・「キースのクラシックに感じる音楽の喜び」
僕は家庭にクラシックが溢れていたのに、クラシックに安らぎを感じつつもロックやジャズに惹かれていく青年時代を過ごした。キースがクラシックを録音し始めた頃から、キースのクラシックを好きになった。ジャズでもバッハでも何でもキースのピアノは心地よかった。 ジャズ・マンのキースがクラシックを弾いているから面白いんだなと自分で勝手に思い込んでいたのだけれども、どうも違うということが分かってきた。このヘンデルには音楽の喜びというものが一杯詰まっている。クラシックとしてあるべきルールから離れて、ピアノを弾くという行為の喜びが溢れている。グールドなんかとも違う、一般的なクラシック・ピアニストにはない自由さと美しさがここにはある。 ジャンルに係わらず音楽というものは本来そういう根源的な魅力があるんだなと改めて思う。
・「ヘンデル:クラヴィーア組曲」
これはピアノでの落ち着いた演奏、とにかく美しい音色、フレージング、正統クラシックピアニズムかは不明だが音楽として人のハートに迫る演奏。
・「やわらかく、美しい音色」
クラシックのレコードは普段あまり聴かないし、買ってないのでほかの作品と比べることが出来ないのですが、この作品はいいですね。とてもやわらかく美しい音色です。 僕はあまりオーケストラの重厚な響きが好きではないのですが、このようにピアノだけのものを聴くと、とても聞きやすくメロディーもいいです。ぜひ聴いてみてください。
・「先入観念のないすばらしいヘンデル」
1993年9月ニューヨーク州立大学での録音。
ライナー・ノートの中でキース自身が書いているように、ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルに対する多くのリスナーのイメージは管弦楽曲の作曲家のイメージだろう。それゆえにこの作品に入っているクラヴィーア曲の様な類いの曲は、同じ作曲家の作品でありながら正当に評価されていないと思われる。キースはこうした一度その人がなんらかの『大家』と認識されてしまうがためにできあがる固定観念がその人のそれ以外の作品を正当に評価できなくすると指摘している。これは多岐にわたって様々な変容を見せ、作品を創りだしてきた自分自身のことをも述べているのだと思う。
ヘンデルに対する固定観念と先入観念を捨て去り、このアルバムを聴けばヘンデルのクラヴィーア曲がいかにそれ自身で光を放っていて素晴らしいものかが理解できる。キースの並べた曲順は不思議にも新しいものから古いものへと並べられている。
『Up for it』で大賞を受賞したキース。しかしながらその固定観念を捨ててこのアルバムに対峙すれば、よりいっそうその才能に驚きを隠せません。
・「すばらしい透明な美しさ」
ヘンデルは個人的にはオルガン協奏曲を長年愛聴してきたが、ここにすばらしいヘンデル作品が加わった。ヘンデルの曲なのかキースの曲なのかわからないような見事な感性の融合。キースのピアノによりヘンデルの真価が現代に姿を現したといえるアルバム。必聴盤。
・「キース・ジャレットがピアノで弾くヘンデル」
キース・ジャレットが、ヘンデルを演奏するこのCDを聴いて、その印象を一言で言い表そうとすると、それは「明晰」の一言である。ジャレットは、ヘンデルの音楽を演奏するにあたって、知的に隅々までその音楽を丹念に研究し、解釈した上で演奏している、ということが聴く者に伝わってくる。ヘンデルの音楽の面白さを再認識させられると同時に、ジャレットの頭の切れの鋭さに感服させられる一枚である。
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