムです。
・「音楽それ自体が素晴らしい」
フロイドの凄さ、偉大さ、そしてこのアルバムに対する賛否両論は、もはや語り尽くされていると思います(笑)。
でも、これはもの凄い、超一級の、スーパーアルバムだと思います。
フロイドの「頭脳」ロジャーと、フロイドの「楽曲」ギルモアの、見事なコラボだと思います。確かにロジャーの比重は高いですが、一曲一曲に散りばめられた極上の品質感は、やはり「4人のモノ」です。
そもそも、これほどのサウンド、楽曲、詩の世界を、彼ら以外の一体誰が、表現できるのでしょう・・・?素晴らしい「音楽」が、目一杯詰まっています。
コンセプトワークやサウンド理論も大切ですが、何よりも「音楽」こそが、素晴らしい・・・この2枚組みの大作が、実に2000万枚(!)以上売れた事も、驚きですが・・・
ボクのような「フロイド好き」にゴタクを並べられるよりも、「ロック」を理解し、愛している若い人々にこそ、是非、聴いてもらいたい、史上の名盤だと思います。
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