・「「評判通り」の映画」
評判通りの作品である。ポジティブな受け止め方をすると、特務機関の男とその暗殺を謀るスパイの女だからこそ生まれる倒錯した愛情表現は、「愛の嵐」のように見ごたえがある。また秘密の部屋での性愛描写は、「愛人・ラマン」同様、湿気を含んだ匂いを漂わせている。
・「印象に残ったのは・・・」
見終わった後にタン・ウエイの表情が強く印象に残ったタン・ウエイの表情は、その役柄からかあまり豊かでは無いんだけど何故かストーリーより印象に残っている
もう少し二人の心の葛藤のようなものが見たかった
・「観どころあるが、2人の駆け引きをもっと見たかった」
前半は、女主人公の話が中心で、後半1時間で2人の愛憎・駆け引きが描かれます。
前半は正直いらないくらいの内容で、描かれているスパイ活動や仲間との関係などほとんど無駄な内容と思いました。
後半のトニーレオンとタンウェイの駆け引きや恋愛表現は、一見の価値があり、なかなかのものでした。お互いの気持ちを歌を通して通じる場面は、感動ものです。過激な表現より、限られた時間で瞬間的にお互いを感じあうような場面がもっとあればすごい映画になったと思える作品です。
・「トニー・レオンの魅力」
トニー・レオンの魅力が炸裂の一作。今まで見た彼の演技の中で最高でした。特に瞳の演技が素晴らしい。彼が演じるのは、無口で心が死んだような孤独な軍人。タン・ウェイに関わり、疑いながらも深く惹かれていく様子を眼で雄弁に表現しています。
特にLastの宝石店で指輪をはめた彼女の指に触れるシーンは秀逸。あんな表情を見たら、誰もがクラクラですよ。答えるタン・ウェイの心も120%伝わります。
アン・リー監督の映画はどれもダメダメなんてのはありませんが、感心なのは新人女優や俳優さんの魅力を引き出すのが上手い事。ワン・リーホンがトニー・レオンと対照的な正義感あふれる真直な青年で出演してますが、とても彼のキャラクターにはまってました。映画に良きスパイスとなっていると思います。
どのシーンの映像も美しく女性がみても十分に感動できる映画だと思います。ぜひオススメ!!
・「[last caution]と思い違っていたが、それはそれで・・・」
実は邦題の「ラスト、コーション」のラストを“Lust”ではなく“Last”と思い込んで観ていました。しかし、この作品のクライマックスは、最後の土壇場でのヒロインの‘逃げてっ’という叫びの瞬間にあります。ですから〔色、その戒〕という本来の意味よりも、間違って思い込んでいたタイトルの方が、むしろ本質だったのかも知れません。王兆銘南京政府の採った微妙な対日バランス政策がもっと描き出されていれば評価は5のレベルなのですが・・・。
・「アン・リー監督、才気爆発!」
アン・リーは、ハリウッドで頑張っている唯一とも言えるアジア系米国人であり、コンスタントに上質で、ある意味では破綻のない優等生的な映画を作り続ける、職人的な監督だと思っていました。でも「ブロークバック・マウンテン」を観てびっくり!個人的には「見る眼」が変わった。そして、たたみかけるように「ラスト・コーション」。元々、既に実力があり、実績のある監督なので、出来が良いのは当たり前。ただ、この作品は別格。個人的には、現時点では、彼が祖国で撮ったこの作品こそ、ベストだと評価します。かつ、やっと彼が一番撮りたかった映画を撮ることが出来、そして私はそれを観た!でした。特に、あんなに過激で、かつ緊張感ある、「生と死の極限」とも言えるベッド・シーンは異常で、あんなベッド・シーンを初めて映画で見た!衝撃的でした。おそらく一生忘れないと思います。しかも「技術的にあのシーンをどうやって撮ったのか」未だわからない。単純に「本番でした」かもしれないし、そうではない場合は、ますます謎が深まります。そして、なぜ、あのシーンがああいった、過激な表現でなければならなかったのか・・・。おそらく、彼のこの作品に賭けた愛情、怒り、執念などの全ての思いが、あのベッド・シーンに集約されていたのではないでしょうか。当時・第二次世界大戦下の中国の緊迫した状況を象徴したかのように思われます。それに相まって、表面的には非情ながらも、深い虚無感のある、まるで魂の脱け殻のようになった人間の苦悩を演じたトニー・レオンの演技も凄まじく、主題が主題であるが故に、そして日本人であるが故に、ショック!でした。そして、確信しました。アジアの人達は、未だ忘れていないし、決して忘れないだろうと。日本軍が第二次世界中に占領下のアジアでしたことを。ヨーロッパの人達が、未だ、そして決して「ドイツ・ナチス」がしたことを許さないのと同じように。私達は何も教えられていないし、真実を知らない。でも、私は何があったかを想像はできる。世界の私の知人・友人達は私以上に知っていますよ。ちょっと教えてくれたけど。そう言った意味において、最高の「反日劇映画」であり、かつ優れた「人間ドラマ」として評価すると共に、監督アン・リーの才気ある演出力には、改めて圧倒されました。
・「密かな愛」
舞台は、戦時下の上海。中国人でありながら親日派である敵。彼の暗殺をもくろみ、虜にするため、自分を犠牲にして愛人にまでなる主人公タン・ウェイ演じるチアチー。騙されているとも知らず、彼女との密かな愛に溺れるトニー・レオンが演じる特務機関の責任者。この二人の出会いと別れが、この物語の軸であり、全てである。タン・ウェイの濡れた瞳、迫真の演技がドラマを引き締める。トニー・レオンとタン・ウェイの二人が愛を交わすシーンは、誰かに見せる演技ではなく、二人のプライベートな時間を切り取ったかのように錯覚させる。シンプルなストーリーではあるが、感情を押し殺しお互いの制約の中で、激しく愛し合う姿を描ききっており、DVDも是非予約しようと思う。※私は、関東で最終上演となった「下高井戸シネマ」で、最終日に鑑賞しました。
・「禁断の大人の激情ラブストリー」
激しい時代の流れの中で抗日運動に身を投じ、女スパイとして弾圧側のスパイ組織のボスに色じかけ(?)で接近し成功するが、見せかけであったはずの彼らの恋愛がいつしか本物のそれと見分け難くなる。男は抱え込んだ不信、孤独を逃れ、安息を求め、片や女は、男によって女になっていく...。偽りの世界とリアルな肉体的性愛の対比。
背信(中国にとっては)の男。誰も信じず冷徹で非情な男が、チアチーに溺れていく...。トニー・レオンが無表情だけれど、強烈な存在感を発揮しています。でも、本作はチアチーの物語です。新人のタン・ウェイが想像以上の出来。幼顔で小さな口、それでいて、身長170cmの姿態で凜とした「女」の佇まい。学生時代、舞台で抗日に目覚める少女を演じたことを発端に、タバコも演技のため体験し、現実の世界でも彼女は、スパイのために処女を棄て女の成長を「演じる」こととなる。そういえば、ヒロインも含め彼女の演劇仲間が、過激な抗日運動組織へと変貌する前半の展開もなかなか面白いです。
冒頭から何度も登場する「麻雀」シーン。ブルジョアの振る舞いや、なにげない会話に心理の攻防が見取れて面白い。そんなシーンも含め、重厚感あるセットなど美術、細部にこだわったアン・リーの演出は見応がありました。特に、ラストの見つめ合う"二人"の表情と、その背後で同じ目にあう人物たちのそれとのギャップを見せる演出は鳥肌ものでした。
・「性描写を抑えても同じテーマで感動的な作品ができたのでは?」
過激な性描写が話題になったR-18指定のアン・リー監督作品。第二次大戦下の上海で、演劇部の学生が親日派の要人暗殺を企てるうちに、大きな抗日組織にとりこまれていく。暗殺を目的に要人イーの元にスパイとして潜入した女スパイのワンは、イーとの肉体関係を重ねるうちに、彼の秘めた性格や苦悩などを理解するようになる。暗殺と愛情のジレンマにはさまれて、物語はクライマックスへ。最後の見せ場はまさに『ラスト、コーション』が示している。
見終わった後に気が重くなるような内容であった。歴史的な上海の風景や俳優人の演技は特筆すべきものであったとは思うが、2時間30分を越える内容としてはややクライマックスの盛り上がりに欠けるように感じた。本作品で過激な性描写がなくても違った脚本と演出でも同じテーマを表現できたような気がするし、表現を変えて万人が見られる作品にしたほうがよかったような気がしてならない。ただし、そうであれば日本ではあまり話題にならなかったのではないかという気もする。
総合的に星4つにするか迷った上での評価。テーマはいいのに、特に子供には見せられない点で評価を星3つとした。
・「上海の街の魔力がよく描かれている。」
ラストとは「色」、コーションとは「戒め」。日中戦争の中、抗日に立ち上がった若者の一団の1人の女性(タン・ウェイ)が、日本への協力者(トニー・レオン)に近づこうとして、成功するものの、思わぬ関係に陥り、微妙に心情も変化していき、2人の運命は果たしてどうなるのか、という作品です。さすがアン・リー監督。日本占領下の中国の様子(有閑マダムの生活等)を丹念に描写しています。特に上海の街の再現が素晴らしい。タン・ウェイはとても映画初出演とは思えぬ大胆さでトニー・レオンとのベッド・シーンを演じ、明日をも知れぬ立場の2人が互いを求め合うことに説得力を与えています。ただし、子供と一緒に本作を鑑賞するのは控えた方が無難でしょう。
私が一番好きな場面は、日本料理店でタン・ウェイがトニー・レオンの前で「天涯歌女」を踊りながら歌う場面。これだけでも一見の価値はあると考えます。
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