とらんぷ譚
サシャ・ギトリ(監督), マルグリット・モレノ(俳優), ジャクリーヌ・ドリュバック(俳優), ピエール・アシ(俳優), ジネット・マルトノ(俳優), ポリーヌ・カルトン(俳優), ロジーヌ・ドレアン(俳優), セルジュ・グラーヴ(俳優), エルミール・ヴォーチエ(俳優)
●和解せず/マホルカ=ムフ (ストローブ&ユイレ コレクション)
●フリッツ・ラング コレクション ハウス・バイ・ザ・リヴァー
・「愛すべきフランス映画、トリュフォーの匂いにクラクラ」
話には聞いていましたが、未見だった「とらんぷ譚」が見ることができて嬉しいです。またもや紀伊國屋さんに感謝。
サシャ・ギトリについてはあまり詳しくは知りませんが、生涯で34本の映画を監督したとのことです。フランスでは著名で、とらんぷ譚は大変愛されている作品だそうです。現在、日本で入手可能な作品はこの作品とVHSで「ナポレオン」(廃盤)だけのようです。
プリントについて。作品の性格から言って、クリティカル・エディションに取り上げられても不思議はないように思いますが、そうはなっていません。視聴してみて、クォリティがそこまでではないからかと思いました。全体的な程度は中の上程度でストレスは感じませんが、時々大きなキズがあり、そこは修復困難だろうと感じられました。デジタル処理しているようにも感じないので、普通の古典映画のDVDの範疇を越えない程度です。
個人的な感想からいえば、猛烈にトリュフォーの匂いがしました。というか、トリュフォーがギトリの匂いがしたんでしょうけど。裏の解説にもありましたが、この作品はヌーヴェルヴァーグへの影響が強かったようです。前半の子どもを巡る描写は、トリュフォーそのものと思えるくらい。「大人はわかってくれない」(☆5)や「トリュフォーの思春期」(☆5)あたりを強く想起させます。それと、驚いたのはパトリス・ルコントの「橋の上の娘」(☆5)。途中の元妻とルーレットに関するプロットや建物を見上げる動的なショット、全くこの作品と同じ。とらんぷ譚の影響の大きさを感じました。
特典映像については、サシャ・ギトリという人物自体が分かっていない自分には、大変興味深い内容でした。日本ではあまり紹介されていない監督なので、理解の助けになることは間違いないと思います。
・「やっと見れる!」
夢にまで見たギトリの「とらんぷ譚」。ヌーヴェル・ヴァーグに興味がある方だけでなく、シネフィルは必見です!フランソワ・トリュフォーやジャン・ユスターシュにも影響を与えたナレーションの妙技に酔いしれましょう。日本でソフト化されていたのは「ナポレオン」(シュトロハイムがベートーヴェン役で出ていましたね)ぐらいだったので、これほどうれしいニュースはありません!他のギトリ作品もリリースしてください。ついでにマルセル・パニョルの「パン屋の女房」も。
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