・「ゲリラ・クラッシュ」
パンク敗北宣言の『ロンドンコーリング』の後、クラッシュは南へ逃走しゲリラ化した。前作『サンディニスタ!』は3枚組みでマイキー・ドレッドのダブによるゲリラ宣言。そして更にファンクに接近したこのアルバム。スタイルは変えても戦い続ける意志を明確にした姿勢に満ちている。
しかし、残念ながらこのあとクラッシュは内ゲバを起こして空中分解し、ジョー・ストラマーはまるでチェ・ゲバラのように、革命を求めてアイルランドやら中米を彷徨いその果てにのたれ死ぬことになる。
・「優秀の美」
前作"サンディニスタ!"が36曲の超大作だったので、12曲の本作はちょっと彼らにしては物足りない気もしたが(これが普通なんだけど)、しかし前作のいいとこだけを選りすぐりそれらをさらに高い次元にまで昇華させた内容に。よって完成度はかなり高く、かなり濃い。12曲の尺度にも納得がいく。
もはやパンクやロックという垣根を越え、クラッシュという音楽がレベルミュージックとしてここでは鳴り響いている。彼らの音楽はここでひとまず完成したと言えるだろう。前作はアルバムとしての意義が重要であったが、本作は曲単位として#1「権利主張」、#3「ステイ・オア・ゴー」、#4「ロック・ザ・カスバ」、#6「ストレイト・トゥ・ヘル」と名曲揃い。
全員で肩を組んでいるジャケットが、事実上のラストアルバムになってしまったのは何とも哀しいが…どうしても1st「白い暴動」と3rd「ロンドンコーリング」に思い入れの強いファンが多いかもしれないが、ある意味本作こそが最も彼ららしいアルバムとは言えないだろうか。でもやっぱり、筆者も1stと3rdへの思い入れが強すぎて…星は4つ。
クラッシュを理解してこそ「いい」と思えるアルバムだと思うので。
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