キングダム・オヴ・デザイア ~欲望の王国
TOTO(アーティスト)
・「ジェフ本人が一番残念がったはず」
1992年発表。発表直後にジェフ・ポーカロが急死し、事実上TOTOのオリジナリティである彼のドラムが聴けるTOTOとしての最終作。
ついにヴォーカリストをスティーヴ・ルカサーに専任し、彼の主導権の元に自由にアルバムを作らせるしかもう選択肢がなくなった、という当時の状況をよく物語っているアルバム。ルカサーのヴォーカル自体は下手ではなく、むしろ渋くていい感じなのですが、それゆえヴォーカルがヴァリエーションがミドルテンポの単調な曲が多く、HRとしては全体的に中途半端です。
また、ギターの速弾きや派手なアンサンブル、泣きの入ったメロディといったHRのお約束に欠けるグルーヴ重視の曲が大半を占めるため、HR層の嗜好からずれてしまった感があります。TOTOらしさが逆にコンセプトを中途半端にしているんですね。ジェフのドラムもグルーヴ感のみが目立つ叩き方で、HR好きにもTOTOファンにも微妙な内容です。彼らのディスコグラフィー中、一番全曲通して聴くという気になりません(2006年の最新作といい勝負です)。
浮遊感あふれるニューロマ〜プログレ的な展開の(6)、LAの名HRミュージシャン兼プロデューサーのダニー・コーチマーと共作した強力なディストーションがかったプロデュースがかっこいい(10)、TOTOらしい高速フュージョン風インストの(11)と8分台の長い組曲が新機軸として秀逸な出来だけに、全体の中途半端さが悔やまれるアルバムです。ボビー復帰がダメならファーギー・フレデリクセンを呼び戻して、ジャーニー的なハイトーンのヴォーカルを聴かせる曲で再構成すれば本作は何とかなったと思うのは私だけでしょうか?まあ「TOTO XX」での彼の扱いを見れば無理な願いでしょうが…。
・「ルカサーのソロアルバムとして」
ルカサーのソロアルバムとして見るか、TOTOのアルバムとして見るかで、評価は変わるでしょう。ルカサー好きの私としては、このアルバムは、TOTOの他のアルバムと同じくらい好きなアルバムです。 ルカサーらしい1番や2番、バラードの5番。タイトルナンバーの10番。ジャムってできたインストの11番。あたりが、好きです。ギターが際立っているんですが、ガチャガチャとうるさいロックではないのが、やっぱりTOTOだと思います。
ルカサーファンとしては、おさえておきたい名盤です。
・「Isolated!」
とうとうリード・ヴォーカルを置くことをやめてしまったTOTOだが、既にB.Kimballを待っていたと解釈していたのは私だけだろうか?S.Lukatherがここまで唄えるとは意外だったが、“ONLY YOU”などは往生際が悪い気もする。おススメは“JAKE TO THE BONE”。
・「低迷期脱出ならず」
新たな打開策、ネタがみつからず。ボーカルものは普通であることを露呈。楽曲も低迷。メモラブルなものが少ない。10点中2点ジャケットの無気味さが中身を物語る。すでにこの時点で新しいことは無理。
・「低迷期にはいったアルバム」
正直、スティーブルカサーのソロアルバムに入れてほしい曲ばかり。それ以上ではない。ここから悪夢の低迷期に入る。バンドとしてのクリエイティビティーは残念ながらなかった。海外ではレビューすら省かれているのであります。10点中3点。
・「骨太ロックをルカサーが歌う」
TOTOの8枚目。ボビー・キンボールが4枚目で脱退して以来、後任のボーカリストが長続きしなかったのに業を煮やしたのか、本作では専任ボーカリストはたてずに、ギタリストのスティーブ・ルカサーが全曲を歌っている。
その新たな決意の現われか、それとも近年のアダルト向けのメロウな曲作りに嫌気がさしたのか、この作品には、ゴリゴリとした男気あふれるロックばかりが収録されている。1曲目のGypsy Trainはヘビーなギター・リフが緊張感をあみだしている曲。TOTOサウンドの要ともいえるキーボードは控えめで、オルガンの音をアクセントにつかっている程度。2曲目のDon't Chain My Heartはどっしりとしたリズムで、ルカサーの気合のこもった声が聞ける。女性コーラスもいい味をだしている。その後もギターを前面に出した曲が続く。キーボードのデビッド・ペイチと仲違いでもしたのでは?、と思わせるくらいに。
5曲目の2 Heartsはルカサーが心をこめて歌い上げるバラード。この曲ではキーボードやピアノが「普通に」使われ、一息つけるという感じ。アルバムを通してルカサーのあふれでる熱意はよく伝わるが、TOTOの魅力のひとつはボーカリストが3人いて、曲に変化があること。彼ひとりの声では、同じ曲調に聞こえてしまい、後半は聞き疲れてしまうのが残念。ラストのインスト曲Jake to the Boneは、TOTOの演奏力の高さがこれみよがしに披露されている。これを聞くだけでも価値があるかもしれない。
なお、このアルバムのレコーディング直後にドラマーのジェフ・ポーカロが死んでしまった。彼のパワフルなリズムと絶妙なハイハットさばきがこれ以降聞けないのは寂しい限り。
・「ジェフポーカロ(Dr)の遺作・・・本当残念でした!!」
1992年リリースのアメリカンハードロックバンドになったアルバム・・・めちゃくちゃロックしている内容で、流行で好きになったファンを豪快に切り捨てたロックバンドとしての誇りに満ち溢れています。ボーカルチェンジのごたごたに嫌気がさしたのかスティーヴルカサーをフロントに据えたアルバムで、彼のボーカル&ギターが炸裂します・・・いやあかっこいい!!ジェフポーカロが参加したラストアルバムでもあり、本当感慨深いです・・・素晴らしい演奏をたくさん残してくれてありがとう!!日本盤のみのボーナストラック・ジミヘンドリックスの「リトルウィング」は、ジェフの死を考えると涙ものの曲です。余談ですが「キックダウンザウォールズ」というTOTO側の都合で削除された曲がありますが、!!初回NO違いのプレスに入っているものもあるのでファンは要注意!!
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