24時
サニーデイ・サービス(アーティスト), 曽我部恵一(その他), 田中貴(その他), 自由参加隊(その他), 丸山晴茂(その他), 菊地(その他), 高野(その他), 斉藤(その他), 四家(その他), 新井(その他)
・「夏の夜」
サニーデイサービスの数あるアルバムの中でも「東京」とこの「24時」が双璧であると思います。春という響きに何か感じるものがあれば「東京」夏であれば「24時」強引なようですがそれぞれの季節の響きがピタリときます。夏、少し熱気の冷めた黄昏。湿度が高く蒸せかえるような夜。眠れない夜。「ああ 太陽の季節 暑い夜 君はどこで 何をしてる」と唄う7.シルバースター。曽我部恵一のセンチメンタリズムが、汗になってぼろぼろとこぼれ落ちるているかのようです。
・「彼ら最大の意欲作」
コンパクトなアルバム作りを身上としていた彼らが一転して作り上げた、全82分19秒に及ぶ超大作にして最大の意欲作。曽我部君の最も溌剌とした歌唱が聞けるアルバムでもある。
前半はとにかく力強い楽曲がずらりと並ぶ名曲揃い。オープニングにはもってこいの力強いフックを持ったメロディが光る名曲①を筆頭に、憂いを持った美しいメロディが光る②、このアルバム中最も軽快なナンバー③、いかにも70年代風な④、このアルバムを代表する楽曲でカントリー風の⑥など素晴らしい流れ。一転して後半は徐々に内省的なナンバーが並ぶ。⑩は恐らくサニーデイの楽曲の中では最もフリーキー且つアヴァンギャルドな楽曲。こうした冒険的なものも収録されているあたり、これまでの自分達から脱却しようという意志が見え隠れする。
恐らくコンセプト・アルバム的な路線を狙ったのだろう。結果としてはかなり上出来なのだが、ちょっと気になる部分もある。ジャックスの「冷たい空から500マイル」をあからさまにパクった⑭などはどうしても元ネタが強力な為か、ちぐはぐな印象があるし、前曲⑬もやや曖昧な雰囲気に流され気味であり、蛇足だったと思う。素晴らしかったのは、わざわざボーナスCDにまでして収録した「ベイビー・カム・ヒア組曲」。⑮のメロディラインのリフレインから幻惑的なストリングスが流れ始め、ゆったりとしたフォーク・ソングへと雪崩れ込むこの楽曲は正に白眉。超大作であるこのアルバムの締めにふさわしい名曲だと思う。もう少しアルバムの後半が充実していれば、間違いなく彼らの最高作に仕上がっていただろう。これを最高作に推す人がいるのもうなずける、彼ら最大の冒険作である。
・「けだるい夏の夜、君を待つ」
クーラーのないアパート/無風の熱帯夜街の灯かりはすぐそこ/夜はまだそこで待っている
気の抜けたビールを片手に『24時』を聞いている。出かけるのは今日はよそう。君からの電話をそっと待とう。
~そんなだらだらと続く夏の夜に、是非。 天才・曽我部恵一の珠玉の一品。必聴「シルバー・スター」、「24時のブルース」。 ~シングルCD付の2枚組みです。
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