バッハ:6つの小プレリュード
グールド(グレン)(アーティスト), バッハ(作曲)
・「小品を光り輝かせる才能」
1979年10月10日、1980年1月10・11日、2月2日トロント、イートンズ・スタジオにて録音。ニューヨーク30thストリート・スタジオに次ぐ彼の根城である。(●^o^●)
このアルバムにおさめられた曲はバッハの小品集とも言うべき作品だが、グールドはむしろこうした小品を光り輝かせる才能に長けていた。ケーテン時代の1720年頃のこれらの小品たちはグールドのピアノにより見事に磨かれ光り輝いている。
これらの曲はピアノのために作られたものではなく、クラーヴィア(チェンバロ)のための作品である。それをピアノの中でいかにバッハの意図を表現するかがグールドの生命線であった。そのために彼は多種多様なレコーディング・アプローチを繰り返し、多くの解釈を捨て去り残された1つの解釈としてアルバムを発表してきた。こういうピアニストは他にはいない。そしてバッハの奥の奥までレコーディングをしたピアニストもいないし、今後も登場しないだろう。
頭の中でシナプスが蠢き出し、ここは左手でこう弾いているな、ここは右手でこのタッチか、と両手が疼いてしまう演奏である。(●^o^●)
・「愉しいバッハ」
個人的にはこれを平均律曲集なんかよりも良く聴く。自分でピアノで弾いても難しくはないし単純に書かれている分わかり易く(グールドは完璧に各声部を弾き分ける)、その愉しさがとても印象的だ。一度聴いただけで記憶に残る。この小気味良いリズム感がグールドがこの小品集で表現しようとしていたこと。
確かグールドをめぐる33の情景とか言う映画にも効果的に使われていた。バッハの鍵盤器楽曲がわかり難いと感じてらっしゃる方、またはグールドは面白くないと思ってらっしゃる方はこれから入ってゆくのがお勧めですね。
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