・「トッドの原点とも言える飾り気のない作品集 - 入門用にお薦め - 」
トッド・ラングレンのRUNT名義によるソロ2枚目(71年)。トニー・セールス、ハント・セールスらと組んだのがラントだったが、このアルバムではそのメンバーだけにはこだわっていないようだ。タイトル通りバラード・タイプの曲が多いのだけど、いきなりアップ・テンポの甘酸っぱいメロディーが出てくるあたりがトッドらしい。またトッド流ハード・ロックの11.なんていうのも入っている。はっきり言って名曲しか入っていないアルバムなので、文句が付けようもなく、またアレンジも余計な装飾を省いたシンプルなものになっているため、聞き手を選ばない作品に仕上がっていると思う。ニック・デカロのカヴァーもある4.は別格としてポップな1.トッドの作品としてはちょっと感触が違う名曲2.ハンド・ベルが導入された9.などは名曲しか入っていないこのアルバムの中でも群を抜いて素晴らしい出来。多重コーラスが美しい12.も小品ながら素晴らしい。いわゆるシンガー・ソングライター的な作風ながらそれを感じさせないのはやっぱりメロディーのセンスの良さなんでしょうね。あくまでもこの作品はトッドの一側面しか表していないので、そういう意味では面白みに欠けるけど完成度はすこぶる高くて、それこそ孤高のイメージすら漂っています。でも親しみ易い。やっぱり入門用にはこのアルバムでしょうね。個人的にもトッドのアルバムで最初に買った2枚のうちの1枚でした。もちろんその後はドップリと漬かりましたよ。★10個
・「SingerSongWriter」
御案内させていただきます。日本ではカルトな人気の天才音楽家。アナログ時代はかなりな高値で売買されていた人物。すなわちマニアック&アンダーグラウンド的なファンが多いのが特色。ミュージシャンズミュージシャンという見方もできる。音楽全体を非常に高い位置から俯瞰できる優れた人物。
でアルバムの方はビートルズにインスパイヤーされたものになっている=(くわしく言えばポールマッカートニー)。個人的にはポールのソロアルバムよりもこのアルバムの方が断然上である。まぁそんなことはどうでもいいんですけどねっ。アルバムジャケットからもわかるようにこの人のジョーク感覚はすばらしい。まるで人生自体を冷笑しているかのようだ。
楽曲は端正でロマンテックなバラードとミッドテンポのポップソングに大別できる。で、トッドのもうひとつの側面=ハードロックサイド=は今回は大分後退していて抑えられているのも特徴。今回は彼の中の=狂気=ディーモン=化け物=はおりにいれたままのようだ。トッド流ロックンロール=パワーポップを期待するとはずしますので注意(Paroleは除外)。
でどこが優れているのかと言えばやはり、トータルな音楽家としてハイレベルということ。たとえば『声がよい』『いろんな楽器を演奏できる器用さ』『アレンジに対する飛び抜けたセンス』『べたべたし過ぎないビタースィートなバラードの程よい押さえ加減』『優雅さとパッションのバランスよい同居』などあげたらきりがないが。
このアルバムは美しいメロディーを紡ぐことができる一人のミュージシャンの内面にある音宇宙の告白と考えればよかろう。繊細であるがゆえの心の震えが見事に表現されている。それを堂々とマニフェストできる彼の自己プロデュース能力がまばゆいばかりに最大限に発揮された初期傑作の1枚。
・「すでにマルチミュージシャンぶりを発揮」
これからトッドを聴いてみようという人には、このソロ第2作をお勧めします。ベースとドラム以外の楽器をトッドがプレイしていて、もうマルチミュージシャンぶりを発揮していますが、でもサウンドはシンプル、曲はポップで、非常に聴きやすいです。メロディーメーカー、トッドの面目躍如たるアルバムといえるでしょう。入門編として『Something/Anything?』を勧める人が多いかもしれませんが、個人的にはあのアルバムは甘口すぎます。本作か、ライブ2枚組『Back To The Bars』が入門にはぴったりだと思います。
・「未完成」
ソロ2昨目。まだトッド節は確立されておらず、キャロルキングの”つずれおり”のような音&雰囲気。意外と万人受けする作品だと思います。
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