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▼バッハ:ゴルトベルク変奏曲:詳細

バッハ:ゴルトベルク変奏曲

バッハ:ゴルトベルク変奏曲
ジャレット(キース)(アーティスト), バッハ(作曲), キース・ジャレット(演奏)

▼クチコミ情報

・「キース・ジャレットのハープシコードによるバッハ。心がすーっと静まっていきます。
 音楽の流れが自然で、ゆったりと、味わうように進んでいく演奏。随所でひらめく装飾音符の彩りも魅力的で、ハープシコードの雅(みやび)な音色と相俟って素敵でしたね。 かしこまって窮屈な演奏とは対極にある、のびやかで、くつろいだバッハ。聴いているうちに、心がすーっと静まっていきました。  時々、もう少し溌剌としたイキのよさが欲しい気もしたけれど、これはこれで、味わい深い、優雅な『ゴルトベルク変奏曲』として親しめます。 一例を挙げれば、エンディングへと向かう前の「第25変奏」のアダージョ。十二分に、ゆったりと、かみしめるように弾かれていくここでの7分20秒の演奏が、後の変奏の軽やかさを際立たせる上で、よく効いている気がしました。緩急の付け方、間の取り方など、さすがによく考えて演奏しているなあと。←キース・ジャレットほどのビッグな才能を持つ演奏家に対して、なんというおこがましい言いよう。失礼しました。

 1989年1月、八ヶ岳高原音楽堂での録音。

 ここでのハープシコードの演奏とは違うピアノの演奏では、何と言っても、グレン・グールドの新旧両盤(テンポをはじめ、全く印象の違う演奏です)が、バツグンの聴きごたえ。 なかでも、颯爽と駆け抜ける一陣の風のような旧盤(1955年録音。38分23秒)は、マイ・フェイヴァリット。お気に入りです。

・「10年以上を要した
 1989年正月、八ヶ岳での録音だ。それ以外にライブ演奏もあった。厳冬期の高原にわざわざ足を運んでキースの音楽を聴くなんて、いいなあと思ったものだ。でも、CDを聴いてみて正直、よくわからなかった。あまりにも凡庸に思えた。CD解説には、バッハ研究家の樋口隆一氏のキースへのインタヴューが載っていて、キースのバッハへの想い、演奏者としての姿勢などを知って納得してはみたものの、CDを聴くとやっぱり凡庸に聞こえてしまった。 ところがそれから10年ほど経って、キースの演奏が急に私に迫ってきた。「私は今、この楽譜を初めて手に取りました」と言わんばかりの、時にたどたどしい、時にうれしさに満ち溢れた音が。それ以来、ゴルトベルクの愛聴版となった。これと関係があるのかどうか?最近ではあれほど熱中していたグールドの演奏が、私にとって輝きを失いつつある。

・「眠る前にGOOD
 本作は89年のキースの作品。まず「よくこの作品を選んだなぁ!」と感嘆しますよね。グールドがバッハ演奏の世界に残したトラウマのようなものって相当に根が深く、バッハの作品を聴く時にまずグールドと無意識のうちに比較してしまうという人は圧倒的多数派でしょう(キースのファンは除く)。世界でバッハを聴く9割の人は「グールド以外のゴールトベルクなんか要らない」と思ってそうですしね。ので、とりあえずその勇気に★ 個人的にはキースからクラシックに入っていったのでそうしたことはなく、またグールドとの冷静な比較は最近出来るようになったんですけど。 キースのクラシック作品に共通して言えることですが、どれもジャズの世界で得た名声とか表現方法とかそういうものを殆ど感じさせないと思います。グールドの演奏は「グールドベルク」と揶揄したくなるほど演奏者の個性が強いですが、キースの演奏はあくまでもバッハの作品の美しさに焦点を当てており、とにかく敬虔に、思慮深く弾いている様子が目に浮かびます。またピアノのときとは違いますがやはりタッチがきれい。他の演奏者と響きが違うんですね。これは一体どういうことなんでしょ?グールドが歯切れよく溌剌と弾くところをウェットに弾かれたりすると「なんだかなぁ」という気もするんですが、ま、これもありでしょうか?いずれにせよ、チェンバロの「ゴルトベルク変奏曲」を聴きたくなった時とか、眠る前に「ゴルトベルク変奏曲」を聴きたくなった時などにいい作品だと思います。

・「リラックスした、しかし凛とした演奏
ゴールトベルク変奏曲は本CDの他にグールドのピアノ版を持っています。例えば最初の<アリア>では、どちらも同じようなゆったりとしたテンポ運びをしていますが、グールドの演奏が静かな中にも緊張感が満ちているのに対し、ジャレットはリラックスした感を受けました。楽器の音色も透明感があり、朝の通勤電車の中では好んでジャレットの方を聴きます。

・「客観的な構造のバッハ音楽に限りなく浸透する喜び
 キース・ジャレットのクラシックではゴルドベルグをよく聴いてきた。ジャズ風に弾いているわけではなく、むしろオーソドックスなバッハと言えよう。ただ、この演奏には自然で豊かな音楽の流れがある。もちろん、録音のすばらしさや楽器の音色の美しさも魅力的だが、なにより音楽に限りなく浸透する喜びが、この演奏からは感じられるのだ。

 感性をフルに生かして、その曲の中にどこまでも深く入り込みつつも、バッハの音楽自体が持つ客観的な構造を尊重して奏でてゆく。その両要素をそれぞれどれだけ充分に実現させながら、自らの演奏の中で統合してゆくか。そして、その喜びを聴き手の「ハート」のなかに伝え、再現しうるか。ジャンルにこだわった論議の空しさを痛感させるキースの「音楽」であり、バッハのゴルドベルグである。

・「まじめなバッハ?なのかどうかしらんが、心に打ち水するような調べです。
キースのクラシックものの批評を読むと、半分以上はジャズピアニストとしてどうクラシックを表現しているかー是非、という論旨が多いのであるが、このCDを聴いて、はっきり言って他の人のゴルトベルクにしろバッハのピアノ曲にしろ中学校の音楽の授業以来聴いたことがないので、どこが「通常のバッハ」らしくあり、はたまたらしくないのか全くわからないのである。従ってバッハだの、クラシックだのはさておき、このCDはいい。八ヶ岳、という感じがする。キースという人はアコースティックにこだわる音楽家であり、録音した場所や季節を強く感じさせる演奏家だけど、この高い天井から降ってくるようなハープシコードのキラキラはやはり高原のきりきりに冷え澄んだ空気を切り取ったのかしらん。とはいえ、真冬の録音なのに夏の涼しい風が吹き抜ける白樺林という感じで、この暑い季節にもおすすめだ。それにしても、例えば28番の執拗なバンプ、25などに現れるクラヴィコード風スライド音などまさにキース!キースミュージックそのものを彷彿とさせるものであり、バッハがキースなのか?キースがバッハなのか?謎めくばかりである。

・「聴き易い
楽器の制約なのか、演奏家の判断によるものかわからないけれども、フレーズがゆったりしていて、聴き易い。時として細かいベースラインも、私の安物コンポでさえ、クリアかつ太い音で聴こえて、とても立体的だ。このチェンバロみたいな楽器の効用だ。従来、チェンバロは大人しくて平板だ、という印象を持っていたが、この演奏を聴き、その印象は過去のものになった。キースがジャズピアニストなので、ジャズっぽくスウィングしちゃったりしているのではないかと、ちょっと期待した。しかし、聴いてみると、まったくのクラシック正攻法の解釈。楽譜に99%忠実に弾いている(彼がどの版を使用したかはしらないが)。ジャズアレンジ風のゴルトベルクを聴きたい人には、やや不適切ということにはなる。

一つ一つのフレーズがとても生き生きしているし、キマっている。瞬間を大事にするジャズアーティストならではのセンスだろうか?

ほんとうに、おどろくほど聴きやすい作品だ。曲と演奏が完全に一致して、無駄を感じさせない。まるでキースがゴルトベルクを自作自演しているみたい。作曲家と演奏家が別人とはとても思えない。バッハが弾いてもこうだったろう。この録音中、キースにはバッハが降りてきていたに違いない。

・「ゴルドベルク変奏曲自身が彼を選んだ
1989年1月八ケ岳高原音楽堂でレコーディング。85年の『スピリッツ』でクラシック音楽と決別、85年7月~87年10月までをスタンダーズのライブに費やし、自らの音楽を見つめ直したキースが敢然とクラシックに対峙し直した最初の作品といえよう。ライナーのインタビューに出てくるキースのコメントにおけるバッハのこの曲へのこだわりは以下の2点だ。

1.全音楽を神に捧げたバッハ。神の音楽は都市で見ることは難しい。2.バッハ以前の音楽にはダンスのための音楽と教会のための音楽があった。しかしゴルドベルク変奏曲にはその両方が内包されている。そしてゴルドベルク変奏曲自身が彼を選んだともいっている。

キース自身の自宅もそうだが、八ケ岳の美しい自然の中でこの曲と対峙し直したキースの歓びが溢!れ出た演奏になっている。音楽を演奏することの歓びが何にも増してキースを元気づけている。

1742年ドレスデン駐在のロシア大使だったカイザーリング伯爵の不眠症を直させるために書かれたこの曲が現代の多くの人の癒しとなり続けていくのは間違いないだろう。自然のエナジーを十分に吸い込んだクラビコードの音色にただ酔いしれるだけだ。

・「この澄みきったハープシコードの音色
このアルバムは1989年1月という寒い季節に八ヶ岳高原、音楽堂で録音された物です。2段鍵盤のハープシコードで演奏されていますが、高橋辰男さんという方の製作したもので、キースはその楽器で弾くことを楽しみにしていたとのことです。

とにかく、CDをかけた瞬間から、その音色に美しさに驚かされます。

今まで、やや平板な音色だとばかり思っていたハープシコードが、これほど豊かな表情を持っているとは。冬の八ヶ岳の空気のせい? それともキースの技術なのでしょうか?

この Goldberg をグールドの演奏と比較することはできません。グールドは、バッハの時代には存在しなかったピアノを用いています。キースにはキースのバッハがあり、グールドにはグールドのバッハがあるということなのでしょう。

余談ですが、この演奏ではキースは(もちろん?)声を出していません・・・

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