・「人間の心情の奥底を描ききった傑作」
この作品を初めて読んだのは30年以上も前の小学生か中学時代で、それも少年少女版であったと思う。当時の自分には社会から虐げられた元犯罪者の悲しい物語という印象しか残らず、それ以来この作品を手に取ることはなかった。しかし、最近ある新聞でこの作品を何度も読み返しているという作家のコメントを読み、興味が沸いてきて再び挑戦することにした。
今度は完全版に近いものを読みたいと思い、思い切ってPenguin Classicsの英語版に挑戦することにした。翻訳者のNorman Dennyによると、これでも原書の一部は省略したそうだが、それでも1,200頁にも及ぶ大作であった。
仕事の行き帰りや休日の合間に読んだため、読み終えるのに1ヶ月以上を要したが、それに見合う素晴らしい作品であった。この作品のすごさは、人間の心の奥底をこれまでするかというほど執拗に描く描写力である。例えば、決して主役とはいえないジャン・ヴァルジャンを最初に救う牧師を描くのに50頁以上を費やしているのはほんの一例で、あらゆる登場人物の性格や心の動きが驚くほど繊細かつ執拗に描かれている。また、当時のフランスやパリの社会情勢や政情に関しても、例えば物語の筋とは殆ど関係のない、ウォータールーの戦闘の様子が始まりから終りまで描写されていたり、ジャン・ヴァルジャンとコセットが逃げ込む修道院に関しても、その歴史や慣習がこれでもかというぐらい執拗に説明されていたりしており、次のストーリー展開を早く知りたい時には正直言っていらいらすることもあったが、19世紀のパリの様子をまさしく目の当たりにしているような気になった。
細かいことを書いてしまったが、物語自体も実に面白くドラマチックな展開が繰り広げられ、最後の1頁まで堪能することができた。日本語版ではどの程度まで翻訳されているかは確認していませんが、とにかくなるべく完全版に近いものを読むことをお勧めします。
・「ぼったくり!」
本の内容はまあどーでもいいんですが、この装丁でこの価格設定はまかり通るんですか?どう眺め回してもせいぜい2000円弱ぐらいにしか見えないんですけど。
・「革命と、信仰と、一人の男の信念と、歴史」
みなさんが知っている有名なストーリーですが、私はあまり詳しく知らなかったので、物語自体はとても楽しめました。作者の時代に対する、あるいは政治、文化等の考察部分を読み取るのに時間がかかりました。
あらすじはみなさんご存知ですから省略致しますが、かなり重厚な、密度の濃い物語です。
意外だったのはコゼットという少女は私にとってはただの脇役なのでは?という印象が残った事です。コゼットを主役にしての物語としても存在している様ですが、コゼットはあまり重要な人物ではありません。またコゼットの恋人マリウスもまた枝葉の登場人物に感じられました。二人は最終的に幸せになるのですが、それはあまり重要な事柄ではなく、いかに二人の為にジャン・ヴァルジャンが苦悩したか?という事がこの物語の重要な部分と感じました。つまり、ジャン・ヴァルジャンの生きた事による波がどのような作用を周りの人達に影響を与えたか、を詳しく語る為の人物なのです。
服役後も(もちろん服役前の貧しさからくる辛さ、服役中の人として扱われない苦しみも)人々から蔑まれ、差別を受け、その結果全ての事から心を閉ざしてしまったジャン・ヴァルジャンに、偶然知り合う慈悲深い神父ミリエルからの温かい親切と導きを得て、その神父の行動を理解できずになお悩み、そして悩みながらも繰り返して起こしてしまった些細な悪事を振り返った時、その時初めて、ジャン・ヴァルジャンの心に善なる事への強い衝動が起こってきます。この時のジャン・ヴァルジャンの葛藤の描写には素晴らしい説得力がありました。ただ盗んだ銀食器を神父がジャン・ヴァルジャンに与えた、という事だけでは起こりえない葛藤があるのです。あらすじだけでは当たり前ですが物語を楽しめるわけないです。ジャン・ヴァルジャンはここから生まれ変わって善なる人として生きて行く道を自身の手で決め、そして徹底させていきます。最初から上手くいく訳ではなく、この後も更なる葛藤が待っています。しかしその度に非常に厳しい選択を自身で決定する際にも、公正さ、善とはという基準でのみ選び、自己保身へは傾きません。自己保身への欲望は認めつつもジャン・ヴァルジャンは正しき道を必ず選びます。ただ、その葛藤を克明に描写する事によってジャン・ヴァルジャンをヒーローにしない部分が現実味を持たせ、説得力があり、だからこその感動がありました。
正しき事、正論、善は結局のところそのままでは何の意味もありません、それを行うのは人であるし、完全に正しい人は存在しないからです。だからこそ、誰が言っているのか、どのような生き方をしてきた人がその行為を行っているのかが重要なのだと思いました。それによって重みが違います。ある意味この「レ・ミゼラブル」は宗教書と言っても良いと思います。神(それがどんな神様であれ)を信じる人の生き方を指し示しています。
この時代には神様が生きていたのだと思います。神様は私個人は存在しないと思っていますし、また神の存在を認める人がこの世界にいる事も理解できますし、話し合えるとも思っています、理解し合える限界はあるにしろ。しかしもし神が存在しなくても、仮に100人しかいない小さな生活集団(その中でほぼ一生を終える場合)の全員が神の存在を信じて疑わなければ、そこに神は存在するに等しい状態になると思います。そして恐らく18世紀末から19世紀始めのヨーロッパでは神は存在していたに等しい状態であったのではないかと思いました。また、神が必要とされていたからこそ、なのかも知れません。
ジャン・ヴァルジャンに対抗する存在の、警視ジャベル(法の番人、そして信念の男)と、コゼットの育ての親で悪人テナルディエ一家(この中の娘、エポニーヌの悲しい結末、エポニーヌの変節と恋もまた、素晴らしい描写なのです!ここは泣けます!)の存在が物語に厚みを増します。ジャン・ヴァルジャンは彼らを許します、許せるに至る心の軌跡がまた素晴らしかったです。ただの悪人ではなく、人間とは悪に染まりやすい存在だからこその許しが私でなく、ジャン・ヴァルジャンに言われるからこそ、重みを持つのです。
ジャン・ヴァルジャンの生き様、その残した足跡(小説の本当の最後に、ジャン・ヴァルジャンが自身の一生を振る帰りながらの告白はまさに胸に迫ります、美しい文章です!)をたどりながらフランスの革命期の空気を感じられる、そんな小説です。長くて、濃くて、王道です!
・「面白くてためになるユーゴーの最高傑作」
レ・ミゼラブルは、ぼくが読んだ小説でベスト3に入る作品である。文は短くて、挿絵も美しく分かりやすい。原書の抜粋版であるが、とてもいい翻訳だと思う。
この本は、19年もの牢獄生活を送った囚人ジャン・バルジャンと途中で彼に助けられた少女コゼットの話である。彼女は優しいジャン・バルジャンを父のように慕う。
ぼくはつい最近NYでこのミュージカルを鑑賞したがこの本を読んでから観るほうがずっと分かりやすい。手元に置いておくと嬉しい、何度読み返しても面白い作品である。すべての人に薦めたい。
・「初心者のためのレ・ミゼラブル」
本書はユーゴー氏のレ・ミゼラブルを「ジャン・バルジャンの物語に絞って」まとめられたものです。
挿絵は19世紀のフランスの木版画を採用していると解説にありました。幼い日のコゼットの挿絵は、現在でもミュージカルのポスターなどに用いられています。その挿絵の影響もあってか、コゼットは巻き毛のロングヘアというイメージが定着しているようです。
少年少女版とあってはぶかれている部分も多いですが、物語の素晴らしさと全体の流れを短期間(集中して読めば2日ほど)で理解できるのでお勧めです。
全訳版は私もまだ手を出していません。でも、いつかはレ・ミゼラブルの世界を何もかも自分の中に取込みたいと思っています。
・「多くの人に読んでほしい。」
三ヶ月かけて読み終えた。600ページ×4冊素直な感想「読んでよかった…」
■ 「よく覚えておきなさい、世には悪い草も悪い人間もいるものではない。ただ育てる者が悪いばかりだ」■ くぼんで一種の深い影をたたえている大きな目は、多くの涙を流したためにほとんどその光を失っていた■ そして彼女が浮かべた微笑は、その対話を天の森にもふさわしい牧歌となした
こんな一文が出てくるけど、もし両親に親切に育てられていなかったら今の自分って絶対に無いわけだし…とか考えてしまってホント泣きそうだった。人って人に支えられて、成長できてるんだよな。もちろん☆五つ
・「いよいよジャン・ヴァルジャンの逃亡生活始まる」
2巻がいちばん盛り上がりに富んでいて面白いです。亡きファンティーヌとの約束で、ジャンはコゼットを引き取りにテナルディエ夫妻の旅籠にやってきます。ジャンとテナルディエの緊迫したやりとり、そして執拗に追い回すジャヴェールの魔手から逃れられるか。逃亡劇は何度読んでも手に汗握る緊迫感です。パリの地図が手元にあれば、尚いっそう面白いでしょう。コゼットの純粋さが引き立つような豊島訳は、まさに名訳です。ぜひ岩波文庫版をお勧めします。
・「Les Miserables (Penguin Readers)」
大学の必修の授業で読みました。この本は、ヴィクトル=ユゴーの名作『ああ無情』をやさしい英語に編集したものです。ヴァルジャンという一人の男の人生を描いた物語です。当時のフランス社会を痛烈に非難したこの作品は、せっかく訪れた幸せもはかなく去ってしまう物悲しさを私たちに伝えてくれます。貧しいものは常に社会から排除されてしまう。ユゴーは、主人公・ヴァルジャンを通して読者に訴えかけます。ヴァルジャンの心情や周囲の人たちに対する態度の変化が、この作品の読みどころだと思います。19年間の囚人生活から開放された彼が世俗社会に復帰したところから、さあどうぞ!
・「レミゼ」
良いです。
・「物語は泣ける」
一巻毎に泣ける場面が数度。最後もやっぱり泣く。あとは作者の薀蓄やら思想やらがなければ、いいのだが。そこらへんは飛ばして読んだほうがいいかも。
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