ドヴォルザーク:交響曲第9番
NBC交響楽団(アーティスト), ドヴォルザーク(作曲), コダーイ(作曲), スメタナ(作曲), トスカニーニ(アルトゥーロ)(指揮)
●ベートーヴェン : 交響曲第5番 「運命」・第6番 「田園」・第7番・第8番
●ベートーヴェン : 交響曲第1番・第2番・第3番 「英雄」・第4番
・「新鮮な新世界」
いろいろな新世界の演奏があります。有名すぎる新世界ですが、トスカニーニの演奏は新鮮に感じました。素直な感想です。演奏速度かもしれません。演奏とは関係ありませんがジャケットデザインも気に入ってます。
・「スピード感のある新世界」
交響曲第9番「新世界より」に関してですが、よくある新世界の演奏と比較すると少しスピードの速い演奏になります。特に第2楽章は他の演奏では12分前後かかるところを10分30秒で演奏しています。(これよりもロリンマゼールとベルリン放響の方がスピード演奏なので驚くほどではないですが・・)
また、ステレオ化がはじまる一歩手前の1953年モノラル録音なこともあり、音の古さは否めません。敢えてこの1枚を選ぶ必要はないと思いますが、「新世界」好きの方であれば、1枚持っていてもよいかもしれません。
それと、音質を向上したXRCD版が出ているので多少の音質改善ですが、よい音で聴きたいと思われる場合はXRCD版を購入された方がよいかもしれません。(試聴してみましたが、金管が少しダイナミックに聞こえます。でもちょっと不自然)
・「率直さの勝利」
世の中には2種類のタイプの指揮者がいる。1つ目は「自分の感じたこと」を指揮を通して表現するタイプ。他方は曲自体に語らせようとするタイプ。トスカニーニは明らかに後者に属する。そんなトスカニーニの面目躍如たる演奏がこの「新世界」である。トスカニーニの演奏は聞き手が「主体的に聞く」という行為に係わることを要求する。最近の感性が乏しいリスナーはこのようなタイプの演奏を素っ気なく感じるだけであろう。そして前者のようなタイプの指揮者に「どのように感じるべきか」示してもらってはじめて安心するのである。トスカニーニの演奏は受け身的精神で聞いても何も伝わってこない。しかし本当に精神を集中して聞いたとき、あらゆるフレーズに新鮮な生命力が宿っていることに驚嘆する他ない。これぞ率直さの勝利である。半世紀以上前の演奏なのに全く古さを感じさせない。手垢にまみれる前の曲の真実がここにある。
・「快速トス9号!」
無残なほどに快速で突っ走る「新世界より」である。
トスカニーニ氏は、よほど早く演奏を終わらせて、遊びに行きたかったのであろう。ただノーミスで、鳴るべき音は鳴らして、猛スピードですっ飛ばす、・・・曲芸を見ているようである。
芸術的に聴くものは何もない。未だに「曲自体に語らせる」「楽譜に忠実に・・・」などという、トス一派の御題目を信じている方はいないだろうが。
・「録音が残念デス」
~ 当時としては実に鮮明な録音なのですが、録音技術が向上した今となっては古い感じが否めません。ただ、メンゲルベルクやフルトヴェンングラーを聴いている人(悪いテレビ電波をブースターで増幅させるように悪い録音の向こうに見える演奏を聴き取る人)にとっては気にならないでしょう。 演奏は寸分違わぬ正確さで演奏され、時折聴かれるティンパニの強~~打や金管の咆哮を初めとして、非常にダイナミックなものとなっています。~
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