・「アシッド・ハウスとルーツ・ロックの見事な融合」
90年代UKロックシーンを語る上で最も重要なバンドの1つ、「PRIMAL SCREAM」の3rdアルバム。80年代後半から90年代前半にかけて英国音楽界を席巻したアシッド・ハウス・ムーヴメント(セカンド・サマー・オブ・ラヴ)は、大衆が憧憬の対象としてのロック・スター/ポップ・スターではなく、自らが踊り楽しめる音楽を純粋に希求した結果として自然発生したものだった。2ndアルバム『PRIMAL SCREAM』('89) ではロック一本で勝負していたプライマルが、本作のようなアシッド・ハウスとルーツ・ロックが絶妙にブレンドされた作品をドロップしてきた背景にはこのような時代の流れがあったが、彼等が時流に合ったものを意図的に製作しようとしていたとしたら、果たしてこのような傑作レコードが生まれただろうか。否、彼等自身もまたダンス・ミュージック(テクノ、ハウス、ダブ etc.)に傾倒し、大衆と同化していたからこそ産み落とされた必然的帰結としての作品だからこそ、このアルバムは当時の混沌とした時代の空気さえも封じ込めることに成功しているのに違いない。1991年発表の本作は発売と同時に全英チャートNo.1に輝き、同年マーキュリー・プライズでベスト・アルバム賞を受賞するなど高い評価を受けた。そしてこれにより、プライマルは一介のインディーロック・バンドから、一躍UKユース・カルチャーを代表する人気バンドへと急成長を遂げ、今日のステイタスへの足がかりを掴んだのである。
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