・「深く心に響く音楽」
リストの超絶技巧練習曲を初めてきいたのがこのアラウ版でした。全曲を通して聴いたのは初めてだったのですが、アラウの演奏は荒々しく、少々荒削りな部分も感じられますが、私的にはその低音の響きの深さに惚れ惚れとしました。特に10番と12番はお気に入りです。10番の執拗なまでのシンコペーションと、頂点で爆発し下降していくフレーズの緊張感、そして12番は聴きながら窓の外に雪景色が見えるような、そんな情景が浮かびました。
全曲通して、どっしりとした貫禄があり、深みのある素敵な演奏だと思います。
・「そんなにいいか?」
下で絶賛されているので、あえて厳しめの評価をしてみます。アラウの超絶は昔からよく売れている録音のようですが、はっきり言って技巧的には聞き苦しいところがあります。特にマゼッパ。技巧派ピアニスト好きの私には、オフチニコフ・横山・ベレゾフスキーの方が合います。とはいえ、単なる指まわりを超えたところに彼の魅力があることは認めます。曲集を何枚か聞いてから聞いてもらいたいCDです。最初に訊くなら横山幸雄じゃないかな。
・「超絶技巧では一番お勧め!」
ショパンの練習曲とよく比較されますが、リスト信奉者の私としてはこちらの方が完成度が高いと思います。私個人としては、6番"幻影"や4番"マゼッパ"が大好きですが、知人は11番や12番が好きだったりと6者⑥様です。まだまだショパンやベートーベンのように整備されておらず、食わず嫌いな人も多いと思いますが、間違いなく彼は天才です!ロマンチックで尚且つ切れがあり、耽美で....,書くときりがなくなりますが、ピアノの世界にハマッたら、ぜひともこのCDを聴いて、更なるレパートリを広げて下さい。アラウの演奏は、ショパンなどの時と違い、結構シャープなのに、彼独特の耽美さ、繊細さが出ていて、メリハリもある!このシリーズの中で一番お勧めです。他にはボレやベルマン、アシュケナージなども出しているのでぜひ聞き比べてみてください。きっと貴方をクラッシクの更なる虜にするでしょう。ベレゾフスキーもCDを出しています。彼も録音状態が極めて良くお薦めなので、是非聴き比べて下さい。
・「リストの神秘的きらめきから豪放華麗な音響まで過不足なく捉えた名演奏」
諸井誠先生に言わせると「ワイマール時代のリストを髣髴とさせる王者の風格のある演奏」。ある人いわく「底光りするコクのあるアラウの音響と音楽を、アラウの息遣い(鼻息)を感知させる鮮明な録音で捉えた名録音」。私に言わせると、「鮮やかで軽やかで色彩豊かなアシュケナージ(抜粋)盤」「大時代的ヴィルトゥオーゾ時代を髣髴とさせるベルマン盤」「洗練された風格豊かな音色・タッチでリスト音楽のロマンチックな面を刻印したボレット盤」・・・に比べて、「重厚で透明な音色を駆使して音楽の細部まで克明に捉えながら、作品の持つ精髄・大きさ・精神的高揚の素晴らしさを見事に捉えた名演(特に「夕べの調べ」は曲の持つ神秘性、豪放なテクニック、精神的感動を過不足なく再現している必聴盤)」です。アラウのコクのある音楽にはまると、颯爽としたアシュケナージ盤さえ「弾き飛ばし過ぎる」と感じられるほどです。録音も極めて優秀です。
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