・「ある意味踏み絵のようなアルバム」
このアルバムが「理解できない」という人には、是非歌詞を読みながら聴いて欲しい。僕は40歳になる今まで音楽を聴いてきて、これほどまでに、音と歌詞が見事に重なり合い、悲しみや美しさに胸を打たれる音楽を聴いたことがない。何度聞いてもピンとこなかったアルバムが、歌詞を読んだとたんに、数ヶ月にもわたって毎日繰り返し聞かずにはいられないほどのアルバムになってしまいました。それでも駄目な人には、「きっと今までの人生が順風満帆で、人の痛みがよくわからないのでしょう?」と皮肉を言いたくなってしまいそう・・・
・「Pet Soundsとその評価について」
もし、この作品について概要を知っているうえで興味があるならば、購入して間違いないと思う。「ロック」、あるいはかってそう呼ばれていた何かに惹かれるのならば、この作品は必須のアイテムであり、歴史的名作という位置づけは今後も不変だろう。ただ、時に批判的、もしくは抵抗を感じるという意見もある(それこそが本作らしいのだが)。例えばビーチ・ボーイズが標榜していた明るく健全なポップス(それは、それで有意義と言えるはず)という観点では、本作は全く当てはまらない。間違いなく当時のブライアンは『病んでいる』。しかし、その葛藤から生まれた悲しげな音楽は、比較が思い当たらない程美しく真実味に溢れている。だが、 発売当時のアメリカでの一般評価は(大方は前述の理由で)低かったし、売れなかった。しかし、イギリス等では熱狂的なファンを獲得したのであり、それが何十年という歳月を経て、世間一般レベルに到達したと言える。結果的にはベストセラーである。優れた作品はすぐに多くの人に理解されなくても、その真価は時が証明してくれる。とも言えるし、見方を変えれば、現代という病んだ時代の『救い』ひいては『希望』なのかもしれない。
・「超名盤」
世紀の名盤も名盤です。これ聴いたとき、正直、怖い、と思いました。その完成度もさることながら、ポップでセンチメンタルな曲間から、どこか狂気じみたものを感じたからです。マッカートニーが誉めたゴッドオンリーノウズも素晴らしいですが、ウドゥントイットビーナイスが特に素晴らしい。キラキラしてて、暗くて、明るくて怖くて。内容だけ見ても、ここまで完成されたポップアルバムも珍しいはず。
・「色んな意味で星5つ」
確かに名盤ではある。音楽的なその作りに対する評価や評論は沢山されて来た。基本スペクターがベースとも言えるがとにかく類を見ないほど独創的。
そして何より凄いのはこのアルバムが5人のメンバーの内、ブライアンウィルソンだけの内面の「陰の部分」を告白した曲(しかもビーチボーイズといういかにも陽気なバンドで)が殆んどの告白小説的アルバムだということだと思う。正直あの時代によく発売されたな〜と今思うと不思議だしある意味奇跡的。
だから曲のクオリティーを楽しむことはいつでもできるけど、詩の内容は何だか痛々しくて聴く状況が限定されてしまいます。私の場合…曲のタイトルに「GOD」が使われたのもポピュラー音楽では確かこのアルバムが世界初。
色んな意味で総合的に星5つ。
・「時代を超越した一枚」
The Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ)が1966年に発表した歴史的名作「Pet Sounds(ペット・サウンズ)」
この作品はThe Beach Boysの中心メンバーであるブライアン・ウィルソンが、1965年12月に発表されたビートルズの「ラバーソウル」に影響を受けて作成された「トータル・アルバムの金字塔」である。ブライアン・ウィルソンは1990年3月のインタビューで「ビートルズのラバーソウルを聴いたときに、明らかに自分への挑戦状だと感じた」と答えている。
イギリスとアメリカが生んだ天才同士だけが感じあっていた感性。この感性に時代が追いつくのにはしばらくの時間を要した。つまり、この「Pet Sounds」はリリース当初から評価が高かった訳ではない。それは元々のThe Beach Boysのイメージとはかけ離れたアルバムだったという事も起因してはいるだろうが、時代の受け入れ態勢が整ってなかったという表現の方が正しいのだろう。
ちなみに、「Pet Sounds」に衝撃を受けたビートルズのポール・マッカートニーが主導して作成されたのが、こちらもトータル・アルバムとして名高い「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(1967年発表)」。
このアルバム「Pet Sounds」はThe Beach Boysのバンドしてのアルバムというより、ブライアン・ウィルソンの個人的アルバムであると言われる事が多い。というのもビーチボーイズの他のメンバーはほとんど演奏していないのだそうだ。他のメンバーのワールドツアー中にスタジオ・ミュージシャンを使って録音され、ボーカル部分だけをメンバーが録音した(そのボーカル部分もブライアンが歌いなおしたりしたそうだ)。
「Don't Talk (Put Your Head On My Shoulder)」のメロディの美しさは特筆すべきものがあるし、ラストを飾る「Caroline No」も最高!!
しかし、思えば40年も前のアルバムなんだなぁー。まさに時代を超越した一枚。
・「絵本「Goodnight Moon」を眺めながら聴く至福」
初夏の若葉を想わせる初々しい響き、夏の終わりを予感させるような静かな寂しさ。このアルバムは、1947年に出版された絵本「Goodnight Moon」とどこか通底する雰囲気があるような気がします。大きな緑の部屋の中で自分の好きなものに「おやすみ」を告げ、ページをめくるたびに画面が暗くなっていく繊細な感覚。1942年生まれのブライアン少年もきっとこの絵本に触れ、絵本に描かれた大きな緑の部屋のイメージが19年の歳月を経て「Pet Sounds」に結実した…ついそのような想像をしてしまいます。
・「美しく儚いアルバム・・・」
最初、聞いたときはなかなか飲み込めずにいました。最初聞いて好きになった曲はWouldn't It Be Niceぐらいだったです。しかし、何度も聴きこむうちに私はこのアルバムの世界の虜になってしまっていました。 当時のスタジオワークの技術をフルに駆使した複雑かつ、完璧に構成されたポップなサウンドの曲たち。それは、とても美しく、ときにとても儚く聞こえました。ブライアン・ウィルソンという天才で、弱く繊細な心をもつ孤独な一人の人間の心の中が、詩やサウンドとともに流れるブライアンの美しいボーカルから、にじみ出てくるような感じがしました。 (実際、この後、ブライアンは心が繊細過ぎたため、「Pet Sounds」のアメリカでの商業的失敗や「Smile」の未完成での棚上げなどで精神を病んでしまい、ビーチボーイでのブライアンの地位は低下していってしまうことになりました。) まあ、あんまり分かりにくいかもしれませんが、こういう表現でしか表すことの出来ないアルバムだと私は思います。
あのポール・マッカートニーが「世界で一番美しいメロディー」といわしめたGod Only Knowsや、Sloop John Bなどの永遠の名曲はもちろん、愛する人への届かぬ儚い想いをポップなメロディーに乗せて歌ったWouldn't It Be Nice、そしてHere TodayやI Just Wasn't Made for These Timesなどの哀愁漂う隠れた名曲まで、一曲一曲が聴く人に感動を与えずにはいられないでしょう。
「このアルバム聴かずして、20世紀のロックを語ることなかれ。」といえる数少ないアルバムの一つではないでしょうか・・・。
・「マルチチャンネル!」
このディスクは両面ディスクで、片面がdvd-audio、もう片面がdvd-videoとなっている。dvd-audioは5.1chのみ、dvd-videoはドルビーデジタル5.1ch、dts(dts96/24)5.1ch、ステレオ(PCM96khz24bit)、モノラル(PCM96khz24bit)の選択ができる。さらに96年のドキュメンタリー、スループ・ジョン・Bのオリジナルプロモフィルム、アルバムやトラックの詳細データ、フォトなどもある。音質は現行のソフトの中ではもっとも良いだろう。一つ一つの楽器の音やコーラスがはっきりと聴き取れる。ただし次元が違うほど良いというほどではない。マルチチャンネル再生は音が分断された感じがなく自然に聴くことが出来る。これはマルチチャンネル化がうまいというより、音源の音の量が多いのと、もともとすべての音が溶け合うように作ってあるためだろう。あらためて、ブライアンの凄さを思い知らされる思いだ。ちなみに、dvd-videoのステレオ、モノラルの高音質再生はデジタル出力では通常の48khz16bitになるようなので(機器によるかもしれないが)、アナログで出力しよう。
・「■[Brian Wilsonが描く個人を深く深く追求する永遠の内省的アルバム!!]」
個人の言葉や理屈では達し得ない深い深い心の領域にPOPsで絵を描くと私の場合Pet Soundsになるんですね。生きていると悲しい事が沢山あるのですが…行き場を失った心の終着点にこのAlbumを聴くとやたら光ます。1曲1曲がグレーの空に時々逆行された光が走る瞬間の美しさに似て、心に永遠に刻まれ、♪となって心の中に留まったり致します。死ぬまで聴けるアルバムはそうはありません。もはや文字というツールは何の意味もなく、…ただ聴くのみ…お薦めです。
・「正直わからない」
基本的に人に薦めたいものをレビューしたいと思っているのですが、この「ペット・サウンズ」ほど、外部の評価と自分の本音の気持ちが乖離するレコード(CD)も少ないです。「スマイル」の方は他人がなんと言おうとも絶賛ですが、この「ペット・サウンズ」は、まだ未完成の域でリリースされてしまったのではないかと思われて仕方がないのですが。確かにそれまでのビーチボーイズ路線と決別して(ブライアンが)新しい道を進む転機となった記念すべき傑作には違いないのですが。聞き込めば分かる(ある日突然覚醒するアルバム)といわれておりますが、かく言う私めは40年近く聞いておりますが、いまだに覚醒しません。人間がアホなんでしょうか?目の前のもやが晴れる日が来ることを信じて聞き続けたいと思います。ビートルズの「ラバーソウル」と比較されますが、ブライアンの世界はちょっとビートルズの求めたものよりも高尚過ぎたような気がします。だからその後が辛かったのでは。
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